騙されやすい人の心理、被暗示性が高い人の4つの特徴+α

騙されやすい人の心理、被暗示性が高い人の4つの特徴
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暗示にかかりやすいかどうかを判断する基準に、被暗示性というものがあります。

被暗示性が高いと、騙される可能性があるので注意しなければなりません。

そんな被暗示性ですが、それが高いかどうかを私たちでも比較的簡単に見抜くことができます。

後でお伝えする4つの特徴に当てはまるか否かで、自分は騙されやすい人なのかどうかがわかるんです。

反対に、相手にその4つの特徴を質問することで、その人は騙されやすい人なのかどうかを判断することも可能です。

では、その被暗示性が高い人の特徴を、見ていくことにしましょう。

目次

騙されやすい人の心理について

騙されやすい人の心理

騙されやすいというとネガティブなイメージを持ってしまいますが、暗示や催眠がかかりやすいかどうかと言った方がいいかもしれませんね。

素直な人は、暗示がかかりやすい傾向にあります。

また、体調や時間帯によって被暗示性は変化しますし、メンタル面で調子が悪かったり、男女によっても被暗示性は異なります。

まずは、「基本的にこの4つの特徴に当てはまる場合は、被暗示性が高いと言えるので注意しましょう」ということについてお話しし、その後に、男女別や体調、時間帯によって変化するということについてお伝えします。

ちなみに、相手に暗示をかける方法は、実は世の中に溢れかえっています。

広告などがそのいい例です。

以前、【衝動買いの心理】なぜ広告から購買意欲を掻き立てられるのかでお伝えしたとおり、巷には私たちの行動を誘導する言葉があちらこちらに散らばめられています。

広告の場合は、人を騙そうということではなく、大衆扇動(誘導して商品を買ってもらうこと)が目的ですけどね。

広告やCMを見ると、必要ではない商品をついつい衝動買いしてしまうという場合は、【衝動買いの心理】なぜ広告から購買意欲を掻き立てられるのかをご一読ください。

きっと、解決のヒントを得ることができるでしょう。

では早速、被暗示性が高い人の4つの特徴から話していきます。

被暗示性が高い人の特徴

被暗示性が高い人の特徴

音楽に没頭しやすい

まず一つ目は、音楽に没頭しやすいと被暗示性が高い傾向にあります。

オハイオ大学が行った実験に、ハーバード式暗示テストを行い、その後クラシック音楽をどれくらい集中して聴けたのかを調査したものがあります。

ちなみに、ハーバード式暗示テストとは、被暗示性が高いかどうかをテストするものです。

オハイオ大学の被暗示性の実験の概要

280人の大学生を対象に、ハーバード式暗示テストを行い、暗示にかかりやすいタイプを「高>中>低」の3つに分けた。

その後、各グループに対して音楽鑑賞という名目でクラシック音楽を聴いてもらい、どれくらい深く集中して聴くことができたのか調査した。

その結果は、次のとおりである。

なお、点数は7点に近いほど、音楽に集中できていたことを示す。

  • 被暗示性が高いグループの平均点は、5.07点
  • 被暗示性が中程度のグループの平均点は、4.54点
  • 被暗示性が低いグループの平均点は、4.26点

これは意外ですよね。

集中力のない人の方が騙されやすいような気がするんですが、そうでもないようです。

あくまでもこの実験は、音楽に没頭するかどうかであって、集中力があるか否かではないんですけどね。

また、音楽に没頭してはいけないということでもありませんので、悪しからず。

もしあなたが、ひとたび音楽を聴くと他のことは視界に入らないというくらい没頭するのであれば、被暗示性が高い可能性があるので、注意しましょう。

権威主義にこだわる

あなたは、肩書や役職などにこだわるタイプですか。

もし、

  • 医者の言ったことだから正しいに決まっている
  • 社長の言うことに間違いはないだろう
  • 心理学者の言うことは絶対だ
  • IQ150の人には従うべきだろう

などと、その人物そのものよりも権威を重視して物事を判断しているのであれば、被暗示性が高い可能性があります。

ケープタウン大学では、権威主義の大小を測り、それぞれインチキな内容をどれくらい受け入れるのか実験しました。

ケープタウン大学の権威主義に関する実験の概要

87人の高校生を対象に、権威主義かどうかを測る心理テストを行った。

その後、全く同じ診断結果(偽物の結果)をそれぞれの高校生へ渡し、その結果をどれくらい容認するのかを調べた。

その結果、権威主義的と判断された人ほど結果を受け入れやすく、権威主義にこだわらない人は診断結果に疑問を抱くという結末だった。

また、第一印象で仕事ができる雰囲気をかもし出す人の3つの特徴でお話しした、サウサンプトン大学の実験では、レポートの内容は同じなのに名前を変えただけでレポートの信憑性が上がったという報告もあります。

それほど私たちは、権威というものに左右されやすいので注意しなければなりません。

何でもかんでも人を疑ってかかれということではありませんが、

「この人は確かに権威のある人で実績も出している人だ。でも今の話は本当に正しいのか。」

など、反射的に判断するのではなく、一度頭で考えてから行動するようにしましょう。

不安を感じやすい

不安を感じない人はこの世にほとんどいないと思いますが、起こる可能性が低いことに対して極度に不安を感じるようであれば、被暗示性が高いと言えます。

このことは、カンザス大学が実験で明らかにしています。

カンザス大学の不安症に関する実験の概要

600人の学生を対象に、不安を測定するテストを行い、その後、不安が高かった上位20%と不安が低かった下位20%の人達(合計240人)に絞ってさらに心理テストを行った。

後日、心理テストの結果を渡す時に、デタラメな診断結果を渡し、それがどれくらい容認されるのかを9点満点(9点に近いほど信じている)で測定した。

その結果、不安が高かったグループの平均点は6.22点で、不安が低かったグループの平均点は5.15点であった。

不安になっている時は、デタラメな情報を受け入れやすいことが判明した。

不安を生じている時には、人の話は鵜呑みにしない方がいいと言えますよね。

何か依頼があった際に二つ返事をするのではなく、翌日まで保留するなど、一度考える時間を設けた方がいいです。

また、ネガティブ思考になっている時に決断しようとすると、決まって悪い方向へ転がります。

不安になっている時は心理的な余裕がないので焦ってしまうかもしれませんが、すぐに決断することは避けましょう。

よく空想する

ノルウェーのオスロ―大学では、催眠にかかりやすい人にはどのような特徴があるのかを調査したものがあります。

オスロー大学の催眠に関する実験の概要

102人の女子大生を対象に催眠をかけ、かかりやすかった人にはどのような特徴があるのかを調べた。

その結果、非現実的なことや論理的ではないこと、ファンタジーなことなどをぼんやりと考える空想的なタイプの人は、催眠にかかりやすいことが分かった。

このほか、子ども心がある退行的(童心に帰ること)なタイプ、基本的に誰でも信頼する性善説なタイプも、催眠にかかりやすかった。

物思いにふけっている時間が長かったり、ありもしない世界をぼんやりと考えていたりすること自体は悪いことではありません。

しかし、その傾向が強いと騙されやすい可能性があるということです。

男女別被暗示性

男女別被暗示性

実は、男性と女性によって、被暗示性が違います。

先にお話しした4つの特徴は、比較的誰にでも当てはまるので注意しましょうというものですが、これからお伝えするものは、男性と女性のそれぞれが持つ特徴の違いによって被暗示性が変わってくるというものです。

このことは、南イリノイ大学が「エドワード・パーソナル・プリファレンス・スケジュール」という心理テストを使った研究で報告しています。

その研究結果の概要だけお伝えしますが、それによると、男性では「達成欲求の強い人」女性では「自己卑下の傾向が強い人」が騙されやすいということが分かりました。

つまり男性の場合、

  • 負けず嫌い
  • 出世に貪欲
  • 達成感を求める
  • 役職にこだわる

などという特徴を持っている人ほど被暗示性が高く、女性の場合は、

  • 自己評価が低い
  • 引っ込み思案
  • 私なんてどうせ…

などという特徴を持っている人ほど被暗示性が高いということです。

体調や時間帯によって変化する

体調や時間帯によって変化する

私たちは、サーカディアンリズムなどの様々な体内時計によって活動が変化しています。

その体内時計は人によって若干異なるものの、起きてから寝るまでの間で、体温や集中力が変化したり、ポジティブになったりネガティブになったりを繰り返します。

その中で、被暗示性が高くなる時間帯があるんです。

クリーブランド州立大学が行った実験では、昼型(朝型)の人は午前10時頃、夜型の人は午後1時頃に催眠にかかりやすいということを明らかにしています。

また、パーデュ大学が行った実験では、一般的に正午前後に暗示にかかりやすく、午後6時前後も若干被暗示性が高くなるということを報告しています。

午前10時~午後1時にかけて、私たちの体温は一番高くなります。

その体温が温まっている時間帯が、一番騙されやすいということです。

続いて、夕方の集中力が切れた時間帯です。

ちなみに、昼過ぎ(午後2時頃)と午後8時前後は、被暗示性が低くなるそうです。

そのようにして、被暗示性が高くなったり低くなったりを繰り返しています。

時間帯や体温によっても被暗示性が変わってくるので、「今はちょっとやばい時間帯かも」などと、一つの目安としてみてはいかがでしょうか。

まとめ

被暗示性が高いということは、比較的誘導されやすくて騙されやすいということです。

そしてその特徴を4つお伝えしました。

また、時間帯や体調によっても被暗示性が高くなる時があるので、そのような時は少しばかり警戒すると良いでしょう。

【衝動買いの心理】なぜ広告から購買意欲を掻き立てられるのかでもお話ししたとおり、私たちの身の回りには、大衆扇動で溢れかえっています。

だからといって、騙されるのではないかと必要以上に恐れる必要はないのですが、ある程度人の言葉には注意する必要があります。

ぜひ、自分の身を守るための一つの指標として、今回お伝えした内容を活用してください。

騙されやすい人の心理、被暗示性が高い人の4つの特徴+α まとめ

騙されやすい人の心理について

  • 被暗示性が高い=騙されやすい

被暗示性が高い人の特徴

  • 音楽に没頭しやすい
  • 権威主義にこだわる
  • 不安を感じやすい
  • よく空想する

男女別被暗示性

  • 達成欲求の強い男性は要注意
  • 自己卑下の傾向が強い女性は要注意

体調や時間帯によって変化する

  • 体温が高いと被暗示性が高くなる
  • 正午前後に被暗示性が高くなる
参考文献

人も自分も操れる!暗示大全/内藤誼人/2019.9.20/すばる舎/p.230-245

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