アリアクラム博士は、健康とパフォーマンスを向上させるためのストレスとの付き合い方などを研究しているスタンフォード大学の心理学者です。
日々の暮らしの中で、私たちはストレスを全く受けないことは不可能に近いですよね。
職場内でも家庭内でも、ただ単に街をぶらぶら歩いているだけであっても、何かしらストレスを感じてしまうもの。
特に、人間関係とお金の2つは、ストレスに大きく影響すると言われています。
この二大ストレスを軽くしてパフォーマンスを上げるための方法は無いのだろうか…
そう考えて研究していたのが、アリアクラム博士なのです。
アリアクラム博士は、ストレスは考え方次第で敵にも味方にもなると言っています。
そして、ストレスを利用してメンタルを強化するための4ステップ(本来は3ステップですが、ここではわかりやすく4つに分けます)を提唱していますので、今回はそのことについてお伝えします。
ストレスがもたらす影響
プライベートが悪化する
ストレスの中でも、人間関係によるストレスは大きく、様々な所で影響を及ぼします。
例えば、仕事で人間関係のストレスが生じると、プライベートの人間関係も悪くなってしまいます。
本来、プライベートでは、自分の味方になってくれる人たちと人間関係を築くもの。
しかし、仕事でストレスを抱えてしまうと、味方にまで攻撃的になってしまうのです。
プライベートでの人間関係を大事にしつつ、ストレスを力に変え、最終的には余計な人間関係を断って、良い人間関係を残すことが理想ですよね。
死亡リスクが43%アップする
強烈なストレスを感じた場合、向こう1年間の死亡リスクは43%高まるという研究があります。
特に、血管にダメージが溜まって心疾患などになりやすくなってしまうのです。
このように、基本的にストレスは良くないものですが、感じたくなくても受動的に感じてしまうものですよね。
そんなストレスですが、良いものと悪いものの2種類に分けることができます。
ストレスには2種類ある
悪いストレス
あなたにとって良くないストレスを受けてしまうと、コルチゾールというストレスホルモンが必要以上に分泌されて、あなたの体の中を炎症させてしまいます。
すると、肌荒れを起こしたりしわが増えたり、ひどい場合だと胃潰瘍や心疾患に発展することになるのです。
例えば、朝起きる時、仕事に遅れないように目覚ましをかけて起きることってありますよね。
私たちは、音に反応して起きると身の危険を感じて、急激にコルチゾールが分泌され、戦闘モードに入る仕組みになっています。
そのような状態で起きると、一日中緊張した状態となり、仕事に対するストレスもさらに増加。
早く老け込んだり、免疫力が弱まって病気にかかりやすくなってしまうのです。
良いストレス
一方、良いストレスとは、あなたを成長させてくれるストレスのことです。
【恐怖を克服するコツ!自発的体験が怖いをやる気に変える】でもお話ししたとおり、難しいことにあえて挑戦しようとすると、モチベーションが上がります。
すると今度は、コルチゾールだけでなく、DHEAという若返りホルモンが活性化されます。
そうなると、むしろ全くストレスを感じていない人よりも、免疫力が高まったり、若返ったり、脳が成長したりするのです。
ストレスは考え方により決まる
嫌なものと考えると…
ストレスの良し悪しの判断基準は、物事を終えた後にストレスが消えるか残るかの違いです。
そしてストレスは、実は、考え方によって良くも悪くもなります。
「うわぁ、嫌だなぁ。」と考えると、体内でコルチゾールが大量に分泌。
その度が過ぎると、血管にダメージを与えたり、脳が炎症を起こしてうつっぽくなったりするのです。
嫌だなぁと思うことで、ストレスが敵となって牙をむき、ストレスに苛まれることになってしまいます。
成長できると考えると…
「このストレスは自分を成長させてくれるものだ!」と考えることで、若返りホルモンであるDHEAが活性化します。
しかも、物事を成し遂げた時に達成感が得られ、ストレスが無くなって爽快感に変わります。
しかしそうは言うものの、職場で嫌なことがあったり、毎日会いたくもない人と一緒に仕事をしないといけないことを考えると、「成長も何もないのでは?」と言いたくなりますよね。
そこで、アリアクラム博士が提唱している4ステップを活用します。
このステップを踏むことで、体内の悪いストレスホルモンを良いホルモンに変えてくれるのです。
アリアクラム式ストレス利用の4ステップ
Step1:ストレスを認める
ストレスを感じた時に、目を逸らそうとしたり無理に拒絶しようとすると、かえってストレスは大きくなります。
そのため、「あぁ、今自分はストレスを感じているんだなぁ。」とストレスを受けていることを認めることが大切です。
Step2:ボディスキャンする
ボディスキャンとは、自分の頭のてっぺんから足のつま先まで、順番に観察することをいいます。
「肩の力が抜けた、内臓の力が抜けた、足の力が抜けた」など、リラックスするときにボディスキャンを使用しますが、ここでは、ストレスによって体にどのような変化が起きているのか観察します。
私たちは、ストレスを感じると、体に何らかの変化が現れます。
その症状は、人にとってまちまちで、頭に血が上ったり、脇に汗をかいたり、胃が痛くなったりするもの。
そのように、ストレスによって体のどの部分に変化が現れたのかを、ボディスキャンするのです。
Step3:ストレスを感じる意味を考える
なぜ今、頭に血が上っているのだろうか、なぜ冷や汗をかいているのだろうかなど、ストレスを感じていることにどんな意味があるのかを考えます。
ストレスを感じるということは、大事な何かが脅かされているという証拠。
それを脳が素早く察知して、ストレスという形であなたに教えてくれているのです。
脅かされている、あるいは脅かされそうになっている大事なものを守るよう、脳から指令が出ているので、それが何かを考えることが大切です。
Step4:守るための方策を考える
大事なことを守るために、どんな行動を取るべきか考えます。
そして、具体的な方策を探して行動してみることが大事です。
このようにして、自分の大事なものを認識して、前に進むための行動を取ることでストレスを力に変えることができるでしょう。
- ストレスを認識
- 体の変化を確認
- 脅かされているものは何か考察
- 守るための行動
が、アリアクラム式ストレス利用法なのです。
注)アリアクラム博士は、ここでお伝えしたStep1とStep2を足したものをStep1として提唱しているため、本来は3ステップです。
まとめ
ストレスは良くないものではありますが、私たちに必要なものでもあります。
【負のエネルギーは味方?!不安をモチベーションに変える方法】や他の記事でもお話ししましたが、良くないと思っているものを利用することにより、力に変えることができるのです。
そしてそれは、考え方ひとつで変わるということですよね。
「プレッシャーを感じていたり、気分が落ち込んでいる時に、味方にする方法なんて考えられないんだけど。」
と思う場合は、アリアクラム式ストレス利用法を試してみてください。
文章中に何度かお伝えしましたが、アリアクラム博士が提唱するステップは、本来3ステップです。
アリアクラム博士は、ストレスを認識してボディスキャンをするところまでをStep1としています。
「手に汗をかいている…ということはストレスを感じているということだな。」というような感じです。
ただ、私がやる時は今回お伝えしたように、Step1とStep2を分けて行った方がやりやすいため、4ステップに分けてお伝えしました。
私の場合、「なんかプレッシャーを感じる。そういえば後頭部が重いし、胃のあたりも脈を打っているな。」といった具合です。
体の変化からストレスを感じ取るか、ストレスを感じたから体の変化を観察するかの違いです。
あなたがアリアクラム式ストレス利用法を行う時は、どちらでも構いません。
やりやすい方を行って、ストレスを力に変えていってください。
アリアクラム式ストレス利用法!メンタルを強化する4ステップ まとめ
- プライベートが悪化する
- 死亡リスクが43%アップする
- 悪いストレスはコルチゾールが過剰分泌するして老化する
- 良いストレスはDHEAが活性化して若返る
- 嫌なものと考えると体内でコルチゾールが大量分泌される
- 成長するものと考えるとモチベーションがアップする
- Step1:ストレスを認める
- Step2:ボディスキャンする
- Step3:ストレスを感じる意味を考える
- Step4:守るための方策を考える
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