なぜうちの子は、勉強でも何でもすぐに飽きるのだろう…、子どもの集中力を高めるための良い方法はないだろうか、と悩むことはありませんか。
子どもの集中力が足りないのは、実は親に原因があるからという研究結果があります。
親の集中力がなかったら、子どもの集中力を高めることはできないので、まずは自分自身の集中力を高めましょう、というもの。
「えっ、それってつまり、遺伝が原因ということですか。」とあきらめたくなるかもしれませんが、それはちょっと違います。
実は、集中力に関しては、環境に影響されやすいのです。
想像してほしいのですが、例えばあなたが仕事をしている時、お菓子やジュースを食しながらダラダラと仕事をしている人と、バリバリ仕事をこなしている人のどちらが隣にいると、あなたの集中力は高まりますか。
答えは当然、後者ですよね。
周囲の環境や近くにいる人の態度は、人から人へと伝染します。
怠ける人がいたら、自分も「まぁ、いっか。」という気持ちになって先延ばしグセがうつりますし、めちゃくちゃ集中している人がいたら、あなたの仕事の効率も15%ほど上がるのです。
そのため、子どもの集中力を高めたいのであれば、いつも子どもの傍にいる親の集中力を高めないといけないということなんですよね。
では具体的に、子どもの集中力を高めるためにどのようなことをしたら良いのか、続きをお話ししていきます。
子どもの集中力が続かない原因
親が子どもの集中力を途切らせている
子どもが集中し始めた時に、「そんなことはやってはいけません。」などと、親が止める場合がありますよね。
あるいは、せっかく子どもが集中して遊びや勉強をし出したのに、親がテレビやスマホを見るなど、間接的に邪魔をする場合も考えられます。
それが、子どもの集中力を途切らせる原因なのです。
子どもが集中しだしたら、見守るか子どもに合わせた行動を取ると良いでしょう。
ほとんど運動をしていない
子どもの頃にどれだけ体を動かしたかによって、その後の集中力の大小が決まります。
なぜ運動が大事なのかというと、心肺機能が上昇するからです。
心肺機能が上がると、集中力や判断力が増すという研究があります。
運動といっても、何か特別なスポーツをやらないといけない、ということではありません。
赤ちゃんであれば家の中をハイハイしたり、走れるくらいの子どもであれば、庭や公園、海岸などで走りまわったり飛び跳ねたりすればOK。
子どもの時は、とにかく体を動かすと良いのです。
子どもに合わない英才教育をしている
親の都合で、子どもに押し付ける形で、強制的に学ばせようとする人っていますよね。
それはかえって、子どものやる気を失くして集中力の妨げにもなります。
とある研究によると、英才教育を行っても、その影響は中学生になるくらいまでにはほとんどなくなってしまうそうです。
一方、その学習が子どもの能力に合っているものであれば、子どもの集中力を高めることにつながります。
なぜなら、興味を持って、自分から積極的に学ぼうとするから。
もし、子どもがどんな性格や性質、才能を持っているのかを見極めることができれば、それに合わせた英才教育を行うと良いですし、それが分からない場合は、思う存分体を動かした遊びをすると良いでしょう。
子どもの集中力を高める実験
子どもの集中力を高めるために、親の行動がどれくらい影響しているのかを調べたものがあります。
2016年にインディアン大学が行った実験で、子どもが積み木やレゴブロックなどで集中して遊んでいる時に、親が取った行動によって、子どもの集中力に4倍もの差が開く結果となりました。
1歳の子どもたちが自由に遊んでおり、両親が子どもたちに示す反応により、子どもの集中力にどれくらいの違いが出るのかを調べた。
参加した親子を次の2つのグループに分けて観察した。
- 子どもが遊んでいる対象に対して、両親が注意を向け続けた場合
例)子どもが遊んでいるものを使って、親も一緒に遊んだり話しかけたりする - 子どもが遊んでいる対象に対して、両親が注意を反らした場合
例)子どもに見向きもせずに、わざとスマホを触るなどして興味を示さない
この後、子ども向けに集中力のテストを行った。
結果
①の子どもは、②の子どもよりも4倍の集中力があることが判明した。
つまり、子どもが興味を持っているものに対して、親も一緒に集中してあげることが大切である。
子どもの集中力を高める際の最大の壁
以上の実験から、親の集中力のなさが子どもの集中力を欠いてしまうことが分かりましたが、そのためには乗り越えなければならない問題があります。
それは、子どもよりも親の方が集中力がないということです。
たいていの場合、子どもはずっと同じもので遊ぶのが好きで、ひとたび集中すると眠くなるまで遊んでいるもの。
しかし、親の方は特にその遊びに興味はなく、先に飽きてしまうのです。
子どもの頃に、一点に注意を向け続ける力を鍛えてあげると、他のことでも集中できるようになります。
そのことを念頭に、たとえ自分が飽きてしまったとしても、なるべく子どもに向き合ってあげる時間を持つことが大切ですよね。
子どもの集中力を高めるためにすべきこと
午前中にめいいっぱい遊ぶ
当たり前のことですが、動物は皆、体を動かすようにできています。
動物と対照的に植物が存在しますが、動物と植物との違いは、体を動かせるかどうか。
私たち人間も動物ですので、体を動かす必要があります。
体を動かさないと、不健康になって挙句の果てには病気になってしまうことは、容易に想像できますよね。
子どもの時から体を動かしていると、健康状態を保てるほか、心肺機能が向上するので、集中力も高まります。
例えば、鹿児島県のとある私立の保育園では、午前中に園庭で徒競走をしたり、逆立ちや跳び箱を行ったりなど、とにかく園児の体を動かすカリキュラムを取り入れています。
すると、文字を書いたり計算したり楽器を演奏したりと、学問の方にも興味を示し、集中して取り組むそうです。
年長を卒業する頃には、50メートル走を10秒台で走るなど、運動神経が他の同級生と比べて桁外れに上がっていることはもちろん、九九を暗記で言えたり、自分の名前を漢字で書いたり、ピアノの伴奏をしたりする子どもまでいるのです。
これは、かなりすごいことですよね。
これらは全て、体を動かすことによって子どもの集中力が高まるからです。
子どもの集中力を高めるためには、座って英才教育を施すのではなく、外で思いっきり遊ばせた方が良いのですよ。
子どもが集中しだしたら極力止めない
これは実験の例などで何度もお伝えしていることですが、子どもの集中力を高めるためには、子どもが何かに興味を示したら、それを止めさせないことが大切です。
例えば、紙に落書きをし出したと思ったら、床や壁にまで落書きしてしまうことってありますよね。
そんな時、あなたならどうしますか。
たいていの大人は、怒って止めさせてしまうことでしょう。
しかしそれをすると、子どもの集中力を途切らすことになってしまうのです。
掃除は後で行えば良いので、一緒に楽しむくらいの余裕を持つことが大切ですよね。
ただ、命にかかわるような危険な行為は、止めるべきです。
ビー玉を飲み込もうとしたり、フェンスをよじ登って高い場所まで行こうとしている場合など、やってはいけないことはしっかりと伝えなければなりません。
ここまではOKだけどここから先はNGということを決めて、子どもと接することが重要といえるでしょう。
親が集中している姿を見せる
子どもに勉強してほしいのであれば、親もその近くで勉強する必要があります。
横になってテレビを見ていたり、スマホでSNSやゲームをやっている状態で、子どもに勉強するよう注意しても、何の説得力もありませんよね。
子どもも一緒になって、勉強をサボってしまうことになります。
子どもは親の真似を見して成長していくため、子どもに集中力がないと感じているのであれば、親である自分自身はもっと集中力がないということを、自覚しなければなりません。
そして、子どもが勉強し始めたのであれば、自分も傍で本を読んだりして、自分が集中している姿を見せるのです。
よく、子どもは親の鏡だといいます。
子どもの集中力を高める一番良い方法は、自分が集中している姿を子どもに見せることなのです。
まとめ
子どもの集中力を高めるためには、親も一緒に子どもに付き合うことを強調してきました。
でも、掃除や洗濯、料理などの家事をしないといけないので、なかなか子どもに付きっきりになるのは、難しいですよね。
共働きしていたらなおさらです。
そのため、子どもの教育は、いかに父母が分担して行うかが大切。
よく、「俺は外で働いて稼いでいるから、家庭のことは知らん。」という男がいますが、それって育児の責任を放棄しているのではないでしょうか。
他人の家庭に口出しできるような人間ではありませんが、それでも言わせていただくと、仕事が大変だったとしても、自分の子どもが幼い間はしっかりと子育てに向き合い、夫婦が互いに協力し合うべきだと、私は思います。
共働きなどで、どうしても子どもに付きっきりになればい場合は、時折、自分が何かに集中したり挑戦したり姿を見せると良いです。
例えば、本を読んでいる姿を見せたり、瞑想している姿を見せたりなど、子どもが真似することでプラスになることを行うのです。
子どもは親や身近な人を手本にしています。
子どもに集中力が足りていないな、と感じるのであれば、まずは自分の集中力の低さを自覚し、自分自身の集中力を鍛えることから始めましょう。
子どもの集中力を高めるカギは親にあり!効果4倍の育て方 まとめ
- 親が子どもの集中力を途切らせている
子どもが勉強しているのに、親はテレビやスマホを見ているなどだらけていると子どもの集中力は下がる - ほとんど運動をしていない
心肺機能が向上しないため、子どもの集中力が上がらない - 子どもに合わない英才教育をしている
幼児期から英才教育を施しても、中学生になる頃にはその影響はほとんどなくなっているという研究結果がある
子どもの能力に合っていないことを無理に押し付けるため、集中力が低下する
- 親が子どもと一緒に遊んだ場合、そうでない場合に比べて、子どもの集中力が4倍も高まっていた
- 子どもが興味を持っているものに対して、親も一緒に集中してあげると良い
- 子どもよりも親の方が集中力がない
- 午前中にめいいっぱい遊ぶ
体を動かすと心肺機能が向上して集中力が高まる
子どもの集中力を高めるためには、英才教育よりも運動が大事 - 子どもが集中しだしたら極力止めない
大人の都合で子どもを叱りつけて作業を止めさせてしまってはいけない
命の危険があるような行為は注意して止めさせる - 親が集中している姿を見せる
子どもの集中力を高める一番良い方法は、親が集中している姿を見せること
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