尊敬できる人がいない職場でやる気を上げるたった1つの方法

尊敬できる人がいない職場でやる気を上げるたった1つの方法
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あなたは今、尊敬できる人が職場にいなくてやる気が出せないと感じてはいませんか。

そのように思うことは珍しいことではないので、気にする必要はありません。

しかし、やる気が上がらないと能力や作業効率が落ちてしまうので、そちらの方が問題です。

実は、職場に尊敬できる人がいない状態で、しかも自分自身も周りから期待されていないにも関わらず、仕事のパフォーマンスが高い人が一定数います。

その人達は、一体どのようにしてモチベーションを保っているのでしょうか。

そんな疑問を解決するため、今回はペンシルベニア大学の研究を参考に、尊敬できる人がいない職場でやる気を出すために知っておくべきことについてお伝えします。

目次

知っておくべき3つの効果

知っておくべき3つの効果

ピグマリオン効果

尊敬できる人がいない職場でやる気を上げるためには、まず3つの効果について理解しておく必要があります。

その1つ目が、ピグマリオン効果です。

ピグマリオン効果とは、上司や先輩等から期待されることで、それに応えようとしてモチベーションが上がり、能力や作業効率が向上することです。

自分の周りに優秀な人がいると、自分もその人に引っ張られるように成長しやすくなる効果ですので、とても大切な効果です。

ゴーレム効果

ゴーレム効果とは、周りの人達から期待されないことで、それに応えるかのように、やる気や能力、作業効率が低下してしまうことです。

ピグマリオン効果の真逆の効果になります。

ゴーレム効果は結構ヤバい効果で、周りに味方がいないように感じてしまって、どんどん自分の能力が下がっていくので注意しなくてはいけません。

そこで意識したいのが、次に説明するアンダードッグ効果です。

アンダードッグ効果

アンダードッグ効果は、負け犬効果ともいいます。

アンダードッグ効果とは、周りの人達から期待されていないにもかかわらず、それをバネにして優秀な成績を収める効果のことをいいます。

実は、尊敬できる人がいない職場でやる気を上げるためには、このアンダードッグ効果を利用することがとても大切です。

アンダードッグ効果を深く理解するために、この3つの効果について、もう少し詳しく見ていきましょう。

それぞれの効果が発動する条件

それぞれの効果が発動する条件

ピグマリオン効果やゴーレム効果、アンダードッグ効果が発動する条件はそれぞれ違います。

ペンシルベニア大学がいくつかの実験をし、それぞれの効果について調べています。

371人のサラリーマンを対象にした実験

まず1つ目の研究は、アンケート調査です。

  • (被験者に対して)あなたは、上司から、仕事ぶりを期待されていることを感じるか
  • (上司に対して)被験者の仕事ぶりはどうか、実際に成果を出しているか

という、それぞれの立場の人達にアンケートを実施し、これらのアンケートの違いにどれくらい差が生じるのかを調べました。

すると、周りからの期待を低く見積もっていた人達の方が、上司からの評価が高く、実際に仕事のパフォーマンスも高かったことがわかったのです。

330人の男女を対象にした実験

この実験は、被験者に簡単なパソコンを使った作業をやってもらい、その成績の違いを調べるというものです。

ただ、作業をする際に、別の部屋で第三者が監視していることを伝えます。

そして、次の通り3つのグループに分けて行いました。

  • 監視している人は、あなたのパフォーマンスに期待していると伝える
  • 監視している人は、あなたのパフォーマンスに程々に期待していると伝える
  • 監視している人は、あなたのパフォーマンスに期待していないと伝える

この3つのグループのうち、トータルで成績が良かったのが、なんと3つ目の期待されていないと告げられたグループでした。

期待していると言われると、変にプレッシャーになって作業効率が低下してしまうのかもしれませんね。

③589人を対象にした実験

最後3つ目は、②の実験と同じように行ったものです。

ただし、監視している人がどれくらい有能なのか、又は無能なのかという、監視する側の能力の情報も伝えて実験を行いました。

被験者は、次の6つのグループに分けられました。

  • 監視する側が有能と伝えられ、かつ期待していると伝えられる
  • 監視する側が有能と伝えられ、かつ程々に期待していると伝えられる
  • 監視する側が有能と伝えられ、かつ期待していないと伝えられる
  • 監視する側が無能と伝えられ、かつ期待していると伝えられる
  • 監視する側が無能と伝えられ、かつ程々に期待していると伝えられる
  • 監視する側が無能と伝えられ、かつ期待していないと伝えられる

この結果、パフォーマンスが向上したグループが2つあります。

1つが、監視する側が有能と伝えられ、かつ期待していると伝えられたグループ。(ピグマリオン効果)

もう一つが、監視する側が無能と伝えられ、かつ期待していないと伝えられたグループです。(アンダードッグ効果)

この実験結果をまとめると、次のようになります。

尊敬できない人がいない職場でモチベーションを保つ方法

尊敬できない人がいない職場でモチベーションを保つ方法
やる気が出てパフォーマンスが向上するパターン
  • 有能な人に期待される(ピグマリオン効果発動)
  • 無能な人に期待されない(アンダードッグ効果発動)

尊敬できる人や自分よりも能力が高いと感じている人から期待されたり褒められたりすると、ピグマリオン効果が発動してモチベーションが上がります。

一方で、自分よりも能力が低いなと感じている人から期待されていないとわかると、「お前にそんなこと言われる筋合いはない」と負けず嫌いのような心理になり、やる気が上がるのです。

やる気が下がってパフォーマンスが低下するパターン
  • 有能な人に期待されない(ゴーレム効果発動)

これ以上失敗すると見放されるのではという緊張感や恐怖感のようなものを抱くようになるようです。

必要以上にプレッシャーがかかって、作業効率が悪くなることが考えられます。

プラスマイナスゼロ
  • 無能な人に期待される

自分よりも能力が低い人に期待されても、嬉しくもなんともないという感じでスルーしてしまうため、やる気が上がることも下がることもないと考えられます。

よって、職場に尊敬できる人がいない、あるいは自分は誰からも期待されていないということは問題なく、むしろモチベーションを上げるチャンスとも言えます。

大事なのは、自分はどのような人から期待されるべきで、どのような人から期待されなくても構わないのかを考えるということ。

皆から期待されていないと思い込んでしまうとゴーレム効果が発動するので、それだけは避けなければいけません。

自分のことを期待していない無能な人達に注目し、なんでこんな人達にバカにされないといけないんだと、ネガティブな感情をプラスの力に変えることで、モチベーションをアップさせることができるのです。

まとめ

尊敬できる人がいない職場でやる気を上げるためには、アンダードッグ効果を意識することが大切です。

なんでこんな人達に軽視されないといけないんだと、ネガティブな感情をバネに奮起するからです。

今回、ピグマリオン効果、ゴーレム効果、アンダードッグ効果の3つの効果をお伝えしましたが、それぞれ発動する条件がありましたよね。

意外だったのが、ピグマリオン効果がいつでも発動するわけではないということではないでしょうか。

皆に期待されるとパフォーマンスが向上するかというとそうではなく、むしろその期待がプレッシャーになって力を発揮できないこともあります。

もしかすると、大人になればなるほど、そういう傾向が強くなるのかもしれません。

自分自身が期待されていなくても問題はないですし、周りに尊敬できる人がいなくても問題ありません。

あなたは誰から期待されるべきで、誰から期待されなくても構わないのか、それをはっきりさせることの方が重要なのです。

尊敬できる人がいない職場でやる気を上げるたった1つの方法 まとめ

知っておくべき3つの効果

  • ピグマリオン効果
  • ゴーレム効果
  • アンダードッグ効果

それぞれの効果が発動する条件

  • 有能な人に期待される(ピグマリオン効果発動)
  • 有能な人に期待されない(ゴーレム効果発動)
  • 無能な人に期待されない(アンダードッグ効果発動)

尊敬できない人がいない職場でモチベーションを保つ方法

  • アンダードッグ効果を意識する
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