テレワークや在宅勤務など、リモートワークをする機会が増えましたよね。
これからの時代は、特にその傾向が強まると言われています。
一方で問題なのは、在宅勤務だとやる気が上がらないことです。
これは、会社勤めのリモートワーカーだけでなく、私のように自宅で仕事をしているフリーランスにも言えること。
なぜ在宅勤務だとやる気が上がらないのでしょうか。
そこには、明確な答えがあります。
そこで今回は、在宅勤務のやる気が上がらない理由と、やる気を上げるための方法についてお伝えします。
簡単に言うと…
- リモートワークとは、職場以外の場所で働くこと
- テレワークとは、情報通信技術を活用して離れた場所で働くこと
- 在宅勤務とは、自宅を拠点として仕事をすること
実は、リモートワークにはしっかりとした定義がないんですが、この3つをざっくりと分けて考えると、上記のようなことになります。
イメージとしては、リモートワークという大きなくくりの中に、テレワークと在宅勤務が存在していて、テレワークと在宅勤務の一部がかぶっているという感じです。
今回の記事では、リモートワークもテレワークも在宅勤務もあまり垣根なく話していきますので、おおよそ同じことだと思って読み進めてください。
職場よりも自宅の方が集中できない理由
会社にいる時のやる気の有無と自宅でのやる気の有無って違いますよね。
例えば体がだるい時でも、会社にいると仕事をこなしますが、自宅で同じことをやろうとするとどうでしょう?
おそらく、ほとんど手につかない状態になるのではないでしょうか。
自宅以外だと集中できるのに、自宅では集中できない…
ここに、やる気を上げるヒントが隠されています。
その2つの違いは、ズバリ人の目があるかどうかです。
人の目があると、「やっている姿を見せないと」という感じで、仕事をこなすようになるということです。
ちなみに、天才肌の人は一人でもガンガンやっていけます。
なぜかというと妄想癖が内発的動機づけとなって、その妄想を現実のものにしようとするからです。
(内発的動機づけとは、一言でいうと「やりがい」のことです。)
このような人たちは、世界全体の2割ほどと言われています。
残り8割、つまり私たちのほとんどは人に監視されていた方が、仕事が捗るんです。
自分にご褒美は有効か?
単純作業には向いている
仕事をこなした後の自分にご褒美を与えるという、にんじん(ご褒美)を目の前にぶら下げて走ることでやる気は上がるのかどうか…。
結論から言うと、雑務やルーティンワークなど、単純作業をするときには有効です。
例えば、在宅勤務中にやる気を出してさっさと片付けたいものがある場合は、「今から1時間以内に終わらせてお茶をする」というような感じで、ちょっとしたご褒美を用意しておいてさっさと仕事を終わらせるやり方です。
しかしこの方法は、数日あるいは数週間、数か月かけて行うような長期的な仕事には向いていません。
ご褒美という外側からやる気を与える方法ではなく、内発的動機づけという内側から湧いてくるやる気が重要なんです。
インセンティブvsモニタリング
では、その内発的動機づけをどうやって見いだせば良いのでしょうか。
ハーバードビジネススクールでは、手洗いという、内発的動機づけが発動しづらいものを習慣化させるためには、どのような手法が良いのかを調査しました。
ベンガルの3,763人の子どもを対象に、手洗いの習慣を身に付けさせるために良い方法は何かを調べた。
被験者の全世帯にハンドソープディスペンサー(手をかざすと自動的にハンドソープが出てくるもの)を配り、次の2つのグループに分けた。
- インセンティブグループ
- モニタリンググループ
①の子どもたちは、ディスペンサーを使って手を洗うと何かしらのご褒美がもらえる。
②の子どもたちは、実験の最初から手を洗った回数の記録を取り、定期的にその回数を教えてもらえる。
①と②のグループで、どちらがより多くの手を洗っていたのかを、3カ月間調査した。
その結果、②のグループの方が①のグループに比べて23%も多く手を洗っていた。
さらにすごいのは、実験が終わってモニタリングされている状況ではなくなったにもかかわらず、手洗いがしっかりと習慣化されていたことである。
①のグループは、実験が終わった後は、残念ながら手洗いの習慣がなくなってしまった子どもがほとんどであった。
やらないといけないことを習慣化するためには、ご褒美よりも誰かにチェックされている、あるいは報告や確認がし合える状況の方が、成功率が高まることが分かった。
リモートワークに活用する方法
誰かとペアを組んで報告し合う
先ほどのハーバードビジネススクールの研究を基に、在宅勤務のやる気アップに活かす方法について、3つほどお伝えします。
まず、同僚や知り合いなど、誰かとペアを組んで進捗状況を報告し合うという方法です。
こなしたタスクの記録や仕事の成果を、仕事終わりにLINEなどで報告し合ったり、Zoomなどのビデオ通話で話し合ったりすると良いでしょう。
報告し合うという目標が監視されているような状況を作り、さらに進捗状況の記録にもなるため、モチベーションが上がりやすくなります。
作業している姿を見える化する
この方法は、先ほどの仕事が終わった後に報告するものとは違い、仕事をしている姿を互いに見せ合うことでやる気を出す方法です。
在宅勤務でどうやってそれを行うのかというと、Zoomなどのビデオ会議システムを使って行います。
限定公開のYouTubeライブを行ってもいいかもしれませんね。
音はミュートでもつけていてもどちらでも構いません。
生活音が気になるようであれば、ミュートの方がいいでしょう。
一つ注意しないといけないのが、仕事用のパソコンでビデオ会議を使うと、パソコンの動作が重くなったりヒートアップしてしまうことです。
そのため、スマホでビデオ会議を使い、仕事をするパソコンと分けることをお勧めします。
自分の行動を記録して振り返る
「報告し合うような知り合いなんていないんだけど…。」
という場合は、手帳などに自分の行動を逐次記して、それを1日の終わりに振り返るということを行うと良いです。
私はこの方法を取っていますが、あまり行動していないことに気づかされます。
日中は仕事しているつもりではいるんですよ。
でも、実際は妄想の時間が長かったりとか、30分タスクしただけで休憩していたりとか、一つの作業に必要以上に時間がかかっていたりとか…。
なんて自分には集中力がないんだろうと思ってしまいます。
でもそこは、そのことばかり考えて落ち込むのではなく、
「明日は今日よりもほんの少し作業ペースを上げよう」
というように、今日よりも明日、少しだけ多く仕事をすることを決めることで、やる気が出てきます。
在宅勤務でやる気が上がらずにタスクが溜まっていたり、報告し合えるような人がいなかったりする場合は、記録を取って振り返るということを試してみてください。
在宅勤務でやる気を上げる3つ目の方法は、ウィスコンシン大学が行った運動を習慣化するための実験が元です。
2015年に行った実験で、25人の肥満気味な男女を対象に、フィットビットという活動量計を身に付けて16週間自由に過ごしてもらうというもの。
ポイントは、運動してくださいとは一言も言っていないという点です。
結果どうなったかというと、1日平均で7,540歩の運動量をキープし続けました。
運動を習慣化しようとしても、たいていの場合、3週間がピークでそれ以降はダレてペースが落ち、8週間(約2か月)すると元の生活に戻ってしまいます。
つまり、運動を習慣化するためには、8週間以上続けないといけないということです。
ところが、フィットピットを付けて行った今回の実験では、16週目に入っても運動量の減少量が8%以内に落ち着き、元の運動しない生活に戻ることはありませんでした。
もう一度言いますが、この実験では、フィットピットを渡しただけであり、運動してくださいとは一言も言っていません。
毎日の行動を記録して見える化するだけで内発的動機づけがされ、習慣化が身に付くということが分かった実験でした。
まとめ
在宅勤務でやる気が出ない明白な理由は、人の目がないからです。
そのため、仕事の進捗状況を報告し合ったり、自分がどれくらい仕事しているのか記録を取って、活動量を見える化することが大切でした。
「やる気が23%UP」と聞くと、「たった23%だけなの?」と思ったかもしれませんが、普通に仕事をしている時に比べて23%UPするということです。
ハーバードビジネススクールの実験を思い出してほしいんですが、ご褒美をもらう時に手を洗う子どもに比べて、記録を取っている子どもの方が23%も多く手を洗っていたというものでしたよね。
つまり、普通にしている時よりも23%多く活動しているので、何もしていない人と比べると雲泥の差になります。
自分の行動の記録を取って、それを一日の最後に振り返ることは、実はメンタル的にも良いことです。
不安や悩みが和らぎます。
もし、自宅で仕事をする時についつい怠けてしまう、在宅勤務でもやる気を出して仕事を終わらせる良い方法はないかな、と悩んでいるのであれば、報告し合うことや活動の記録を取ることを試してみてください。
リモート・フリーランスのための在宅勤務のやる気23%UP術 まとめ
- 人の目がないから
- 監視されていないとどうしても怠けてしまう
- 単純作業には向いている
- 習慣化には向いていない
- 誰かとペアを組んで報告し合う
- 作業している姿を見える化する
- 自分の行動を記録して振り返る
- 先延ばしする人は早死にする!/メンタリストDaiGo/2018.10.15/世界文化社
- 自分を操る超集中力/メンタリストDaiGo/2016.5.27/かんき出版
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