思い出しストレスの対処法!想像のイライラは体を使って対策すべし

思い出しストレスの対処法!想像のイライラは体を使って対策すべし
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思い出し笑いならぬ、思い出しストレスをやってしまうことってありませんか。

思い出しストレスとは、実際にはストレスを感じる状況にはないのに、過去の出来事やこれから怒るかもしれない悪い予測を想像してしまって、ストレスを感じてしまうこと。

精神的に調子が悪いときほど、思い出しストレスをやってしまいますよね。

でもなぜ、想像しただけでストレスが生じてしまうのでしょうか。

今回は、ピッツバーグ大学などの研究を元に、思い出しストレスの原因と対策についてお伝えします。

目次

思い出しストレスの原因

思い出しストレスの原因

脳は現実と想像の区別がつかない

「頭で考えたことが現実となるので、良いことばかりを想像しましょう。」

などと、自己啓発の本などによく書いてあることですが、実はこれ、科学的な証拠があるんです。

(気分が落ち込んでいる時などに、無理に良いことを考えようとしても「どうせ無理だ」などと余計ネガティブになってしまうので注意しましょう。)

視覚化の効果については、様々な研究が行われています。

例えば、フランスのスポーツ研究所では、一度もゴルフをしたことがない23人の男女を集め、次のような実験を行いました。

イメージ・トレーニングの効果の概要

はじめに、全員に50メートルのアプローチショットを13回行ってもらう。

その後、次の3つのグループに分けた。

  1. コーチ指導の元、ショットの練習を行う
  2. 頭の中でショットを打ち、ボールが飛んで行って地面を転がる様子をイメージし続ける
  3. ゴルフとは関係のないスポーツ(卓球又はテニス)をす

数時間後、再びアプローチショットを計測したところ、次のような結果となった。

  • グループ3は、最初の結果とあまり変わらなかった。
  • グループ1は、予想通り上達していた。
  • グループ2は、グループ1と同じくらい上達していた。

イメージ・トレーニングは、練習をするのと同じくらい効果があることが分かった。

想像世界と体の反応を調べた別の研究では、目を閉じて体を動かす想像(研究ではテニス)をすると、実際にまぶたの中の眼球がゴロゴロと動いていたという研究もあります。

私達の脳は、実際に起ったことと想像上の出来事の区別ができないため、ストレスが起きる状態を想像すると、実際にストレスが発生してしまうんです。

「病は気から」の仕組み

人間の体と心はどのようにつながっているのか、調べた研究があります。

これは、ピッツバーグ大学の研究で、精神的に病んでいると体調を崩すのか、それとも体調を崩したからメンタルが弱るのかを調べたものです。

ピッツバーグ大学の研究の概要

心の状態が肉体にも影響を与えることは科学的に正しいのか、またその逆に、体調が良くないと精神状態も悪化するのか、その双方向を調べた。

その結果、人間の脳とストレスをつなぐ線(HPA軸)が見つかった。

HPA軸は、視床下部と下垂体が副腎とつながっている線のことを指す。

過去の嫌な出来事などを想像すると、脳の視床下部や下垂体から副腎へ信号が送られ、ストレスホルモンが分泌されるため、ストレスを感じる仕組みである。

ちなみに副腎とは、腎臓の上についている内臓で、普段は腎臓の機能を手助けする役割を担っています。

また、コルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンなど、主に5種類のホルモンを調整しながら分泌し、ストレスや免疫などを制御する場所でもあります。

思い出しストレスの仕組みは、嫌なことをイメージすると、その信号が脳から副腎へ送られ、ストレスホルモンが過剰に分泌されてストレスが発生するということです。

思い出しストレスの対処法

思い出しストレスの対処法

ゴムバンド法を活用する

これは、『落ち込んだ時の気分転換術!「○○しない」は逆効果』でもお伝えしましたが、輪ゴムやヘアゴムなどで自分の腕をパッチンと弾いて、思考を停止(反らす)方法です。

ペンシルベニア州にあるペンデル精神センターの実験によると、精神的にうつ状態になっている患者にゴムバンド法を行ってもらったところ、一週間ほどでネガティブなイメージが無くなったというものです。

輪ゴムがなければ、ほっぺをつねるなどでもOK。

何かしら外部から自分の体へ刺激を与えると、今考えている思考を反らすことができますので、思い出しストレスをしていると感じたら、ゴムバンド法を行いましょう。

頭ではなく体を使う

頭の中で想像しているものを、頭を使ってコントロールしようとすると失敗します。

精神面をコントロールしたい時は体を使い、肉体面をコントロールしたい時は想像力を使うと上手くいくんです。

HPA軸などのように、体と心はつながっていますが、動く時は別々で機能する傾向にあります。

実は、脳の運動するエリアも副腎とつながっていることが分かっています。

体のバランスを取る時に使う脳のエリアが、副腎にも影響を与えるのです。

体幹を鍛える運動など、体のバランスを取るために必要な筋肉を使って運動をすると、副腎に良い影響を与えます。

簡単にできるものだと片足立ちです。

その他には、バランスボール、ダンス、ヨガ、腹筋運動、自重トレーニングなどが良いです。

姿勢を正すことを心がけるだけでも副腎に良い影響を与えるので、思い出しストレス対策として、体のバランスを取る軽い運動を行うことを習慣化しましょう。

まとめ

思い出しストレスの原因は、私達の脳が現実世界と想像世界の区別ができないからです。

頭の中でストレスが発生するような状況をイメージすると、その信号が脳からストレスホルモンを管理している副腎へと送られ、ストレスホルモンを過剰に分泌してしまい、ストレスを感じるようになります。

それを防ぐためには、まずネガティブな思考を反らすことが大切。

ゴムバンド法を使って、外部から刺激を与えることで、ネガティブな思考を停止させることができます。

また、体のバランスを取る時に使う脳のエリアも副腎とつながっているため、体幹トレーニングなどを行うと副腎が正常化されます。

姿勢を正すことを心がけるだけでも副腎に良い影響を与えるので、体のバランスを取ることを日頃の生活に取り入れていきましょう。

思い出しストレスの対処法!想像のイライラは体を使って対策すべし まとめ

思い出しストレスの原因

  • 脳は現実と想像の区別がつかない
  • 脳とストレスホルモンを管理する副腎がつながっている

思い出しストレスの対処法

  • ゴムバンド法を活用する
  • 頭ではなく体を使う
参考文献
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