仕事や勉強、家事など、やることは山積みなのにどうしてもやる気が起きないという経験はありませんか。
やる気を科学で考えた時、やる気は根性で起こすものではありません。
しかし、脳の機能をうまく扱うことができれば、簡単にやる気を引き出すことは可能です。
一方で、不安に支配されてやる気が出ない時ってありますよね。
失敗したらどうしよう、取り返しのつかないことになったらどうしよう…などと、まだ起きていない未来のことを考えると不安になってしまいます。
そんなネガティブなイメージを持つ「不安」ですが、実は、不安をエネルギー源にしてやる気を引き出す科学もあります。
そこで今回は、やる気を科学で考えた時にどうとらえるべきなのか、そして不安からやる気を引き出す方法などについてお伝えします。
やる気を科学で考えると…
やる気スイッチは存在しない
「やる気が出ないから、やる気が出るボタンはどこかないかな?」などと探しても無駄なことは、あなたにもご理解ただけることでしょう。
やる気を科学で考えた時、やる気というものは元々あるものではないのです。
では、なぜやる気が起きるのかというと、行動を起こすから。
何かしら行動すると、脳が活性化してやる気が出てくるという仕組みなのです。
体を動かせばやる気が出る
アメリカの脳神経外科医であるペンフィールド氏は、脳と体の関係の研究を行い、体を動かすと脳は元気になり、自然とやる気が出てくるという科学的な結論を出しました。
脳は、変化に対応して動くもので、体を動かさずに止まったままだと変化が起きずに脳の機能が停滞します。
すると、不安などのネガティブな感情が発生し、ますますやる気が出なくなってしまうのです。
脳の機能を利用してやる気を出すためには、まず体を動かすこと。
どうしてもやらなければならない作業に対してやる気が出ない場合も、屈伸やスクワットなどを行って脳全体に血流が回ると、やる気が出てくるようになります。
もし、体を動かすことさえ面倒くさいという場合は、手先を動かすと良いことが分かっています。
机の片づけをしたり、書類の整理をしたりと、簡単な雑用をしているうちに、やる気が出てくることもあるので、ぜひ試してみてください。
不安からやる気を得る科学
不安はやる気UPに欠かせない
「不安」と聞くと、どうしても負のイメージを抱いてしまいますが、実は、不安をメンタルに活かしてやる気に変えることができるのです。
「不安になるから失敗しやすくなるのでは?」と思うかもしれませんが、「不安=失敗」と結びつける必要はありません。
不安を味方につければ、「不安だからやる」というように、プラスのエネルギーにすることもできるのですよ。
ただし、不安がもたらすメリットを理解しておく必要があります。
これさえ理解しておけば、不安になったらラッキーとさえ思うようになるでしょう。
不安が役立つ2つのポイント
ネガティブなエネルギーは2倍の効力がある
ネガティブなエネルギーは、ポジティブなエネルギーよりも2倍の力を発揮します。
これはどういうことなのかというと、例えば次のアンケートに答えてみてください。
あと2時間で提出しないといけない書類を作成することとなった場合、あなたは、次のAとBのどちらを提示されると、やる気が出ますか。
- A:ミッションを達成したら、5,000円分の夕食をおごってあげますよ。
- B:ミッションを達成しなかったら、3,000円分の夕食を私たちにおごってください。
おそらく、ほとんどの人がBの方がやる気になると答えるのではないでしょうか。
なぜなら、5,000円を手に入れる喜びよりも、3,000円を失うという危機感の方が感じやすいからです。
このように、何かを手に入れたいというポジティブなエネルギーよりも、不安から逃れたいというネガティブなエネルギーの方が、行動しやすくなることが分かっています。
不安をエネルギーとして行動を起こす材料にすれば、目標達成や成功に近づくことができるということですよね。
不安はフィードバックの情報源として活用する
しょっちゅう不安になる人は、危機の察知応力が高い証拠でもあります。
不安を感じるということは、何か見逃しているかもしれないと教えてくれているということ。
その見逃しているものをリサーチして対策をとるうちに、やる気が出てきて解決することができるのです。
不安がやる気に変わることを結論付けた科学の研究を、一つご紹介します。
194人のドイツ人と270人のジャーナリスト、159人のポーランド人学生に対して、次のアンケートを取った。
- 締め切りがあることに対して不安があるか
- その不安はゴールすることに役に立ったか
このアンケート結果では、1、2ともに「yes」と回答とする者が多かった。
しかも、不安を感じている人ほど、モチベーションが高く、仕事の満足度が高かったり、成績が良かったりすることが分かった。
この研究では、不安は、ただ邪魔になっているだけというわけではなく、モチベーションアップや良い成果を残すために欠かせないものとして結論付けた。
不安は分解して考えることが大事
不安を感じている時、ただただ不安から逃げたいだけでは、やる気を引き出すことはできません。
不安を自分の役に立てるにはどうしたら良いかを、分解して考えることが大切なのです。
- 何に対して不安を感じているのか
- どのくらいの大きさの不安なのか
- 何をしたら不安を解消できそうか(ゴール)
- 不安を解消するために、まずやるべき小さなことは何か(スタート)
どうでもいいことに不安は感じないんですよね。
自分にとって必要なことだから、真面目なことだから不安を感じるのです。
不安は自分にとってのチャンスとしてとらえることができれば、何にでもやる気を出して取り組むことができるでしょう。
まとめ
私たちの脳は、いかに怠けるかを考えるようにできているため、どうしてもやる気が出ない時ってありますよね。
やる気を科学で分析したとき、脳の表面の中央付近に、手足を動かす機能が分布しているそうです。
そして手足を動かすことで、脳のその部分に血液が送り込まれ、だんだんと脳全体の血流が良くなっていき、やる気が出てくるのです。
不安になっている時も、ひとまず何かしら手足を動かすと、やる気が出てくるということですよね。
そして、脳が温まってきたところで、何に対して不安を感じているのか、どうすれば不安を取り除けるのかを考える。
そうすることで、不安をエネルギーに変えて、やる気を引き出すことができるのです。
不安だからといって何もしないでじっとしていると、さらに脳が凝り固まって不安が強くなってしまうので、体を動かしたり、不安の対象を考えたりと、今回お伝えした方法を試してみてくださいね。
不安はプラスのエネルギー源!やる気に変える科学を徹底解説 まとめ
- やる気スイッチは存在しない
- 体を動かせばやる気が出る
- 不安はやる気UPに欠かせない
- ネガティブなエネルギーは2倍の効力がある
- 不安はフィードバックの情報源として活用する
- 不安は分解して考えることが大事
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