「仕事にやる気を見いだせない、自分に合った職はないものだろうか。」と、一度は天職について考えるもの。
中には、天職に巡り合いたいと、職を転々と変える人もいますよね。
でも実は、ある条件が揃っていないと、転職しても仕事に対してやる気が起きず、同じ毎日を繰り返すだけなのです。
「それってつまり、自分の好きなことを仕事にしろっ!ていう、よく言われているやつでしょ?」
と言いたくなるかもしれませんが、たとえ自分の好きなことを仕事にしたとしても、やる気が出ない場合もあります。
自分が好きなことは、仕事でやる気が出る条件には含まれていないのです。
ということは、自分が好きなことではなくても、仕事でやる気が出て、天職と感じることができるということですよね。
そこで今回は、天職についての様々な研究のメタ分析を基に、仕事でやる気が出る条件についてお伝えしていきます。
複数の研究結果を収集し、色々な角度から統合したり比較したりするなど、より高い知見から分析すること。
そもそも天職は存在するのか
天職に巡り合うかどうかは運
天職に就けるかどうかは、運次第です。
しかも、天職に出会う確率はかなり少なく、天職を探して転職するのは、無駄なことの方が多いんです。
そもそも、天職とは自分の性質や才能に合った職のことなので、自分の事を熟知していなければなりません。
あなたやあなたの周りには、自分の事を熟知している人は、どのくらいいるでしょうか。
おそらく、ほとんどいないはずです。
天職は存在しないとまでは言いませんが、天職を探すことは時間を無駄にしていることと同じことなのですよ。
天職は、やっていることの中に見つけるもの
「天職を探すことが無駄なら、あきらめてつまらない人生を送れということか!」
と憤怒したくなるかもしれませんが、そういうことではありません。
天職という職を探すのではなく、今やっている仕事にやる気・やりがいを見出すことができたら、それが天職なのです。
つまり、職という外側にやりがいを一生懸命探そうとするのではなく、今やっていることの内側にやりがいを見つけ出すことが、天職に巡り合える方法と言えるでしょう。
「そうは言うものの、今やっている仕事にやる気が感じられないから、常に天職について考えているんだけど…。」
と言いたくなるのは、よく理解できます。
仕事には、やる気が出る条件というものが5つ存在するんですよね。
この5つの条件が整った仕事であれば、あなたの好き嫌いは関係なく、仕事にやりがいを感じて、天職と思うことができるのです。
仕事でやる気が出る5つの条件
①コントロール可能かどうか
どれだけ仕事を自分でコントロールできるかが、1つ目の条件です。
専門的には「自治制」といい、裁量権や責任感が自分にたくさんあればあるほど、やる気が感じられるようになります。
逆に、言いなりになっていたり、仕事の内容が決められているなど、自分でコントロールできないものが多いと、やりがいが薄れていってしまうのです。
これを考えると、公務員など常に規則の中で仕事をしている人や、工場のラインなどでロボットでもできる作業をしている人は、仕事にやる気を感じることは難しいと言えるでしょう。
②仕事の内容に幅があるかどうか
バリエーションが豊富で、様々なことにチャレンジできるかどうかが2つ目の条件です。
専門的には、「多様性」といい、自分のスキルを活かせる内容がたくさんあると、仕事にやる気が感じられるようになります。
「自分にスキルはたくさんないので、それだけ仕事の内容も狭まるのではないか。」
と思うかもしれませんが、たとえスキルが1つしかなかったとしても、それを活かす方法は複数あるのです。
- 本を読んで得られた知識を、文章にすることができる
- ブログを使って情報発信できる
- YouTubeを使って情報発信できる
- 新たに本を書くことができる
- 得られた知識を活用して、コンサルできる
etc
このように、1つのスキルから、色々な仕事に結びつけることができるので、一度あなたのスキルについて考え、それを活かすにはどうしたら良いかを、紙に書き出してみることをお勧めします。
一方で、あなたのスキルは、どこで認められるかが分かりません。
色々試してみて、上手くいったものを続けることが、天職へとつながるでしょう。
③適度に困難な内容か
適度な困難さが、やる気を引き立てます。
簡単すぎる仕事内容だと、やる気は失せてしまい、単なる作業で終わってしまうんですよね。
かといって、難しすぎてもやる気にならないため、工夫できるかどうかが重要なポイントとなります。
もっと手軽に、しかも大きくするにはどうすれば良いのだろうかなど、ある程度工夫できる内容だと、やりがいを感じることができるのです。
④フィードバックを受けられるか
自分の成果を確認できることが、やる気につながります。
自分が行ってきたことが、相手の役に立っていると確認できると、一段とやる気が出てくるのです。
逆に、自分の成果を他人に持っていかれると、やる気を失くすんですよね。
あなたの周りにもいませんか?「あれは俺がやった。」と大して能力もないのに自分の手柄にする人。
そのような人と一緒に仕事をすると、仕事に対してやる気を失ってしまうのです。
相手からフィードバックを受けて、成果が良くも悪くも自分に返ってくることが大事。
良い結果であれば、次も頑張ろうという気になれますし、悪い結果であれば、この点に注意しようと反省して次につなげることができますよね。
今の仕事において、フィードバックが受けられる状況かどうかを、一度確認してみると良いでしょう。
⑤全体的にかかわることができるかどうか
自分が最初から最後まで仕事を抱えられるかどうかが、仕事にやる気が感じられる最後の条件です。
専門的には、「ホールネス」(全体性)といいます。
全体的に関わることができず、その他大勢の1人というように、歯車の1つとしての役割しか持たないと、やる気が無くなってしまうのです。
例えば、企画から商品開発、そしてお客さんへ届けるという、一連の流れに関わっておくと、自分の仕事の重要性が認識できるようになります。
自分の仕事が遅れると誰に迷惑をかけるのか、自分の仕事がどこで誰に役立っているかが分かるようになるからです。
事業のすべてに関わることは難しいとしても、自分の行っている仕事がどこで役立っているか、全体を把握しておくことが大事といえるでしょう。
まとめ
仕事でやる気が出る条件を5つ挙げましたが、これらの条件をすべて満たすことは難しいかもしれませんよね。
そこで、この条件だけは満たしておきたい、というものを1つだけお教えします。
それは、4つ目の「フィードバックを受けられるかどうか」です。
きれいごとになってしまうかもしれませんが、私たちの脳は、「人の役に立っている」と思うことができた時、幸福を感じるようにできています。
自分の行っていることが、相手に良い影響を与え、相手の行動や習慣を変えられたと感じると、最もモチベーションが高まるのです。
そのためには、フィードバックを受けて、自分の成果を確認する必要があります。
もし、フィードバックを受けられない状況ということなら、仕事にやりがいを感じることは難しいかもしれませんね。
天職とは、どんな仕事に就いているのかということではありません。
自分が行っていることが人の役に立っている、強いては世界を変えられていると思い込むことで、天職と感じるものなのです。
あなたが今行っている仕事が天職かどうか判断するためにも、あなたの行いがどこで誰の役に立っているのか、一度考えてみることをお勧めします。
天職をメタ分析!仕事でやる気が出る5つの条件 まとめ
- 天職に巡り合うかどうかは運次第
- 天職は、やっていることの中に見つけるもの
- コントロール可能かどうか
- 仕事の内容に幅があるかどうか
- 適度に困難な内容か
- フィードバックを受けられるか (5つの条件の中で最も大切)
- 全体的にかかわることができるかどうか
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