人生で最大のストレスは何だと思いますか。
あの有名な心理学者であるアドラーは、「全てのストレスの根本的な原因は、人間関係にある」と言っています。
とりわけ住民のために働く公務員は、人間関係が重要視されます。
いくら仕事ができたとしても、他の職員と良い人間関係を築けないと、出世することは難しいのです。
つまり、公務員の出世には良好な人間関係が欠かせません。
加えて、あなたを評価する上司との付き合い方が、特に重要となります。
一方で、上司は、部下たちを正当に評価することはあまりないんです。
なぜだかわかりますか。
これには、人間ならではの心理的なトリックが隠されています。
しかも、あなたが上の役に就いた時、同じ現象が起こることは十分に考えられるので、注意が必要です。
そこで今回は、なぜステータスが上がると偉そうになるのか、そして上司を操るためにはどのような方法があるのか、などについてお伝えします。
上司が正当評価しないのはなぜか
私たち人間は、地位やステータスが上がると、共感力が下がる傾向にあります。
共感力が下がると、人の気持ちが理解できなくなるのです。
地位やステータスが上がり、ある程度自由を手に入れるようになると、他人をほとんど見なくなります。
なぜかというと、誰かと協力しなくても生きていけるようになるから。
それから、ステータスが高い方が知識も上だと勘違いするからです。
しかし、他人を見なくなると得られる情報が少なくなるため、ステレオタイプ(固定観念、偏見)が生まれます。
そして、何となくこうだろうと決めつけてしまうのです。
公務員の人間関係に疑問を生じるのは、こういうメカニズムなんですよね。
このような上司は、正当評価しないというよりも、正当評価できないと言った方が良いでしょう。
共感力や観察力が鈍り、ステレオタイプで人を見てしまうことが、正当評価できない原因なのです。
偉そうな人たちが取る行動
高級車vs普通車
高級車と普通車で、どれくらい運転の差があるのか調べた研究があります。
例えば、横断歩道で歩行者が立っていた場合。
普通車は75%の確率で止まるのに対し、高級車は50%の確率でしか止まらなかったのです。
ちなみに、年季の入ったボロボロの車は、100%止まりました。
無理に割り込む確率を調べた別の研究では、普通車の割り込む率は7%だったのに対し、高級車はなんと30%の確率で割り込んでいたのです。
ステータスが高くなると、他人のことを顧みない行動を取るようになるどころか、自分の間違った行動すら認識しようとしません。
自分の行動は正しいと思い込んでしまうので、恐ろしいですよね。
高級車の全ての運転手がステータスが高いということではありませんが、高級車に乗ると、一時的にステータスが高いと思い込むようになります。
その結果、周りが見えなくなり、自分の間違った行動を認識することができなくなってしまうのです。
裕福な学生vs普通の学生
共感力や観察力が下がり、自分の行動が認識できなくなることは、社会人に限ったことではありません。
学生でも、同じ現象が起きます。
偏差値の高い学校に通っている、もしくは裕福な家庭に生まれたなどのステータスが高い学生と、平均的な学生を対象に行った実験。
アンケートを取るという理由で部屋に入ってもらい、そこに、「隣で子どもたち用の実験に使うお菓子」という名目でお菓子のボックスを用意した。
そして、このお菓子は食べたかったら食べても良いということを告げた。
その結果、ステータスが高い学生は、平均的な学生に比べて2倍も多くお菓子を食べた。
お菓子を食べると、子どもたちが食べる分が減るにも関わらずである。
公務員は、このことを特に肝に銘じなければいけませんよね。
公務員の8割は、公務員になることがゴールとなっていて、公務員になった時点で自分は偉いと勘違いしてしまいます。
すると、共感力が下がり、この学生実験のように、他人を思いやる気持ちがなくなってしまうのです。
一方で、そうではない公務員もちゃんといるので、そこに差が生まれて、人間関係が上手くいかなくなってしまうのです。
誰でも態度が大きくなる時がある
普段は平凡に暮らしている人でも、一時的に自由や権力を与えただけで、普段から偉そうにしている人たちと同じようなことが起きます。
自分にはパワーがあると勘違いして、共感力や観察力が減ってしまい、他人を思いやったり自分の行動を俯瞰的に見たりすることができなくなってしまうのです。
そうなると、人間関係にヒビが入ることがありますし、仕事で重大なミスを見落とすことにもなりかねません。
私たちにもその可能性が十分にあるので、時折我に返って、自分は偉そうな行動を取っていないか、観察することが大切でしょう。
上司を操る方法
利用価値のある人間になる
上司にとって、あなたの利用価値が高いことを示す必要があります。
利用価値が高いとはどういうことかというと、上司が出世するために欠かせない存在になるということ。
「私はこの職場にいてもいなくてもどちらでも構いませんが、あなたにとって私がいないと困ることになりますよ」ということを示すことができると、パワー関係が逆になります。
すると、上司のステレオタイプ思考が減るので、正当に評価されて理解してもらいやすくなるのです。
公務員同士の人間関係を良好に保つためには欠かせないコツとも言えるでしょう。
上司のパワーが減っている時がチャンス
私たちは、失敗した時あるいは失敗を思い出した時、共感力を取り戻して他人を思いやる気持ちが高まります。
上司も人間のため、調子の良い時悪い時は必ずあるもの。
そして調子が悪い時は、パワーが減っていてあなたの話を理解してもらいやすくなるのです。
ただ、ここで注意しないといけないことは、あくまでも上司を助けようとする気持ちを持つことです。
良いように操ってやろうなどと悪の心を持って付き合おうとすると、見抜かれて人間関係が悪化することになってしまいます。
あなたが利用価値のある人間になるためには、上司を助けられるような存在にならなければいけないのです。
公務員の人間関係で覚えておくべきこと
ゴマをすっても意味がない
上司にはゴマをすり、同僚や後輩にはデカい態度をとる公務員っていますよね。
こういう人は出世しませんよ。はっきり言いますが。
周りから見ると、すごく嫌な奴に映ります。
しかも、同僚からは反感を買うだけなので、公務員としての人間関係は悪化してしまうのです。
スキルアップして組織の中で自由になる
組織の中で自由を手に入れたいのであれば、出世する以外の道はありません。
出世すれば、権力が手に入り、公務員としての人間関係において、ある程度自由になることができるのです。
一方で、出世するためにはスキル磨きが欠かせません。
スキルがないまま出世してしまうと、自分に能力がないことを隠そうとするあまり、共感力や観察力に欠ける冷たい人間になってしまうので注意しましょう。
スキルを磨けば、上司を助けて出世しやすくなることも可能ですよね。
スキルアップは、相手のためというよりも自分が自由を手に入れるために必要なことなのです。
組織が息苦しいのなら起業しろ
利用価値の高いに人間になることは、公務員としての人間関係を良好に保つためのテクニック。
つまり、組織の中で社畜としていかにうまくやっていき、組織内での自由を手に入れるかに焦点を当てています。
「なぜ、上司のためあるいは先輩や同僚、後輩のため、さらには組織のために、スキルアップをしないといけないのか。」と思うのであれば、組織から離れて起業した方が良いです。
起業すると、人に命令されることもなく、やる意味を感じられない仕事をする必要もなくなります。
真の自由が手に入るのです。
公務員同士の人間関係や今の職場に疑問を感じているのであれば、組織内での自由でなく、あなたの人生の自由を手に入れるためにスキルアップをするべきでしょう。
まとめ
地位やステータスが高くなると、人に共感する能力が下がり、偉そうな態度をとるようになることが、様々な研究で分かっています。
もちろん、あなたも私も、そのようになる可能性があるので、十分に注意しないといけませんよね。
偉そうな態度をとると、周りからは嫌なヤツと思われてしまいます。
すると、人間関係が悪化してしまうのです。
もしあなたが公務員で、良い人間関係を築きたいと思っているのであれば、利用価値の高い人間になることを目指すと良いでしょう。
それが、出世への道を容易にしてくれます。
出世すれば、権限や権力を手に入れられるので、組織内で自由になることができるようになります。
もし、組織内の自由だけにとどまらず、本当の意味での自由を手にしたいのであれば、起業するほかありません。
あなたの才能を活かすことを見つけられるようになれば、公務員としての人間関係を気にする必要はなくなるのです。
公務員の出世に欠かせない人間関係、なぜあの人は偉そうなのか まとめ
- 地位やステータスが上がると、共感力や観察力が下がる傾向にある
- 自分の行動を振り返ることをしなくなる
- 自分の行動が正しいというステレオタイプが発生する
- 普通車より高級車を運転している人の方が、歩行者や他のドライバーを顧みない運転をする
- 平均的な学生よりもステータスが高い学生の方が、2倍も多く子どものために用意したお菓子を食べた
- 一時的に自由や権力を与えただけでも共感力が下がる
- 利用価値のある人間になる
- 上司のパワーが減っている時がチャンス
- ゴマをすっても意味がない
- スキルアップして組織の中で自由になる
- 組織が息苦しいのなら起業しろ
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