自宅で作業をする時って、職場に比べると全然集中できませんよね。
リモートワークなどで自宅で仕事をする機会が増えたり、会社を辞めて家で仕事をする人が増えていますが、会社に勤めていた頃よりも自宅での集中力の方が下がっているはずです。
どうしたら集中できるか、それが今回のテーマです。
自宅で仕事をする時もそうですし、学校の勉強や資格の勉強などにも使える、集中力を上げるための簡単テクニックについてお伝えします。
自宅で集中できない3つの原因
なぜ自宅にいると集中力が下がるのか、その原因は主に3つあります。
つまり、その3つの原因を潰してしまえば、集中力が格段にアップするということです。
3つの原因は、以下のとおりです。
- 誘惑が多い
- 時間の制限がない
- ルーティンがなくなる
1つずつ、順番に解説していきます。
①誘惑が多い
家の中には、例えばゲームや漫画が置いてあったり、冷蔵庫にケーキなどのデザートがあったり、作業をする側にベッドがあったりしますよね。
そのように、仕事や勉強などのタスクに関係のないものが自宅にあるので、集中力が下がるんです。
特に気を付けないといけないのがスマホです。
数分おきにLINEやTwitterなどのSNSを見たり、ソーシャルゲームなどをすると、集中力が格段に下がってしまいます。
②時間の制限がない
会社や学校では、昼食の時間や終了時間などが決まっていますよね。
特に学校では、時間割と休憩時間が決められていて、その時間ごとにチャイムが鳴りますし、会社によっては、昼食時間と就業時間にチャイムが鳴るところもあります。
そのように、会社や学校では時間が区切られていて制限があるので、その時間までにこれをやろうと目標を立てることができ、やる気と集中力が上がります。
しかし、自宅の場合はどうでしょうか。
時間ごとにチャイムなんてなりませんよね?
時間が無制限にあるように感じませんか。
私たち人間は、時間が無限にあるように感じると、行動を起こそうとしません。
まだ時間があるし、後でやればいいかと思ってしまうんです。
ところが、出かけるまでにあと20分しかないというような状況では、急いで身支度をしますよね。
時間がたくさんあると思うと、そのリソースを無駄遣いしてしまいます。
仕事のできない人が、残業の時間に頼るのと同じようなことなんです。
③ルーティンがなくなる
ルーティンがなくなるとはどういうことかというと、何か作業をする前の動作又は作業をし終えて休憩する前の動作のことです。
仕事のルーティンワークとは違います。
もう少しイメージしやすく話すと、例えば仕事をする前、あなたはいつも何をしていましたか。
家を出てから電車に乗って、駅を降りたら5分間歩いて職場に入り、荷物を置いて作業着に着替えて、一服した後にデスクに着いてパソコンを開く、
あるいは、車で通勤して職場の駐車場に停めた後に職場に入り、朝礼を行ってからタスクを行う、など。
仕事をする前に、仕事モードに入るための何かしらのルーティンがあったはずです。
リラックスする時もそう。
自宅に帰ったら、ジャージなどの緩い服に着替えて1杯の紅茶を飲むとか、まず先にシャワーを浴びて興奮気味の気持ちを落ち着かせた後にソファーに座るなど…。
このように、プライベートモードから仕事モードへ、仕事モードからリラックスモードへ切り替えるための行動を、プレパフォーマンスルーティンといいます。
このプレパフォーマンスルーティンがないと、集中力が下がり、だらだらと過ごしてしまうことになるんです。
どうしたら集中できるか?
誘惑を視界から取り除く
誘惑が集中する時の邪魔になっているのであれば、その誘惑を視界から消すことが大事です。
私たちが誘惑にどれくらいの確率であらがうことができるかという研究がありますが、それによると、50%だそうです。
意外に高いと思いましたか?
いやいや、コインを投げてその時の気分を決めているのと同じことですよ。
気分の良し悪しで仕事をするわけにはいかないじゃないですか。
なので、誘惑を視界から取り除いて作業に集中することが大切です。
段ボールやタイムロッキングコンテナ(時間が経たないと開かないボックス)、布などを使って、誘惑を視界から消すようにしましょう。
机の引出しの中に入れるだけでも効果があります。
お菓子をテーブルに置いたまま作業をする時と、机の引出しに入れた状態で作業をする時のお菓子を食べる割合を調べた研究によると、引出しに入れている時の方が33%もお菓子を食べる頻度が下がったそうです。
もし、それでも誘惑に負けて集中できないという場合は、『リモート・フリーランスのための在宅勤務のやる気23%UP術』で話したように、自分自身を監視できる状態にしてください。
そうすれば、スマホや漫画、ゲーム、お菓子などは気にならなくなることでしょう。
仕事の時間に制限をかける
時間が無限にあるように感じるがために、やる気や集中力が下がるので、あえて仕事をして良い時間を決めます。
仕事をする時間というよりも、仕事をして良い時間です。
それ以外の時間帯は仕事を禁止にする。
タスクの量にもよるのでどれくらいがいいのかは人によりけりですが、例えば、午前9時~正午までは集中して仕事をするけど、その後は仕事禁止で自由時間とするというような感じです。
すると、仕事をしていい時間がたった3時間しかないので、「ヤバい早急にやらないと」となって集中してタスクに取り組むことができますよね。
ちなみに、私たちが1日に集中力を保てる時間は、約5時間です。
しかも適度な休憩を挟みながら。
(最近では、スマホ(小さい画面での情報収集)が原因で、1日の集中力が格段に下がっているという研究もあります。)
なので、午前9時~午後6時まではガッツリ仕事に集中するというような目標を立ててしまうと、上手くいかなくなるので注意しましょう。
なお、シカゴ大学の研究では、作業時間が少ない人の方が多い人に比べて1時間当たりの作業量が多いことが分かっています。
1時間当たりの作業量を増やして、サクッと仕事を終わらせるためにも、仕事をして良い時間を決めることが大切です。
また、仕事の時間を決め切れない場合は、先にプライベートの時間を予定に入れておくのも良いです。
思い返して欲しいのですが、プライベートの飲み会が入っている日は、自ずと定時近くで仕事が終わっていませんでしたか。
プライベートの予定を先に入れておくと、それまでに仕事を終わらせないといけないという意識になるんです。
タイマーを使って時間を区切る方法は、賛否両論あります。
一見、タイマーを使うと学校のチャイムのように時間が区切れて、その間は集中力が増すように思いますが、実はそうでもないんです。
なぜかというと、タイマーの時間が気になって、タスクに集中できなくなる場合があるから。
これは、人によります。
私の場合、タイマーの「ピピピピッ」といううるさい音を聞きたくなく、その音がなる直前にタイマーを止めたいと思う人なので、どうしてもタイマーの時間が気になってしまいます。
もし、タイマーの時間が気にならないのであれば、タイマーを使うのはありです。
一度タイマーを使ってタスクを行い、タイマーを使った方が集中できるのか、逆に集中できなくなるのか、判断してみてください。
仕事前のルーティンを決める
2019年のマンハイム大学の研究では、何か作業に取り組む前又は作業をし終えてリラックスする前のプレパフォーマンスルーティンが変化したり無くなったりすると、これまでの習慣が崩れてやる気や集中力が低下することが分かっています。
151人のビジネスマンを対象に、620日間かけて追跡調査し、仕事ができる人とできない人の違いを調べた。
そのポイントは次の2つ。
- プライベートから仕事モードに入る時にどのような行動を取っているか
- 仕事中の集中力はどれくらい高いか
その結果、プレパフォーマンスルーティンを持っていて、それを行っている人ほど、仕事中の集中力や生産性、さらには目標達成率が高いことが分かった。
つまり、タスクをどうやってこなすかも大事ですが、それよりも仕事のスイッチをどうやって入れるかの方が大切ということです。
そのため、プレパフォーマンスルーティンを決める必要があります。
どんな行動が良いのかについては、実は特に決まりはありません。
何でもいいんです。
例えば、一度背伸びをしてからパソコンを開くとか、コーヒーを1杯飲んでから仕事に取り組むとか、Todoリストを書き出してから作業するetc。
普段はあまりとらない行動をプレパフォーマンスルーティンにした方が良いです。
頻繁にやるようなことだと、区切りがつかなくて集中モードに突入できませんからね。
逆に、リラックスモードに入る時のプレパフォーマンスルーティンも決めておくと良いです。
ため息を1度ついてから仕事を終えるとか、床に体操座りして体の緊張をほぐすとか、シャワーを浴びて休憩するetc。
この行動を取ったら仕事もモードに入る、あるいはリラックスすると決めることが、自宅で集中力を高める秘訣なんです。
まとめ
自宅で作業をする人が増えていますが、家で集中することはなかなか難しいですよね。
特に、いきなりリモートワークをするようになったり、会社を辞めて家で仕事をしないといけなくなったりした時は、自宅で集中力を発揮することに苦戦することでしょう。
私も、市役所を辞めた当初は、全然やる気が出ませんでしたし、今でも全く集中できない日が結構あります。
どうしたら集中できるか、を考える前に、なぜ集中できないのかを探ってみてください。
誘惑が多い、時間の制限がない、プレパフォーマンスルーティンがなくなっているということに気づくはずです。
誘惑が多いせいで集中できないのであれば、その誘惑を視界から消すことで大方解決できます。
時間が無限にあるように感じているのであれば、仕事をして良い時間を決めてそれ以外の時間は一切仕事をしてはいけないと決めてください。
そして、プライベートと仕事の境目がなくなっているのであれば、仕事モードに入る時とリラックスモードに入る時のプレパフォーマンスルーティンを決めましょう。
自宅で集中力を高めて生産性をアップさせるために、今回お伝えした3つの原因を排除するよう努めてください。
どうしたら自宅で集中できるか?集中力を下げる3つの原因 まとめ
- 誘惑が多い
- 時間の制限がない
- ルーティンがなくなる
- 誘惑を視界から取り除く
- 仕事の時間に制限をかける
- 仕事前のルーティンを決める
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