大して能力がないのに尊敬される人や、その逆で、能力があるのに舐められる人っていますよね。
この人たちの違いは、いったい何なのでしょうか。
能力の有無にかかわらず、尊敬されたり期待されたりする人は、あるコトを人にたくさん話しています。
そのため、それを聞いた人は、「この人に任せたい。」と思うようになるんですよ。
ヒントは、人間の心理である潜在的可能性と非合理的な判断。
これらを駆使すると、仕事や恋愛などの人間関係において、あなたは尊敬される人になるのです。
そこで今回は、尊敬される人の特徴や大切にすべきことについてお伝えしていきます。
評価基準の心理
潜在的可能性とは
潜在的可能性とは、一言でいうと、その人が持っている期待のことです。
将来的には活躍するだろう、今よりもっと能力が向上するだろうなどと、まだ頭角を現していないけれど、これから期待できる可能性を秘めているかどうかで、評価されます。
つまり、尊敬される人は、何かしらの潜在的可能性を持っていることになります。
非合理的な判断とは
本来であれば、実績など既に獲得しているもの、決まっているものを基準に、相手を判断するべきですが、私たちは、不確実性のあるものに対して興味を示します。
それもそのはず、知っているものに対しては、それ以上知る必要も見聞きする必要もありませんよね。
そのため、無意識に、今後の可能性に期待できるかどうかで人を判断してしまうのです。
評価する時される時
潜在的可能性は評価される側が持っているかどうか、非合理的な判断は評価する側がそれに基づき判断してしまうことです。
そのため、もしあなたが評価される側の時は、「自分にはこういう考えや目標がありますよ」と、非現実的にならない程度に可能性(夢や目標、将来)を語ると、能力が高く見えます。
一方、あなたが評価する側の時は、相手の実績よりも不確実性な可能性の方に注目してしまうことに注意し、実績と可能性の両方のバランスを考えて評価する必要があるということですよね。
評価基準の実験
バスケットボール選手の採用
数十人の被験者に、NBA(北米のプロバスケットボールリーグ)のマネージャー役になってもらい、とある選手と契約を結ぶ時に、契約すべきかどうか、そして契約するとしたら年俸をいくら払うかを判断してもらう、という実験があります。
実験の際には、被験者を次の2つのグループに分けて行いました。
- Aグループ
候補選手の5年分の試合データを見せて、どれくらいの実績を積んでいるのかを伝えたグループ - Bグループ
これからの5年間で、こういうスコアが期待できます、このように成長する可能性があります、というように候補選手の将来の可能性を示したグループ
さて、AグループとBグループでは、どちらの方が採用率が高かったでしょうか。
結果は、もちろんB。
しかも、AよりもBの方が、合計で100万ドルも多い金額を提示したのです。
これは完全に、被験者は、相手(選手)に潜在的可能性があるかどうかを、非合理的に判断したからということが言えますよね。
実績よりも、将来の可能性の方が大きく評価された結果となりました。
どんな人をリーダーにしたいか
「リーダーシップ能力判断テスト」と「リーダーシップ潜在能力テスト」という2種類のテストをして、それぞれの点数が高かった人のどちらにリーダーを任せたいか、という実験が行われました。
どれくらいリーダーシップの能力があり、かつ今までにリーダーやマネージャーなどの人をまとめる仕事を行ったかという、実績ベースのテスト。
リーダーシップをとった実績はないが、リーダーとしての能力があるかどうかという、可能性ベースのテスト
被験者に対し、リーダーシップ能力判断テストで点数が高かった人か、リーダーシップ潜在能力テストで点数が高かった人の、どちらにリーダーを任せたいかアンケートを取ったその結果は…
もうお分かりですよね。
リーダーシップ潜在能力テストの点数が高かった人に任せたいという人が、圧倒的に多い結果となったのです。
尊敬される人の特徴
現実的な可能性を話す
どうすれば尊敬される人になるのか、ここまでご覧いただいたあなたは、もうお分かりのことではないでしょうか。
尊敬される人になるためには、実績ではなく、現実的かつワクワクするような可能性を語ることです。
ここでいう可能性とは、身の上話もそうですけど、それだけではなく、仕事の内容や生活、相手へのアドバイスなど、すべてにおいてです。
「これって、こうするともっと良くなるんじゃない?」というように、人よりも少しばかり先を行くようなことを話すと、「あっ、この人は私が知らないもっと先のことを考えているんだ。」というように、能力が高く見られるのです。
謙虚さを持つ
ただし、自慢げに可能性を語ってはいけません。
「この人ただのホラ吹きじゃん。」となってしまうからです。
可能性を語ったからには、そこに向かって突き進んでいる姿を見せないといけないということですよね。
例えば、相手に少し先の可能性をアドバイスしたのであれば、あなた自身が実際に見本を見せる必要があります。
もし、やるだけやったけど思うような結果が出なかった場合は、「次また頑張れば良いじゃん。」と応援してくれるかもしれませんので、結果うんぬんは心配する必要はありませんよ。
けれど、能書きばかりで何もやろうとしない人は、尊敬される人から遠ざかって、誰も相手してくれなくなります。
「今、こういう目標があって、そうなるためには少し時間がかかりそうだけれど、そのために勉強して少しずつ試しているんだ。」
「これはこうするともっと良くなる気がするから、一緒にやってみようか。」
などというように、尊敬される人になるためには、謙虚さをもって話すと良いのです。
まとめ
私たちの脳は、確定している事実よりも、これから良くなる可能性がある事の方に興味を持ちます。
それゆえ、夢や目標、将来について話すと、「おっ、こいつはしっかりしている奴だな。」と思われるのです。
ということは、履歴書を書く時や面接の時も、「潜在的可能性」と「非合理的な判断」を意識すると良い、ということですよね。
「今までこういうことをやってきました。」ということばかりではなく、「これからは、これを目標に頑張りたいです。」ということをアピールすると、相手の心に響くんです。
なぜ実績ばかりアピールすると良くないのかというと、なんだか自慢げに聞こえるからということもあります。
相手の目線で考えると、「俺は今までにこれだけやってきたんだぞ、エッヘン。」と偉そうな感じに、捉えられてしまいます。
実績ばかりアピールすることは、尊敬される人になるどころか、関わりたくない人になってしまうのです。
なので、「まだまだ半人前だけど、この目標に向けて頑張っています。」という謙虚さを持ってアピールすることが大事ということ。
それに、夢を目指して頑張っている人は、応援したくなるものですよね。
能力の有無に関係なく尊敬される人は、これをさりげなくやっています。
もしあなたが、自分よりも能力が低い人に舐められていると感じているのであれば、「潜在的可能性」と「非合理的な判断」を意識して話しましょう。
尊敬される人と舐められる人の違い、実績が重要ではなかった まとめ
- 実績の有無にかかわらず、その人が持っている可能性のこと
- 事実ではなく、不確実性なものに対して興味をもつこと
- 評価されるときは、非現実的にならない程度に夢や目標を語る
- 評価するときは、実績と可能性の両方のバランスを考えて評価する
- どの実験も、実績よりも可能性を示した方が、採用率は高かった
- 現実的な可能性を話す
- 謙虚さを持つ
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