人付き合いが面倒くさいと思う心理は、特に職場の人間関係において起きるものです。
インターネットリサーチ会社マクロミルの調査によると、働く男女のうち86%が何らかのストレスを抱えており、そのうち57.7%の人が職場の人間関係をストレスの原因に挙げています。
なのでもし、あなたに「人付き合いって面倒くさいな」という心理が働くことがあっても、別に病気ではありませんよ。
他の人もあなたと同じように感じることもあるのです。
しかし、人付き合いが面倒くさいという心理がなぜ働いてしまうのか、その特徴や対処法を抑えておかないと、今後もずっと苦しい状態が続いてしまいます。
そこで今回は、人付き合いが面倒くさいと思う6つの心理と対処法についてお伝えします。
人付き合いが面倒くさいと思う6つの心理
今からお伝えする、人付き合いが面倒という心理は、全てに当てはまるというものではありません。
ですので、「あっ、これはあるかもしれない。」と思ったものを重点的に読みつつ、他のものも「そういうこともあるのか。」といった感じで、お気軽にお読みください。
誰とでも仲良くしないといけないと思っている
「自分が嫌われたくないから」などという理由で、自分と関わる全ての人と平等に仲良くしないといけないという心理が働く場合があります。
しかしこれは、あなたにとってどうでもいい相手に意識を向け、その対処法に人生の時間を浪費していることにつながってしまいます。
意識的にも、無意識的にも八方美人になると疲れてしますのです。
関わった人とどうやってうまくやっていくのかを考えてしまう癖がついてしまっています。
環境や運のせいにしている
今の人間関係は、自分で選択したものではなく、環境や運で自然とそうなってしまっていると考えてしまいがちですが、実はこれは間違いです。
人を自分で選ぶのではなく、他人に選ばれてしまっている状態なのです。
これの何がいけないかというと、受け身体制になっているので、相手の考えや感情に振り回されて疲れてしまいます。
人を選ぶことを避ける方が、人を選ぶよりもとても楽です。
なぜなら、相手の意見や考え方、誘いに乗れば、自分で決断する必要がなくなるからです。
しかしこれでは、環境や運任せになってしまって当然。自分で人を選ぶのか、それとも環境や運任せにしてしまうのか、それも、あなたが決断していることなのです。
苦手な人に意識が向いてしまっている
私たち人間の脳は、物事のマイナス面に意識が向くようにできています。
人間関係に当てはめると、自分と相性の良い人や素晴らしい影響を与え合う人よりも、苦手な人や嫌いな人への対応に意識が向いてしまうのです。
つまり、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に敏感になっているということなのですが、その理由は、何千年も前の祖先の生活を想像すると理解できます。
私たちの祖先は、自然の中でサバイバルをしてきました。
そして、食べ物を見つけることよりも、自分の命を狙ってくる猛獣たちを見つけて対処しなければ、死んでしまう危険があったため、ネガティブな情報に敏感になっているのです。
でも、今は危険を見逃すと命を落とすような過酷な環境にはいません。
私たちの脳がネガティブな情報に敏感になっていることを認識しつつ、なるべく苦手な人や嫌いな人のことを考えないようにし、意識的にポジティブな情報を見つける必要があります。
不平不満、悪口などに疲弊している
あなたの周りに、必ず一人や二人は、不平不満や人の悪口を言う人がいるはずです。
そしてその人たちとの会話で、あなたは精神的な体力を奪われてしまっている可能性があります。
本当はあなたは、人のうわさ話をする人たちから離れたいはず。
あなたのエネルギーを奪うような人たちから、なるべく距離をとることから始めましょう。
他人の評価を気にしすぎている
ある程度、人に認められることは、自己肯定感を満たすために必要ですが、他人の評価ばかり気にしすぎてしまうということは、その人に依存している状態にあります。
周りから認められたい、尊敬されたいという欲を持つことは大事だとしても、そこに意識を向けすぎてしまっては、いけません。
相手をコントロールすることはできなので、自分で自分を疲れさせてしまっているのです。
常に自分と他人を比較している
人それぞれ姿かたちも、内面も、特徴も生き方も違います。
自分と他人を比較して、足りないと感じている部分を成長させようとすることは大切ですが、そこに劣等感を感じて落ち込んでしまってはいけません。
「相手は素晴らしいものを持っているのに、自分には何もない…。」などと考えると、自分に自信が持てなくなり、人付き合いが面倒くさいという心理が強く働いてしまうのです。
人付き合いを面倒くさいと思う心理の対処法
ここからは、対処法についていくつかお話をします。
全てやろうとすると、それがストレスの原因となってしまいますので、あなたにできそうなものを、一つずつ試していきましょう。
まずは自分の選択が今であることを認める
人や環境、運のせいばかりにしていると、いつまで経っても改善されないどころか、人付き合いが面倒くさいという心理が強くなる一方です。
そのため、今の状況は自分で選択してきた結果だということを認めることから始め、徐々に人を選ぶ癖をつけていくことが良いでしょう。
鏡に映った自分を認める
「周りから認められたい」というコンプレックスを抱いていると、相手に認められることで自分を認めようとしますが、これは賢明な方法とは言えません。
人付き合いが面倒くさいという心理がますます働いてしまう原因になるからです。
この問題を上手く対処している人は、自分で自分を認めているからこそ他人にも認めてもらえているという考え方を持っています。
自分で自分を認める効果的な方法は、鏡に映った自分を褒めるというものです。
もしかすると、ついつい「しわが増えたな」とか「イケメンに生まれたかったな」とかネガティブな面に意識を向けてしまうかもしれませんが、何でも良いからとにかく自分を褒めるようにします。
「目が輝いている」とか「眉毛が整っている」、「服がキマッている」、「優しそう」、「なんかいい感じだ」などと、自分を認めるのです。
人は自分の顔を見ると、それだけで落ち着くことができるので、もし自分を認めることをしていなくて、人付き合いが面倒くさいと思っているならば、ぜひ試してみてください。
関わっている人が本当に自分に必要なのか考える
あなたにとって、どうでも良い人との付き合いが、人生の中で一番の浪費となっています。
人付き合いが面倒くさいという心理が働いている一番の原因は、もしかするとモヤモヤした人との人間関係なのかもしれません。
今、関わっている全ての人たちをリストアップし、この人たちはあなたに良い影響を与えているのか、そしてあなたはこの人たちに良い影響を与えたいのかを、一度考えてみることも大切です。
身近な人たちに意識を向ける
家族や友人など、あなたにとって大切な人が身近にいるはずです。そして、その数人の人たちを大切にすることから始めます。
私たちが直接連絡を取り合ったり、日常的に頻繁に会ったりするような人付き合いを維持できる人数は、多くて50人程度と言われています。
つまり、無理してたくさんの人と付き合う必要がないということです。
もしあなたが日々大勢の人たちとコンタクトをとっているのであれば、頭がテンパって疲れている可能性があります。
あなたの周りにいる大切な数人の人たちに意識を向けると、人付き合いが面倒くさいという心理が和らぐでしょう。
泣きたい時は我慢せずに泣く
人付き合いにおいて、嫌な思いをすることも多々あります。
そんな時は泣いて、ストレスを緩和させることもできるのです。
涙には、次の3つの役割があります。
- 基礎分泌の涙
目の表面を守るための涙 - 反射の涙
目に異物が入った時に流れる涙 - 情動の涙
感情が動いた時に出る涙
「情動の涙」を流すと、脳の一部の血流量が増加し、それによりセロトニンの分泌が活発になってリラックス効果が表れるため、ストレスが軽減されます。
泣きたい時は我慢せずに泣く、これも人付き合いが面倒くさいという心理を和らげる一つの方法なのです。
たまには一人でボーっとする
人付き合いが面倒くさいという心理は、頭がテンパっていることが原因で起きることも考えられます。
そこで、山や海、近所の公園などで、一人でボーっとすると、今までテンパっていた頭が、スッキリすることがあります。
その時に、もし可能であれば、瞑想を取り入れてみるのも良いでしょう。
瞑想と聞くと「ポジティブなことを考えないといけないのかな。」などと、難しいイメージがありますが、呼吸によってリラックスすることを目的としています。
目は閉じても閉じなくてもどちらでも良いですが、自分の呼吸に意識を向けるのです。
例えば、心の中で「1,2,3,4,5」と数を数えながら鼻から息を吸って、「1,2,3,…9,10」と口から息を吐く、というように、吸う時間よりも吐く時間を2倍長くします。
これを5分ほど行っただけでも、かなりのリラックス効果が現れます。
人をカットする勇気を持つ
脳科学の視点から、日常的に頻繁に会って人間関係を維持できる限界の人数が50人であり、SNSなどの交流では、150人程度が限界だと言われています。
つまり私たちは、人間関係を維持できる人数には限界があるので、付き合う人を選択しなければならない、ということです。
人間関係が選べるようになると、仕事では3倍の成果が上がるという研究結果が出ています。
また、人間関係の良し悪して寿命が15年も変わるという研究結果もあるので、できるだけたくさんの人たちと仲良くなるようなことを考えることはやめ、誰をカットするべきなのか、そして誰と付き合っていきたいのかを、選択する必要があるのです。
まとめ
人付き合いのが面倒くさいという心理は、私も強く持っています。
なぜなのか考えてみた時、やはり人を選べていないのが一番の原因のような気がしました。
人を選択するというのは、言葉では簡単に言えますが、やはりなかなか難しいこと。それでも、自分にネガティブな影響を与える人を遠くに置き、代わりに良い影響を与え合うような人を自分の近くに置くことはできます。
ちなみに、「誰が自分に得を与えてくれるのか」を考えると、皆あなたの元から離れていってしまうので、「自分は誰に良い影響を与えたいのか」を考えると、誰を選ぶべきなのかが、自然に見えてきますよ。
「選択とカットが豊かな人付き合いを構築する」ということを信じて、人付き合いをしていきたいですよね。
人付き合いが面倒くさいと思う6つの心理と対処法 まとめ
- 誰とでも仲良くしないといけないと思っている
- 環境や運のせいにしている
- 苦手な人に意識がいってしまっている
- 不平不満、悪口などに疲弊している
- 他人の評価を気にしすぎている
- 常に自分と他人を比較している
- まずは自分の選択が今であることを認める
- 鏡に映った自分を認める
- 関わっている人が本当に自分に必要なのか考える
- 身近な人たちに意識を向ける
- 泣きたい時は我慢せずに泣く
- たまには一人でボーっとする
- 人をカットする勇気を持つ
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