人との会話に疲れる、相手のことを考え過ぎてなかなか本音を話せない、話題がなくて会話にすらならない…
そんな人付き合いの苦手意識、克服したいですよね。
人付き合いに苦手意識を持っている人は、2つのパターンに分かれます。
一つは、友達が多すぎて疲れてしまっているパターン。
この場合は、人間関係をカットすることで、人付き合いのストレスが軽減されます。
『人付き合いが面倒くさいと思う6つの心理と対処法』にも、人間関係をカットする重要性について記載していますので、ぜひご覧ください。
もう一つは、人とのコミュニケーションが苦手で、会話することに疲れてしまっているパターン。
この場合、おそらくほとんどの人は、相手に合わせようとし過ぎて、苦手意識を抱いているのではないでしょうか。
実は、相手のことを考え過ぎた会話は、人間関係を悪くすることが分かっています。
つまり、相手に合わせすぎてしまっていては、いつまで経っても苦手な人付き合いを克服できずにいるということですよね。
そこで今回は、苦手な人付き合いを克服するために、人付き合いが上手くいく人、いかない人の特徴と、FBIのネゴシエーター(交渉人)の教育で使われている、5つの会話(交渉)テクニックについて、お伝えします。
人付き合いがヘタな人の特徴
話の的がずれている
つまり、空気を読まずに会話しているということですよね。
これは、どちらかというと内向的な人よりも、外向的な人に見られる特徴です。
自分の言いたいことを次々に発言して、コミュニケーションを取っているつもりになってしまっています。
発言することは大事ですが、話題をコロコロ変えると相手を疲れさせて、自分の印象が悪くなってしまうので注意しましょう。
相手が嫌がることを平気で言う
これも、どちらかというと外向的な人に見られる特徴で、自分の言いたいことだけを言って、相手に何も得を与えない。
これを行うと、自分の印象を悪くするだけでなく、嫌われて人がどんどん離れていくことになります。
相手を否定するようなこと、批判するような発言は避けるべきです。
相手に合わせすぎている
内向的な人がやりがちなことで、「これを言うと傷つくかな」、「嫌みになるかな」、「不快な思いをするかな」と、考え過ぎてしまい、何も発言できなくなってしまいます。
すると、相手からしてみれば、「この人は何を考えているか分からない。」と思われてしまい、人間関係が悪くなってしまうのです。
シカゴ大学の研究では、自分の気持ちを隠したり、言いたいことを我慢したり、ウソをついて表面的な会話をしようとすると、人間関係が悪くなると結論づけています。
空気の読み過ぎは良くない、ということですよね。
人付き合いが上手い人の特徴
相手を認めつつ自分の本心を話す
「相手を認めつつ」というのがポイントで、相手を否定や批判をすることはしないけど、話を聞いた後に必ず自分の意見も伝えることが、人付き合いを克服するカギとなります。
私たちはついつい、自分の意見を主張しすぎずに相手に合わせた方が、人間関係が良くなると思いますよね。
でも実はこれ、錯覚なのです。
150人の男女を集めて3グループに分け、3日間、次のようなコミュニケーションを取ってもらうことを行った実験があります。
- Aグループ:自分の意見を正直に話す
- Bグループ:相手に対して不親切な発言をする
- Cグループ:相手のことを考えた発言をする
さて、この中で最も印象が良かったのは、どのグループだったと思いますか。
答えは、Aグループ。
Bは明らかに人間関係を悪くすることが分かりますが、実はCもお互いの印象は良くなかったのです。
相手のことを認めながら、自分の意見はしっかりと伝えることが重要だと理解できる実験ですよね。
自然にミラーリングする
外向的な人でコミュニケーションが上手い人の特徴に、相手の仕草や口癖を嫌みなく真似るというものがあります。
これは、デューク大学の実験から分かったことで、無意識に相手をミラーリングしている人は、コミュニケーション能力が高いということです。
ただ、これには注意点があります。
大げさに真似たり、相手にわかるように意図的に真似ると、相手から気持ち悪いと思われてしまいます。
もしあなたが、ミラーリングを意識して行うのであれば、相手に気づかれないようにさりげなく、動作や口調を真似ることをお勧めします。
相手の言動や仕草などを、鏡(ミラー)のように真似することにより、相手に親近感を持たせたり好感を抱かせる心理テクニックのこと。
話題の提供をする
人付き合いが上手い人は、全員と言っていいほど、話題の振り方が上手いです。
しかも、自分が話すようというものではなく、相手に話してもらうための話題を、常備しています。
「とっさに思いつくから、話題を振れるのではないの?」と思うかもしれませんが、たいていの場合、事前にネタをいくつか持っている場合が多いようです。
もしあなたも、会話を盛り上げたいのであれば、普段から話のネタをいくつか持っておくと良いでしょう。
- お金や健康に関する心配事
- 自分がイライラしたことや許せないこと
- 自分が改善したいこと
- 自分の夢や目標
- ユーモアのあるエロい話
- 自分の弱点や悩み
- 怒ってしまう出来事
- 自分の趣味
- 恥ずかしかった経験
- 楽しかった経験
嫌みなく相手に気に入られる5ステップ
さて、ここから、FBIがネゴシエーターの教育に採用しているテクニックについて、お話しします。
ただし、これが会話や交渉のテクニックの全てということではありません。
書籍や論文などに記載されていることを、要約した形で、お伝えしていきますので、人付き合いの克服に役立てていきましょう。
Step1:傾聴
まずは相手の話に耳を傾ける、ということです。
会話するときに、多くの人がやってしまう過ちとは、相手が言ったことに対して、論理的な道筋を話してしまうこと。
せっかく相手が話をしてくれているのに、そこで遮ってしまっては、話が続かなくなってしまいますよね。
論理的な会話や議論は、もっと後になってから行うべきなのです。
そしてこの傾聴は、会話のテクニックの中でも一番大事なことでもあります。
ただ単に、相手の話を聞いていれば良いかというと、そういうことではないんですよね。
傾聴には5つのポイントがあります。
ポイント1:オープンクエスチョンをする
「はい」or「いいえ」で答えられるような質問はしない、ということです。
「それってどういうことですか。」、「そこで何が起きたんですか。」、「それからどうなったんですか。」など、相手から情報を聞き出すような質問をします。
ポイント2:意識して「間」(ま)を取る
喋りっぱなしの会話には、疲れてしまいますよね。
時には、間を作ることも大切です。
会話の所どころに間を入れると、会話が続くようになるのです。
ポイント3:相槌する時は短くする
「はい」、「なるほど」、「そうなんだ」など、相槌を短くした方が、話を聞いてくれているという印象を、相手に与えることができます。
ポイント4:相手の言葉を真似る
相槌ばかりしていると、「本当に話を聞いているのかな。」という印象を相手に与えてしまうことになります。
そこで、『人付き合いが上手い人の特徴:自然にミラーリングする』でもお伝えしたように、たまに相手の言ったことを真似ると良いのです。
相 手:昨日寝違えちゃってさ、首が痛くて最悪な気分なんだよね。
あなた:そっか、気分が優れないんだね。
ポイント5:相手の感情を認める
相手の意見に賛成できなかったとしても、相手の感情を認めることはできます。
ここで重要なことは、相手の意見に賛成も反対もしてはいけないということです。
その代わり、相手の感情をあなたが代わりに表現してあげるのです。
彼 女:あの上司、ほんとムカつく。目の前から消えていなくなればいいのに。
あなた:それは怒れてくるよね。君が傷つくのもわかる。
(ここで、「本当にいなくなれば良いのにね。」や、「消えてなくなればいいのには無いでしょ。」などと相手の意見に賛否してはいけない。)
Step2:共感
相手の考え方が、どんな感情や出来事がベースに成り立っているのかを知ります。
傾聴により、相手の情報を色々と聞き出せているので、その情報をあなたが代弁してあげると、効果的でしょう。
Step3:信頼構築(ラポール)
共感したときに、そのお返しが返って来るかどうかで、ラポールが機能しているかどうかが分かります。
例えば、「君が言っていることはわかるよ、でも俺の立場も分かってほしいな。」というような会話をした時に、相手から「そうだね。」と、こちらの意見を否定しない言葉が返ってこれば、ラポールできていることになります。
Step4:影響
ここへ来て、ようやく問題を解決するための、理論的な道筋を話すことができます。
多くの人は、このStep4をいきなりやってしまうため、コミュニケーションが上手く取れずに、人付き合いが克服できずにいるのです。
Step4の前に、Step1~3(特にStep1が重要!)を、しっかりと行うようにしましょう。
Step5:行動の変化
ラポールできている状態で、論理的な道筋を説明したのであれば、後は相手が行動を変えるのを待つだけ。
あなたが思っているとおりに、相手が動いてくれたのであれば、あなたは相手に受け入れられたということにつながります。
まとめ
私たちって、自分を主張せずに相手に合わせた方が、人間関係が良くなると思いがちですよね。
おそらく、ほぼ全員が、そう思っていることではないでしょうか。
もちろん、私も例外ではありません。
昔から、自分の言いたいことを言えずに隠してきましたし、その結果、人間関係に苦手意識を持つようにもなってしまいました。
でも相手に合わせようとすると、人付き合いの苦手意識が高まってしまい、克服できなくなってしまうことが、ご理解いただけたのではないでしょうか。
「なぜ人付き合いが苦手なのかなぁ。」と考えた時、周りに、空気を読まずに、相手の心の中を土足で上がり込むような会話をする人間がいて、そいつのようにはなりたくないという思いがあることは事実です。
外向的な人で、しかも変に自信がある人には、注意した方が良いですよ。
その様な人と会話していると、嫌な気分になって、ますます人付き合いを克服できなくなってしまうからです。
一方で、内向的で相手のことを考え過ぎてしまっているのであれば、表面的な会話にならないよう、注意しないといけません。
「なるほど、君はそう考えるんだね。俺はこう思ってるけどねー。」というような感じで、相手を認めつつ、自分の意見や気持ちも述べることが大切でしたね。
自分の意見を言った方が、人付き合いを克服しやすくなるので、積極的に会話していきましょう。
もしそれが無理であれば、さりげなく相手の動作を真似ることをお勧めします。
私の周りに、やたらと子どもと仲良くなれる人がいるんですが、何でかなって考えてみると、子どもの仕草を一緒になって真似ているんですよね。
大げさにやってしまうと、気持ち悪いと思われて終わりですが、さりげなくミラーリングすると、コミュニケーションの壁を取り払うことができるんです。
それから、話のネタは、常にいくつか準備しておきたいところですよね。
「何話そう…、話したいけど話すことがない。」では、仲良くなれずに時間が過ぎていくだけでもったいないですからね。
相手に話題を提供するためにも、親近感が生まれやすい話題10選から、3~4つネタを準備しておきましょう。
最後に、書籍や論文で明かされいる、FBIのネゴシエーターの一部のテクニックをお話ししましたが、これを考えながら会話しようとすると、相手に違和感しか与えないので、無理して使わない方が良いですよ。
ただ、「傾聴」の部分だけでも大切にして、相手との会話を楽しみたいところですよね。
人付き合いが苦手を克服! FBIも認める会話マル秘テクを公開 まとめ
- 話の的がずれている
- 相手が嫌がることを平気で言う
- 相手に合わせすぎている
- 相手を認めつつ自分の本心を話す
- 自然にミラーリングする
- 話題の提供をする
Step1:傾聴
- ポイント1:オープンクエスチョンをする
- ポイント2:意識して「間」(ま)を取る
- ポイント3:相槌する時は短くする
- ポイント4:相手の言葉を真似る
- ポイント5:相手の感情を認める
Step2:共感
Step3:信頼構築(ラポール)
Step4:影響
Step5:行動の変化
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