役所勤めでうつになる公務員は、後を絶ちません。
あなたの周りにも、役所勤めをしている人でうつになっていたり、うつっぽくなっている人がいるのではないでしょうか。
うつになる原因は様々ありますが、役所勤めでうつになる場合、その理由は独特です。
なぜなら、公務員の仕事は、民間企業と比べると、仕事の内容や相手するお客さんを自分で選ぶことができず、公務員特有の世界の中で仕事をすることになるからです。
私自身、役所に勤めていて起業しようか悩んでいた時に、しばらくの間うつ状態になりました。
なぜうつになったのかの原因が分かったので対処して回復したのですが、うつになると気力がゼロになって、何に対してもやる気が失せてしまうので、かなりつらかったことを記憶しています。
一昔前までは、うつは治らない病気といわれていましたが、うつの正体が分かれば復活することができるんですよね。
そんな私の経験から、今回は、役所勤めでうつになる原因や対処法などについて、お伝えします。
そもそも「うつ」とは何か?
とある書籍によると、いつ死んでもいいと思うほどの、言葉では表現できない暗い気分や喪失感が2週間以上続いたときは、うつであると定義づけています。
これはあくまで、うつかどうかを判断する一つの基準ということなのですが、うつにより発症する症状がありますので、初めにそれを確認することにしましょう。
- 不安や焦燥感が毎日続く
- 何に対しても興味が湧かない
- 早く死んでしまいたいと思う
- 自分を責める
- 仕事や生きることにやる気がなくなる
- 本や会話の内容が頭の中に入らない
など
- 睡眠障害
- 食欲不振
- 疲労感
- 倦怠感
- めまい、吐き気
- 動悸、呼吸がしづらい
- 体のあちこちに痛みを感じる
- 体が重い
など
うつになる5つの主な原因
様々な要因が重なってうつになることが多いのですが、ここでは、うつの原因を5つに分けてお伝えします。
原因1:熟考しすぎる
熟考とは、熟すまであれこれ色々と考えることですが、考え過ぎて何も行動を取らないとうつになることが分かっています。
「このまま公務員でいいのか、嫌な人たちと距離を置くにはどうしたら良いのか、起業するにも失敗したらどうしよう、収入がなくなって生きていけなくなるかもしれない、このまま孤独で死を迎えるのか」などと、ループして考えていたら、私もうつになりました。
アイディアを出す時などに熟考することは大事かもしれませんが、やりすぎるとうつになる可能性があるので、注意しなければいけません。
原因2:座りっぱなしの仕事
オーストラリアのディーキン大学の研究では、1日のほとんどを座って過ごすと不安になり、強いてはうつにかかりやすくなるという結果を発表しています。
日中は座りっぱなしのデスクワークで、家に帰ると座りながらテレビを見るなど、1日の合計座席時間が、不安やうつのリスク増加と関連していることが分かりました。
特にデスクワークが多い役所勤めの人は、うつにかかるリスクが高まると言えるでしょう。
原因3:腸を動かさない生活
私たちの腸は、毎日様々なホルモンを分泌して体調を整えているのですが、腸が凝り固まって腸内環境が悪化すると、ホルモンの分泌がうまく機能せず、不安やうつに襲われやすくなります。
そして、腸が凝り固まると呼吸がしづらくなることも原因の一つに挙げられます。
呼吸は、生命維持だけではなく、私たちの体をリラックスさせるために必要なものですが、腸が凝り固まって呼吸がしづらくなると、心や体が不調になってしまうのです。
原因4:自然に触れる機会が少ない
私たち人間も自然の一部ですので、自然に触れてエネルギーを養うことは大切です。
しかし現代社会では、ビルや道路、車、コンピュータなどの人工物に囲まれた生活を送っており、普通に生活しているだけで疲れてしまう社会となっています。
私たちはα波により回復することが知られていますが、その逆のコンピュータから発せられる耳には聞こえない不快な音や、車や工事現場の騒音によって、知らず知らずのうちに疲弊し、それが蓄積されるとネガティブなことしか考えられなくなってしまうこともあるのですよ。
また、パソコンやスマートフォンを必要とする以上、体に電磁波が蓄積されていき、それが体調不良を起こす原因にもなっています。
アスファルトやコンクリートに囲まれていると、あなたの体に溜まった電磁波がなかなか放電されてくれず、疲弊してうつになりかねないのです。
原因5:パソコンやスマートフォンの見過ぎ
パソコンやスマートフォンから発せられるブルーライトは、あなたの脳を興奮状態にさせます。
日中にブルーライトを浴びる分には問題ないのですが、夜遅くにそれらを見ると、脳が興奮状態のままで、睡眠障害を起こしてしまう原因になってしまうのです。
上手く睡眠がとれない状態が続くと、脳がテンパってしまい、不安やうつにかかりやすくなります。
また、うつにかかっている人は、100%といっていいほど、首の後ろが凝り固まって血流が悪くなっています。
「スマホ首」で知られているように、スマホばかり見て首の後ろが凝り固まると、うつになる確率が上がるため、注意しましょう。
役所勤めでうつになる理由
役所勤めでうつになる理由は、主に「仕事内容」と「人間関係」の2つです。
そこで、その2つの詳しい中身について、見ていくことにします。
仕事面でうつになる理由
仕事に使命感が感じられない
「地方公務員のやりがいはいかに?!向き・不向きを徹底解説」でもお伝えしましたが、基本的に公務員の仕事は、特殊な才能がなくても誰でもできるため、使命感を感じる機会があまりありません。
つまり、役所の仕事には、自分の実力を試せる機会がないのです。
「何のために仕事をしているのだろうか」と熟考してしまうあまり、うつになる場合があります。
積極性がないのに責任が大きい
役所の仕事には、自分から積極的にやりたいと思えるようなものがほとんどなく、基本的には法律や社会情勢、天候、住民ニーズに左右される仕事のため、やらされているような感覚に陥ります。
それと同時に、何百億円という税金を動かしている以上、ミスは許されないという大きな責任がのしかかってきます。
「ミスが許されない仕事をやらされている」というところに苦しさを感じて、うつになりやすくなるのです。
今まであまり失敗した経験がない
役所勤めの人は、今まで学校の勉強をしっかりしてきて、ある程度成績も良かったはずです。
そして、大きな失敗をすることなく「安定した生活」を目指して役所へ入庁するのですが、公務員の仕事には大きな責任がのしかかるため、厳しい局面に当たると「こんなはずではなかった…」と、精神的に耐えられなくなってうつになってしまいます。
課長職などにうつが理由で休職しているのが多いのは、これが原因ではないでしょうか。
人間関係でうつになる理由
お客さんを取捨選択できない
例えば民間企業の場合、自分の商品を買ってくれる人や常識のある見込客だけに絞ってお客さんとして対応することができますが、公務員は全体の奉仕者であり、一部の奉仕者ではないため、全ての人を対象に分け隔てなく対応しなければなりません。
その中には当然、理不尽を押し付けてくるような非常識な人もいますし、地元住民とも付き合っていかなければならないのです。
地元の行事や会合などには、公務員だからという理由で駆り出され、役職までやらされるなど、公務員には逃げ場がありません。
その様な住民から、コキ使われてうつになってしまう人もいます。
上下関係を意識した人間関係
これも、「地方公務員のやりがいと公務員に向き不向きな人とは?」でお伝えしましたが、役所には、目上の人にはこびへつらい、それ以外の人にはエラそうな態度で命令するような、変な風習が根強く残っています。
法律上、自分よりも立場が上の人の指示には従わなければならないとなっていることも、上下関係がはっきりと出る要因です。
全ての公務員がそのような態度をとるわけではありませんが、自分が苦手な人や自分に悪影響を及ぼす人たちと一定の距離を保つことができず、職場内の人間関係が原因でうつになってしまう職員は、ものすごく多いのです。
うつ状態から回復する方法
考え過ぎずに受け流す
うつになってしまう人の特徴として、全てのことを受け止めてしまう傾向にあります。
受け止めてしまい、しかもそれについて熟考するとうつになってしまうので、受け流すことが大切なのです。
受け流すとは気にすることをやめることなのですが、なかなか気にせずにはいられないもの。
そこでオススメなのが、不安を紙に書き出すことです。
たいていの場合、今抱えている問題は何なのかを熟考しすぎて不安になり、度が過ぎるとうつになるので、何に対して不安に思っているのかを紙に書いて認識する必要があります。
何が問題なのかが分かっていないから不安になるということを防ぐために、不安の要因を紙に書き出して認識することにより、気持ちを落ち着かせることができるのです。
たまには立って歩く
一日中座りっぱなしだと不安やうつになるリスクが高くなることをお伝えしましたが、座りっぱなしがうつの原因になるのであれば、たまには立って仕事をすることも大切です。
1日のうち、1時間30分以上を立ったまま仕事や作業をしたりすると、集中力が上がるという研究結果もあります。
例えば書類を整理するときに立って整理したり、考え事は廊下を歩きながら行ったり、家に帰って本を読むときは立って読んだりと、立つことを意識するとうつが回復しやすくなるでしょう。
ジャンプなどの運動をする
腸が凝り固まると、ホルモンバランスが乱れ、呼吸もしづらくなってしまいますので、腸を動かしてあげることが大事です。
腸を動かすのに一番いい方法は、ジャンプすることと短距離を全速力で走ること。
なかなか全速力で走る機会はないかもしれませんが、ジャンプであれば、家の中でもできますよね。
そのまま地べたでジャンプしてもいいですし、トランポリンを使ってジャンプするともっと効果が上がります。
私もトランポリンを使っていますが、トランポリンを5分しただけで、ジョギングを1kmしたのと同じくらいの効果が得られるので、とても良いですよ。
ちなみに、3,000円くらいのトランポリンだとすぐに底が抜けてしまうことがあるので、10,000円くらいのトランポリンをお勧めします。
腕を揉んで首周りの血流を良くする
うつにかかっている人は、まず間違いなく首の後ろがガチガチに固まって血流が悪くなっています。
首周りの血流が悪くなるからうつになるのか、うつになると首周りの血流が悪くなるのかはわかりませんが、首周りの血流を良くすることは大切です。
首周りの血流を良くするために、首を直接揉んでも良いのですが、背骨などの神経を痛める可能性があるので、腕を揉んで肩から首にかけて血流を流してあげると良いでしょう。
手首から肩の方へ軽く揉んでいくと、血流がだんだんと良くなっていき、頭もさえて視界が広がってきます。
オーディオブックを聞く
私たちの脳は、一人で考え事をしていると、ついついネガティブなことを考えるようにできています。
なぜかというと、危険を回避して生き延びるために、ネガティブなことに注目する癖がついてしまっているのですが、うつの時にこれをやるとますます悪化してしまいます。
そこでオススメなのが、オーディオブックを聞くことです。
私自身、うつ状態になった時は、オーディオブックを聞き続けて回復しました。
不安やうつになる時は、感情の機能を司っている脳の扁桃体に異常を来していることが多く、本を読んで文字情報を入れることにより、不安やうつを和らげることができるのですが、うつにかかっている時は、本を読む気力すら起きません。
オーディオブックであれば、ウォークマンなどのスイッチを押すだけで自動的に頭の中に、ポジティブな情報が流れ込んできますので、オーディオブックを聞いてうつを回避することも一つの手段として有効でしょう。
付き合う人を選択する
「人付き合いが面倒くさいと思う6つの心理と対処法」でもお伝えしましたが、私たちには、人間関係を築ける数が決まっており、その数は約30人です。
人間関係でうつになってしまう場合、誰とでも仲良くしないといけないという心理が働いてしまうことも、一つの原因といえるでしょう。
誰をあなたの身近に置くべきなのか、そして誰と距離をとるべきなのかを、一度紙に書き出して整理する必要があるのです。
あなたの足を引っ張る人や悪影響を及ぼす人とは縁を切るか、それができなければなるべく距離を取るようにしましょう。
まとめ:うつは病気と思わなくてOK
うつは基本的に治ります。
私の場合は休職する必要がないくらいの軽いうつ状態でしたが、役所に勤めていた時、他の職員がうつで休職していた時も、数か月後には復帰している人がほとんどでした。
うつについて調べていた時期があり、うつとは一種の感情で、休みが必要ですよと、自分自身に教えてくれる症状なのです。
つまり、うつそのものが病気ということではなく、これ以上無理しすぎると取り返しのつかない病気にかかりますよ、というサインなんですよね。
なので、役所勤めでうつになったのであれば、ひとまず休んで少しの間世間と隔離することが大事です。
もし、やたらと不安に駆られたり、うつっぽくなってしまった場合は、ひとまず今考えていることをやめて、体を動かすことをお勧めします。
ジャンプして飛び跳ねることでもいいですし、軽い筋トレでもいいですし、公園や浜辺を歩くということでもいいです。
体を動かすと、元気を取り戻すことができます。
体を動かす気力すらない、という場合は、オーディオブックを聞いたり、波や川の音を聴くのもいいですよね。
とにかく、熟考しすぎてしまって体を動かさなくなると、ますます深いうつに入り込んでしまうので、今回お伝えした方法を少しずつ試してみて下さい。
役所勤めでうつになる原因と対処法を知って起死回生を狙え! まとめ
- 言葉では表現できない暗い気分や喪失感が2週間以上続く状態
- 不安感や焦燥感に駆られる
- 動悸や息苦しさを感じる
- 原因1:熟考しすぎる
- 原因2:座りっぱなしの仕事
- 原因3:腸を動かさない生活
- 原因4:自然に触れる機会が少ない
- 原因5:パソコンやスマートフォンの見過ぎ
- 仕事に使命感が感じられない
- 積極性がないのに責任が大きい
- 今まであまり失敗した経験がない
- お客さんを取捨選択できない
- 上下関係を意識した人間関係
- 不安に感じている原因を紙に書き出す
- たまには立って歩く
- ジャンプなどの運動をして腸を動かす
- 腕を揉んで首周りの血流を良くする
- オーディオブックや波の音を聞いてネガティブ思考を回避する
- 付き合う人を選択し、自分に悪影響を与える人とは距離を置く
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