地方公務員のやりがいはいかに?!向き・不向きを徹底解説

地方公務員の仕事とは、利益を求めることはせずに、自分たちの街の発展のために取り組むべきものですが、果たしてそこに、公務員としてのやりがいはあるのでしょうか。

私自身、市役所に10年間勤めた経歴がありますが、街づくりの計画などには理想論が多く、公務員のやりがいをあまり感じることができませんでした。

それでも、周囲の職員を見ると、公務員でいることのやりがいを感じて、大変そうにしながらも仕事をする人たちはいましたよ。

では、その人たちには、いったいどのような特徴があるのでしょうか。

今回は、市職員のような地方公務員としてのやりがいと、公務員にやりがいを感じる人、そしてその逆のやりがいを感じられない人の特徴について、実際に私が経験したことを元にお伝えしていきます。

目次

地方公務員のやりがいとは

地方公務員のやりがいとは

ある程度のルールを決めることができる

公務員は、法律や規則に従って仕事を行いますが、法律の範囲内であれば、規則などを自分たちで決めることができます。

つまり、街づくりの制度や計画など、人を動かすために重要なルールを自分たちで決めることができるのです。

橋や道路、公共施設の建設に携わることができる

技術職の職員が中心となり、誰もが必ず利用する構築物や施設を造るための計画を、作ることができます。

実際に建設するのは入札で決まった委託業者ですが、その段取りや工事後の検査などに携わり、自分たちが造ったものであることを実感できます。

そして、それを住民が使っているところを見ると、公務員としてのやりがいを感じることができるでしょう。

社会的身分や給料が保証されている

公務員は社会的身分が保証されており、例えば住宅ローンを使って家を建てようとすると、中小企業のサラリーマンと比べて低金利で借りられるなど、様々な優遇があります。

優遇例
  • ゴールドカードと同レベルのクレジットカード(官公庁カード)を年会費無料で持つことができる
  • 銀行からの借入がしやすく、しかも比較的低金利
  • 周りから信用されやすい
  • 年休が取りやすい
  • 育児休暇や病気休暇などでも、しばらくの間は給料が支給される

など

また、決して高額とは言えませんが、給料も安定して支給されますし、財政が健全な市町村であれば、ボーナスも6月末と12月中旬に支給されます。

このように、守られた環境の中で仕事をしたい人は、公務員にやりがいを感じられることでしょう。

ちなみに、過去に給料に関する記事を書いていますので、給料について詳しく知りたい場合は、「公務員の給料は安い?!「安定=高額」は勘違い」をご覧ください。

住民や業者と直接話して悩みが聞ける

公務員の仕事で大きな割合を占めるのが、「住民との対話」ではないでしょうか。

住民の意見を無視して自分たち本位で街づくりを行うことはできません。

また、公務員は街づくりなどの計画や検査などは行いますが、基本的に直接手を下すことはせず、必ず入札を行って業者に委託します。

(計画そのものを委託する場合もあります。)

その時に、委託業者と繰り返し打ち合わせを行ったり、問題点を受けて解決策を提示したりなどのやり取りが必要になります。

このように、自分たち公務員以外の人と会話することで、相手の悩みや抱えている問題を直接聞くことができ、それを市政に活かして街を発展することができるのです。

公務員にやりがいを感じる人の特徴

公務員にやりがいを感じる人の特徴

ディテール(細部)にこだわりたい人

公務員の仕事は、法律や規則などでルールがガチガチに決められているため、書類の作成や手続き方法、計画の作成方法など、何から何まで細かいところを考える必要があります。

特に書類の作成は、形式や言い回しがルールに従っていないと何度もやり直すことになり、1枚仕上げるだけで何時間とかかるほどです。

ただ、それに使命感を持って書類をチェックしている職員もいましたので、ディテールにこだわることが得意な人は、かなり公務員にやりがいを感じることでしょう。

承認欲求が強い人

承認欲求とは、周りに認められることによって自分の存在や価値に意味を感じることをいいます。

公務員の役職は、基本的に年功序列でつくため、頑張ったから上に上がるということはほとんどなく、時間が経てば自然に上の役職に就くことになります。

上の人は偉くて下の人は自分に対して尊敬すべきというように、階級にこだわる人は、公務員に向いているといえます。

また、他人と自分を比較して、自分の方が優れていることを指摘するようなハブリスも、公務員にやりがいを感じるはずです。

ハブリスとは

「傲慢」という意味で、すぐに他人と自分を比較し、自分の方が優れていることを指摘して「感じの悪い人だな。」という印象を周囲に与える人のこと。

このように、上の役職が与えられることに自分の価値を見出す人や、自分が普段行っている仕事が他人の仕事よりも評価されることによって喜びを感じる人は、公務員でいることにやりがいを感じるでしょう。

支配欲が強い人

基本的にその街のルールは公務員がつくっているため、住民や委託業者などに比べると、どうしても公務員が上の立場になります。

また、実際に動くのは他人ですが、指示を出してそれを成果として受け取るのが自分ということもあり、マキャベリストの人も、公務員として不自由なく仕事ができます。

マキャベリストとは

相手をだましたり道具のように操ったりして、自分の利益にしようとする人のこと。

「俺のモノは俺のモノ、相手のモノも俺のモノ」という考え方を持っている。

このように、上から目線で話すことが好きな人やマキャベリストの人たちは、公務員としてのやりがいを実感できます。

枠組みの中で生きていきたい人

基本的に公務員は守られています。

社会的身分が高かったり、給料が途切れることなくもらえたりするなど、守られた環境の中にいるので、民間企業などに比べると、安心して仕事をすることができます。

比較的休みがとりやすいということもあり、給料を心配することなく、休みたい時に休むなど、仕事よりもプライベートを優先させたい人は、公務員は天職なのではないでしょうか。

その代わり、これはしてはいけない、あれはやるべきなど、様々な規律が公務員には設けられています。

そのような厳しいルールが無いとだらけてしまう人、生きていくことが難しい人は、公務員になった方が良いといえます。

言い訳が得意な人

地方公務員の仕事は、皆から預かった何百億の税金という多額なお金を動かすため、大きな責任が伴うことも事実です。

その税金(予算)を執行するときには、きちんと書類に目的などを残して、上司や場合によっては市長まで印鑑をもらうのですが、その時に、きちんとした理屈立てをする必要があります。

もちろんこれは、税金が正しい目的で使われているのかを、後で指摘を受けた時の責任回避につながるのですが、この理屈を考えることが得意でない人は、書類作成だけでかなりの時間を要してしまうのです。

言い訳できるということは、頭の回転が速いということなのですが、普段から理屈を話すことが得意な人は、公務員として上手くやっていくことができます。

公務員にやりがいを感じられない人の特徴

公務員にやりがいを感じない人の特徴

自分の才能を活かしたい人

公務員の仕事は、ある程度の処理能力さえ備わっていれば、才能の有無に関係なく、誰でもできます。

極端な話をすると、人間ではなくロボットでもできる仕事が8割ほどを占めています。

もしあなたが、自分の才能をふんだんに活かして人の役に立ちたいと思っているのであれば、公務員でいることにやるせなさを感じることでしょう。

細かいルールに意味を考えてしまう人

仕事を行う上で、必ずルールが存在します。

特に公務員の場合、税金を使っている以上、目的も何もないまま仕事をするわけにはいかず、最初に規約や要綱などのルールを作ってから、それに従って仕事をすることになるのです。

そして、ミスが許されないため、そのルールが厳重に、しかも矛盾するような内容が書かれている場合があり、「このルールは誰の役に立つのだろうか。」と思うことがほとんどです。

しかし、その一つ一つに、いちいち意味を考えてしまうと、私のようにうつ状態になりかねないため、細かいルールを気にしてそこに憤りを感じてしまう人は、公務員には向いていません。

人と接することが苦手な人

公務員は、地味に書類の整理をしているようなイメージを持ってしまいがちですが、実は、市役所の仕事のほとんどは、市民や業者との対話です。

中には、偉そうに言ってくる人や、クレームとも言える無理な注文を押し付けてくる人もおり、その人たちを言い負かすような会話力がなければ、精神的に病んでしまうことになります。

言い負かすことが良いとは思いませんが、市役所の仕事には、会話力がかなり必要なのです。

なのでもし、あなたにある程度ディベートする力がないのであれば、公務員として生活することは難しいでしょう。

上下関係にこだわりたくない人

公務員は基本的に体育会系です。

上司や先輩を敬い、後輩の面倒を見ることは、社会人として必要なスキルではありますが、公務員はその度が過ぎていると感じます。

なぜ体育会系の人が多いかというと、まず一つは、地方公務員法で「上の役職の指示や意見には従うこと」と決められているから。

そのほかには、承認欲求や支配欲が強い人が結構な割合を占めているからということもあるでしょう。

また、議員の対応などで、自分の身分や仕事に影響が出そうな人にはこびへつらい、それ以外の人は道具のように扱うような、変な風習が根強く残っているということも、上下関係を濃厚にさせている原因といえるのではないでしょうか。

(人を道具のように扱うは言い過ぎですが…)

上下関係が生じることに何の抵抗もないのであれば良いのですが、「体育会系の組織の中で生きていくのが苦手だな。」と思うのであれば、公務員としてのやりがいは感じられなくなってしまいます。

正直者で理屈付けが苦手な人

市役所にいると、後付けで事業の目的や理由を考えることが多々あります。

普段から理屈をこねる癖がついている人は、特に抵抗なくできることではありますが、正直者の素直な心を持っている人は、理屈を考えることにかなり抵抗を感じますし、OKが出るまで、ものすごく時間がかかります。

もし、言い訳することが苦手で、本音しか話すことができないということであれば、公務員でいることは、あきらめた方が良いかもしれませんね。

まとめ

冒頭でも話したとおり、私は公務員にやりがいを感じることができずに市役所を去りました。

基本的に、書類作成などの仕事のルールが細かすぎるんですよね。

このルールを守ることで、誰の役に立つのか、誰が得するのかを毎回のように考えてしまい、バーンアウトしてしまったのです。

あと、理屈を考えることがものすごく苦手でした。毎回、後頭部の付け根あたりが痛くなりながら、考えていたほどです。

仕事の内容に意味を考えてしまったのがいけなかったのかもしれません。

直接人の役に立っているような感覚はなく、しかも自分じゃなくても誰でもできる仕事に、魅力を感じることがありませんでした。

逆に、細かいルールが好きな人は、公務員にやりがいを感じることと思います。

実際に、書類のチェックに使命感を持って、言い回しや体裁などを修正している人もいました。

そのような人たちがいるからこそ、大きなミスを防ぐことができるんですけどね。

「公務員にやりがいを感じる人の特徴」の中で、ハブリスとマキャベリストの話をしましたが、予備軍も含めて、私の肌感覚では、公務員の3~4割はその人たちで占めているように感じます。

他の5~6割の人たちは、市役所に勤めたいからというよりも、収入がなくなると困るから仕事をしているという感じで、残りの1割未満の人たちは、自分の才能を活かせずに悶々としながら仕事をしているといった感じでしょうか。

その1割の人たちは、結局自分の生き方を求めて辞めていってしまうんですけどね。

公務員にやりがいがあるのかどうかは、一度公務員を経験してみないとわからないことではありますが、もし公務員として生きていくことに疑問を感じていたり、これから公務員になろうとしているのであれば、あなたが公務員でいることのどの部分に価値を見出すのか、一度冷静になって考えてみてはいかがでしょうか。

収入面や休暇などの福利厚生面だけを考えて入庁すると、後悔することになりかねませんので、気をつけてくださいね。

地方公務員のやりがいはいかに?!向き・不向きを徹底解説 まとめ

地方公務員のやりがいとは

  • ある程度のルールを決めることができる
  • 橋や道路、公共施設の建設に携わることができる
  • 社会的身分や給料が保証されており、優遇された環境の中で仕事ができる
  • 住民や業者と直接話して悩みが聞け、市制に活かすことができる

公務員にやりがいを感じる人の特徴

  • 書類や規則などのディテール(細部)にこだわりたい人
  • 承認欲求や支配欲が強い人
  • 枠組みの中で生きていきたい人
  • 言い訳が得意で理屈付けが好きな人

公務員にやりがいを感じられない人の特徴

  • 誰でもできる仕事ではなく、自分の才能を活かした仕事をしたい人
  • 細かいルールに意味を考えてしまう人
  • 人と接することが苦手でディベートの能力がない人
  • 体育会系のノリに弱く、上下関係にこだわりたくない人
  • 素直な心を持っていて理屈付けが苦手な人
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