プチうつなどやる気の浮き沈みがある人の方が、そうじゃない人に比べて問題解決能力が高いのではないか、という研究結果があります。
私たちは何となく、常に前向きで明るい性格の人の方が頼りになるし、何にでも挑戦する能力があるように思いますよね。
もちろんそういう場合もあるんですけど、実は、落ち込みやすく、うつ傾向にあってやる気のアップダウンが激しい人の方が、優れた才能を持っている可能性があるというのが、今回お話しする内容です。
落ち込みやすく物事をネガティブにとらえてしまう人にとっては朗報です。
プチうつでやる気の浮き沈みが激しい方がなぜ良いのか、そしてその特徴をどのように活かすべきなのかについて、さっそくお伝えしていきます。
うつっぽい人の特徴
落ち込みやすく、へこみやすく、傷つきやすい人は、プチうつになる傾向がありますよね。
私がかなりその傾向にあって、食べ物が喉を通らないくらいヤバい時期があったのでわかるのですが、物事を悪い方向に考えるクセがついてしまっています。
なぜ、そのようにネガティブになってしまうのか、それは、未来に起こるかもしれないイヤな出来事に対して守ろうとするからです。
つまり、起きるかどうかわからないことに対して、人よりも不安が大きくなるということですよね。
これは、必ずしも悪いということではありません。
防衛しようとする能力が高く、しっかりと準備や対策ができるという裏付けでもあるからです。
ただ、皆と同じようなことをしようとすると、気分が落ち込みやすい分、負けてしまいます。
プチうつな人や、うつじゃなくてもやる気の浮き沈みが激しい人の、個々に合った能力の活かし方というものがあるのです。
その活かし方はいったいどういうものなのか、お話ししていきます。
プチうつが良い理由
クリエイティブな才能がある
うつの人や、やる気の浮き沈みが激しい人はクリエイティブな才能があると、ニューヨーク州立オールバニー校の研究では結論付けています。
うつとクリエイティブに関する36件の研究結果をメタ分析。
その結果、クリエイティブな人ほど気分が落ち込みやすいという結論に至った。
美術や芸術を学んでいる学生(美大生)や小説家、脚本家、物を創る職業など、創造性が必要な職の人と気分障害に相関関係が認められた。
クリエイティブな人は、拡散思考(集中力の逆)にあり、作詞作曲などアイディアを考えたりするときに必要な能力を身に付けている。
この拡散思考が高い人ほどうつ傾向にある。
なお、クリエイティブと一番相関関係にあったのが、双極性障害(うつとやる気アップを慢性的に繰り返すこと)の人たちだった。
うつの人ややる気の浮き沈みが激しい人が、必ずクリエイティブかというと、そのような研究結果はあまりないのですが、クリエイティブな人は全員といっていいほど、情緒不安定なようです。
なので、気分が落ち込みやすいから、情緒不安定だからといって、それをそんなに気にする必要はないということですよね。
実は様々な世界が見えている
双極性障害のように、うつになったりやる気が上がったりすると、様々な世界を体験することになります。
うつっぽい時は何も楽しめなくなって世の中が暗く見えますし、やる気が出ている時は世界が明るく見えるのです。
逆に、大して気分のアップダウンがあまりない人は、ずっと同じ世界しか見えていないんですよね。
すると、あまりアイディアは出てきません。
クリエイティブな人は、明るい世界と暗い世界の両方を見ることができるので、様々なアイディアが生まれるということでしょう。
創造性が求められる仕事ができる
創造性が求められるというと、少しハードルが高いように感じてしまいますが、自分の内側を表現する仕事をすると、能力が開花されます。
例えば、ライターや画家、音楽家、脚本家、小説家、舞台役者、ユーチューバー、カウンセラーなど、自分のアイディアを活かせる仕事が向いているといえるでしょう。
これからは、AIの時代になるので、より創造性が求められるようになります。
創造性が高いということは、アイディアが思いつくということ、そしてそのアイディアは問題を解決する材料になるのです。
冒頭で、「プチうつの人などやる気の浮き沈みがある人の方が、そうじゃない人に比べて問題解決能力が高い」といったのは、このことです。
うつの人ややる気の浮き沈みが激しい人は、様々なアイディアを考える能力に長けていて、そのアイディアを使って問題を解決することができるのですよ。
プチうつの人が気を付けるべきこと
他人と比べてはいけない
人と比べて自分の方が劣っているなどと、プチうつな人は自分のネガティブな面にフォーカスしがちです。
人のアドバイスを聞くということは大事なことですが、その人自身と比べてしまうとさらにうつになる場合があるので、他人と比べる必要はないんです。
また、他人と同じようなことをやっても上手くいきません。
例えば、誰でもできるような事務作業をしてしまうと、あなたの能力を潰すことになり、しかも何のために働いているのかわからないと、余計悩むことになってしまいます。
落ち込んでいる時に決断してはいけない
メンタルがネガティブな状態の時に物事を決断すると、最悪な結果を招くことがほとんどですので、落ち込んでいる時は、決断せずに動かない方が良いです。
決断は、気分がニュートラルな時か少しばかりテンションが上がっている時にすると、良い結果をもたらしてくれます。
ネガティブな時、そしてかなりポジティブな時に決断すると、悪い結果を生んでしまうので注意しましょう。
では、落ち込んでいる時は何もしない方が良いかというと、そういうことではありません。
落ち込んでいる時は、暗い世界が見えているので、その時に思いついたことを書いておくと良いですよ。
そして、気分が上がった時に見直して、どうすると良いかを考えると上手くいくのです。
回復する行動を考えておく
落ち込んだら、回復するテクニックを身に付けておくことが大事です。
落ち込みっぱなしだと、常にポジティブな人と同じで、一定の世界しか見えていないので、大して良いアイディアは思い浮かびません。
低空飛行をして時々上昇し、また低空飛行して上昇するといったように、情緒不安定な状況を創り出すことが大切です。
例えば、うつになったら神社を参拝する、公園や海へ行って自然の中で1時間たたずむ、ショッピングモールでウインドウショッピングする、オーディオブックを聴くなど、落ち込んだ時に回復するための行動を、気分が優れている時に考えておくと良いでしょう。
まとめ
常にポジティブな人よりも、うつになったりやる気の浮き沈みが激しい人の方が、有利なんです。
なぜかというと、常にポジティブな人は、落ち込みにくいので、かなりのリスクを取らないと気分のアップダウンができないんですよね。
簡単に落ち込めるということは、ある意味才能なんですよ。
落ち込んでいる時は、その時の自分の思考や感情、行動を記録しておくと良いでしょう。
気分が回復したときにそれを見ると、「もしかしたら自分と同じように苦しんでいる人がいるかもしれない。」と、その人たちのために様々なアイディアを考えることができるからです。
そしてそのアイディアが、様々な問題を解決してくれることになるんです。
プチうつな人ややる気の浮き沈みが激しい人は、ついつい落ち込みやすい性格を悲観してしまいますよね。
私がそうなので、きっとあなたもそのことに悩むときがあるのではないでしょうか。
でも、「落ち込むことができる」というのは、特殊能力なんです。
その特殊能力を活かして、様々なアイディアを生み出し、世の中を問題を解決していくことができたら、カッコイイですよね。
これからの時代は、今まで以上に創造性が重視されます。
あなたの落ち込めるという才能を活かして、クリエイティブな人生を創り上げていきましょう。
プチうつは利点?!やる気の浮き沈みが強みに変わる理由 まとめ
- 落ち込みやすく、へこみやすく、傷つきやすい
- 人と同じようなことをすると負ける
- 防衛する能力があり準備や対策ができる
- クリエイティブな才能がある
- 浮き沈みが激しい分、世界が見えている
- 創造性が求められる仕事ができる
- 他人と比べてはいけない
- 落ち込んでいる時に決断してはいけない
- 回復する行動を考えておく
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