新型コロナウイルス感染症などの影響で、ほぼ毎日のように解雇されたというようなニュースを耳にしますよね。
2021年3月1日には、コロナ解雇が9万人を突破したと厚生労働省が発表しました。
今の御時世、いつ失業するのかわからない状況で不安がつきまといます。
ただ残念なことに、そこに追い打ちをかけるような悲しいニュースがあります。
それは、私達人間は、基本的に働かないとダメになるということ。
廃人になってしまう可能性があるんです。
なぜ廃人になるのかについては本文でお話しますが、もしかすると失業はブラック企業に努めているより危険かもしれないというものです。
今回は、働かないとダメになる理由と、どんな仕事をすると良いのかについて、カナダのマギル大学やギャラップ社のデータなどを元にお伝えします。
働かないとダメになる理由
失業による死亡リスクについて
カナダのマギル大学によると、職がない状態の場合、若死にリスクが63%アップすることが分かっています。
研究の概要は、下記のとおりです。
失業と死亡リスクについて、40年間に渡り、15カ国の人たち2,000人を対象に追跡調査を行なった。
その結果、生産年齢(働ける年齢)の時期に失業した人たちは、若死にリスクが63%アップした。
なお、若死リスク63%アップという数字は、15カ国のどの国にも当てはまった。
若死にと失業には因果関係がある。
また、一度失業すると、その悪影響は後の人生にも残る可能性がある。
死亡リスクが高まる原因は、失業によって健康が損なわれるからです。
心臓疾患やガンのリスクが上昇するとのこと。
これが、働かないとダメになる理由の一つです。
幸福度が下がりっぱなしになる
私達の幸福度は、一定の状態を保とうとします。
幸福度が上がったとしても下がったとしても、ベースラインに戻ろうとするんです。
このベースラインは、遺伝子により決まると言われています。
ちなみに、青春時代などの若い頃は、幸福度は上がる傾向にあります。(↑)
その後、就職すると大抵の場合一旦下がります。(↘)
しかし、歳を重ねて経験を積むにつれ、幸福度は上がる傾向にあるんです。(↗)
結婚後もそうです。
結婚すると幸福度は上がりますが、約7年経つとベースラインに戻るという研究もあります。
このように、基本的に私達の幸福度は上がったり下がったりを繰り返しつつ、ベースラインに戻ろうとします。
ただ残念なことに、失業は元に戻らない可能性があります。
- 失業
- 離婚
- 重い病気
などは、一生消えないダメージが残る可能性があると言われているんです。
転職や独立、起業は活動しているので問題ありませんが、全く働かないということをしてしまうと、幸福度が下がりっぱなしになる可能性があるので、注意しなければなりません。
自己都合退職でも会社都合退職でも、副業など何かしら働く場を準備してから退職するべきでしょう。
定年退職後も危険
定年退職も死亡リスクが上がるという研究があります。
認知症リスクやガンのリスク、心臓疾患リスクが上がるというものです。
「えっ、それって老化によるものなんじゃないの?」
と思ったかもしれませんが、実は、働かなくなることにより人生の目的が失われ、不健康になるリスクが上昇します。
身近な例でいうと、重大なプロジェクトを行っている間は、気を貼っていて活力がみなぎっているけど、プロジェクトが終わった途端、気が抜けて体調を崩したり風邪を引いたりする。
そのような経験を、あなたもきっとしているはずです。
定年退職をすることにより、責任がなくなり、活動的ではなくなるため、不健康になったり死亡リスクが上がったりしてしまうということなんです。
定年退職後は仕事をしないにしても、庭いじりや畑仕事、孫の教育など、何かしら活動することを退職する前に決めておくと良いでしょう。
失業に勝るとも劣らないヤバい仕事
失業と健康リスクについてお話してきましたが、実は、失業と同じかそれ以上に死亡リスクが高まる仕事があります。
これは、2010年のギャラップ社(旧アメリカ世論研究所)が調査した内容です。
どういうものかと言うと、疎外感を感じるような仕事は失業している人よりも幸福度が下回ったというもの。
また、スウェーデンの労働者を対象にした研究では、単調で退屈な仕事をしている人は、心筋梗塞になりやすいというデータもあります。
もしあなたが、
- チームの中に入れていない
- 会社の一員として歓迎されていない
- 仕事に意味を見いだせない
- 面白さを感じることができない
- 人の役に立っている感覚がない
などと感じながら仕事をしているのであれば、死亡リスクが相当高まっているかもしれません。
嫌いな仕事かつ、退屈な仕事かつ、長時間労働の仕事は、若死にまっしぐらなため、副業や独立、転職などを考えたほうが良いでしょう。
自分に合う仕事は幸福度が上がる
自分が好きな仕事や自分に合う仕事は、働けば働くほど幸福度が上がったり寿命が伸びたりします。
一般的には、仕事の効率面だけを考えた時、週に55時間以上働いても対して成果は変わらないと言われています。
つまり、週に約55時間が仕事の効率が最も良いということであり、それ以上長く働いても生産性が落ちるだけで時間が無駄になるというもの。
しかし、自分が好きな仕事や自分に合う仕事は、その法則に当てはまりません。
働けば働くほど幸福度が上がるんです。
多少仕事がしんどいなと思っても、やりがいがあったり、面白みを感じていたり、色々なアイディアを試せる環境にいるのであれば、幸福度が上がって死亡リスクは下がります。
幸福度が上がる仕事については、『幸福度の高い仕事と人を不幸にするヤバい仕事の3つの特徴』でお話しているので、合わせて確認しておきましょう。
まとめ
失業すると若死にリスクが63%アップするということをお話しましたが、コロナ解雇などで突然失業することもあるかもしれません。
失業すると活力がなくなって、何に対してもやる気を失うかもしれませんが、その状態のままでいると心臓疾患やガンになる可能性があるので注意が必要です。
もし失業した場合は、数日間休憩した後にでも、「これを機に自分のやりたいことを仕事にしよう」などと、何かしら活動することを心がけましょう。
どのような仕事だと幸福度が上がるのかについては、『幸福度の高い仕事と人を不幸にするヤバい仕事の3つの特徴』でお話していますので、そちらをご覧ください。
また、もしあなたが今、
- チームの中に入れていない
- 会社の一員として歓迎されていない
- 仕事に意味を見いだせない
- 面白さを感じることができない
- 人の役に立っている感覚がない
などと感じながら仕事をしているのであれば、失業することよりも死亡リスクが高まっているかもしれません。
自分が好きな仕事や自分に合う仕事は、やればやるほど幸福度が上がるので、そのような仕事はどんなことなのか、一度立ち止まって考えてみることをオススメします。
【失業と健康のリスク】特に若者が働かないとダメになるワケ まとめ
- 若死にリスクが63%アップする
- 幸福度が下がりっぱなしになる
- 認知症リスクやガンのリスク、心臓疾患リスクが上がる
- 退職する前に何かしら活動することを決めておく
- 疎外感を感じるような仕事
- 単調で退屈な仕事
- 働けば働くほど幸福度が上がる
- やりがいや面白みを感じる仕事が良い
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