相手とトラブルを起こして、人間関係が気まずくなることってありますよね。
特に、内向的で、相手に意思をしっかりと伝えることに尻込みしてしまう人ほど、トラブルを抱えやすいです。
ではなぜ、人間関係のいざこざが発生するのでしょうか。
コミュニケーション不足が原因?
確かに、それもあるかもしれません。
でも、他にも原因はあります。
今回は、そんな人間関係のいざこざが発生する原因と、少しでも対人トラブルを減らすためにすべきことについてお伝えします。
人間関係のいざこざはなぜ起きるのか
強烈な先入観のせい
人間関係でいざこざが起こる根本的な原因は、お互いの先入観にあります。
私たちは物事を見たり判断したりするときに、どうしても自分というフィルターを通してしまうため、フラットに考えることができません。
そのことを、色眼鏡やバイアス、偏りなどとも言います。
ひとたびトラブルが発生すると、見るべきものを見ることができなくて、相手がなぜ怒っているのか分からないし、問題が何なのかも分からないという状況になります。
すると、あいつは嫌な奴だと、お互いが感じてしまう結果となるのです。
100%相手に伝わるものではない
自分が言いたいことを相手に一生懸命伝えようとしても、なかなか伝わらないことってありますよね。
とある研究によると、相手に伝わる話の内容は、私たち一般人で20~40%、どんなにコミュニケーションが上手い人でも60~70%がMaxのようです。
つまり、自分の言いたいことが相手には半分も伝わっていないということです。
さらに、「言わなくても理解してくれるだろう。」と思うことは、ほとんど伝わっていないと考えた方が良さそうですね。
お互いが先入観を持ちながら、相手に言いたいことの半分も伝えられないため、人間関係でいざこざが発生してしまうのです。
トラブルそのものは解決できない
人間関係のいざこざは、基本的に悩みとセットです。
トラブルそのものは解決することができません。
例えば言い合いになった時に、言われた側からすれば何が悪かったのかという悩みが発生しますし、言う側からすればあいつは許せないと思うようになるものです。
このような状況では、お互いに違った先入観を持ち、しかも意図することが両者とも相手に伝わりません。
人間関係でいざこざが発生したときに、どうすればいいのかと悩めば悩むほど、解決しにくくなるので注意が必要です。
ソロモン王のパラドックス
実は、どんなに偉人でさえ、対人トラブルは発生してしまいます。
旧約聖書などに登場するソロモン王は、とても聡明ですぐに問題を解決する知識人でした。
しかし、自分のプライベートや女性問題などの人間関係になると、判断ミスばかりしていたのです。
ソロモン王のパラドックスとは、私たちは、他人のことはよく見ることができて的確な判断をすることができても、自分のこととなると間違った判断をしてしまうので注意しましょうという教訓です。
人間関係のいざこざを減らす方法
他人へのアドバイスを考える
人間関係でいざこざが発生する根本的な原因が先入観のため、それを極力外す必要があります。
どのようにすると良いかというと、自分の身に降りかかったことを、友人や家族など第三者の身に起きたと想像して、自分だったらその人たちにどのようにアドバイスをするのかを考えることです。
例えばAさんとBさんが言い合っているところにあなたが遭遇したとして、あなたには直接関係ないことなので、きっと、AさんとBさんを冷静に判断することができますよね。
Aさんのこういうところは良くないけど、Bさんのこういうところにも原因があるよね。
そもそも、事の発端はCさんだから、AさんとBさんが喧嘩する必要はないんじゃないの。
ところが、自分がAさんやBさんと同じ立場になった時、AさんやBさんと同じように周りの状況が見えなくなってしまうものです。
そんな時に、もし自分の立場が友人だったら、自分ならどのようなアドバイスをするだろうかと考えると良いのです。
これは、自分が当事者ではなく、第三者に話しかけている様子を想像するだけで、先入観を外すことができます。
「いや、対人トラブル発生中にそんなこと冷静にできないよ。」
と思うかもしれません。
確かに、たいていの場合は、トラブル中は興奮状態にあるので、第三者を想像してアドバイスするということを冷静に想像することは難しいですよね。
そこで、事が終わった後に、もし自分ではなくて友人が同じようにトラブルを起こしていたら、どのようにアドバイスすべきかを紙に書き出すと良いです。
すると、次にまた同じようなトラブルが発生したときに、いざこざの度合いを減らすことができるでしょう。
このことについて、ウォータールー大学が実験を行っていますので、その概要を記載しておきます。
被験者を次の2つのグループに分け、相手とのトラブルの間に責任の取り方や解決策などをどれくらいたくさん考えられたかを調べた。
Aグループ:自分が当事者となり、自分の身にトラブルが発生したことを想像してもらう
Bグループ:友達の身にトラブルが発生したことを想像してもらう
この実験では、実際に経験したのではなく、想像しているだけ。
この後、被験者全員にアンケートを取って、全体の状況に対して自分はどこまで把握できているのか、そして何が解決できて何が解決できないのか、という知識や能力の限界を調べた。
結果、Bグループの方が冷静かつ聡明に物事を判断できていた。
反対にAグループは、あまりいい解決策を見つけられず、自分の能力を乗り越えて現実を打破できるような判断ができなかった。
落としどころを探す
人間関係でいざこざが発生したときに、妥協点を探すことが大事です。
これは私もなかなかできないことなんですが、トラブルということは、お互いに意地を張って頑固になっているから解決できないんです。
お互いが少しずつ引き下がらないことが、解決に結びつかないのです。
先入観が強すぎて妥協しなくなると、相手に責任を持たせようとして話が決裂してしまいますよね。
かといって、全て相手の言いなりになるわけにもいきません。
そこで、お互いの妥協点、落としどころを見つけると良いのです。
「俺はこれで妥協するから、あんたもこれで妥協してくれ。」
というような感じで、落としどころのシナリオを考えると、相手を誘導しながら話を進めることができるでしょう。
失敗をシェアする
人間関係のいざこざが起きた後に、「こういうことが起きてここが良くなかった、もっとこうすべきだった」というような反省を、ブログなどでシェアすることも有効です。
悩みをシェアしつつ解決策を考えることで、一歩引いた視点で自分の事を見ることができます。
私もそうなのですが、このブログのほとんどは、私の悩みや反省点について、どうすれば良かったのかを書籍などで調べて書いています。
こうすることにより、自分を俯瞰的に見ることができて、しかも知識として定着しやすくなるんです。
先入観を外し、第三者目線で解決策を考えるためにも、自分の失敗や悩みから学んだことを人に伝えることをお勧めします。
対人トラブルが発生しやすい人
実は、人間関係のいざこざは、年齢を問わず起こり得ます。
若いと経験が浅いからトラブルが起きやすい、ということもあるかもしれませんが、実は、年を重ねていても同じようなトラブルは起きやすいのです。
むしろ、自分は今まで色々な経験を積んできたから、対人トラブルは大丈夫だろうと思っている人ほど、いざトラブルが発生すると人間関係の修復が不可能になってしまいます。
意地を張ったり、頑固になったりする人ほど、人間関係のいざこざが発生しやすいので注意しましょう。
まとめ
人間関係のいざこざの根本的な原因は、お互いに先入観を持ってしかも妥協しない点にあります。
その先入観を外すためには、自分の身に起きたことを友人などの第三者に起きたことと仮定して、その人にアドバイスするとしたらどうするだろうかを想像することが大切でしたよね。
ソロモン王のパラドックスのように、どんなに聡明な人でも、自分の事となると判断を誤りやすいので、一歩引いた視点で物事を考える意識を持つことが大事です。
とはいえ、いざ問題が発生すると、そのように考えている余裕がなくなることもあり得ます。
そのため、トラブルが発生した後に、こうすべきだったなということを第三者目線で紙に書き出したり、ブログなどでシェアしたりすると良いです。
専門的には、メタ認知や脱フュージョンと言いますが、泥沼にはまらないためにも、トラブルが起きた時こそ自分自身を第三者に置き換えて、その人に対してどのようなアドバイスをするのか考えることを心がけましょう。
大切にしたい人間関係、いざこざが発生する原因と解決策 まとめ
- 強烈な先入観のせい
- 言いたいことの半分も相手に伝わっていない
- どんなに聡明な人でも、自分の事となると判断を見誤る
- 他人へのアドバイスを考える
- 落としどころを探す
- 失敗をシェアする
- 年齢に関係なく誰にでも起こること
- 意地や頑固が強い人ほどトラブルに巻き込まれやすい
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