効率の良い学習をするためには、原因論ではなく目的論で考える必要があります。
しかし私たちのほとんどは、原因論で考える癖がついてしまっています。
そのため、的外れな答えを出してしまって、学習が行き詰ってしまうのです。
目的論や原因論とはどういうものなのかについては後述しますが、とにかく効率の良い学習を行うためには、目的論で考えることが大切です。
そこで今回は、効率の良い学習方法をマスターするために知っておくべきことについて、お伝えします。
目的論vs原因論
目的論とは
目的論とは、簡単にいうと目的や理由を探すことです。
それをやる又はやらない目的や理由を考えることにより、どこへ向かっているのかを考えることができるようになります。
つまり、目的論で考えることで、未来を想像して本質を見ることができるのです。
原因論とは
原因論とは、それが起きた原因を探すことです。
この場合、過去に振り返って考えることになります。
過去を探っても終わったことなので、ほとんどの場合無意味です。
原因を探ってどう改善するのか、フィードバックすることは大切ですが、原因だけを追究するとまた同じミスを繰り返すので注意しないといけません。
目的論と原因論の違い
例えば体重100キロの太った男性が、あなたの目の前にいるとします。
この時、95%の人は、なぜこの人は太ったのだろうか、カロリーの取り過ぎでは?運動不足?睡眠不足?などと、太った原因を考えます。
一方、残りの5%の人は、太った目的は何だろうか、貫録を出したいから?舐められたくないから?強くありたいから?頼られたいから?などと、太った目的を考えるのです。
原因論ではネガティブな意見がほとんどで、しかも改善することが難しいですよね。
目的論で考えると、どこへ向かえば良いかポジティブな意見が出るので、軌道修正しやすくなります。
勉強しない目的は何か
学校教育は原因論
学校教育のほとんどは、原因論で考えさせられます。
過去を振り返る作業がほとんどです。
その中で、勉強ができなかったり学習が追い付かなかったりする子どもも出てきます。
その時に、たいていの場合、勉強できない原因を考えてしまいますが、視点を変えて勉強しない目的や理由を考えると、正確な答えが出やすいのです。
もしかすると、将来の自分には必要のないことだから学習しないのかもしれませんし、休息が必要だから一休みしているだけかもしれませんし、他にやりたいことがあるのにできなくて勉強が手につかないのかもしれません。
このように、勉強ができない原因ではなく、やらない目的を考えると、正しい答えを見つけて改善することができるようになります。
原因論=奴隷量産
原因ばかり探っていては、どこへ向かうべきか未来が見えないので、思考が固まります。
自分で考える力が身に付かなくなるということです。
例えば、ニュートンは万有引力を発見したと習いましたよね。
それで、学校の授業では「発見した」で終わりなんです。
本当は、その先にどうしたのか、引力を見つけた理由は何なのかを、子どもたちに想像させることが大切です。
ニュートンはリンゴが落ちるのを見て、地球には引力がある事を知った。
学校の授業では、これを暗記させられて終わり。何の活用もできない。
そこで、引力を見つけた目的は何かを考える。
何かを求めていて、偶然引力を見つけた可能性があるからだ。
引力を見つけたことが重要というよりも、引力を見つけた意図を探ることが大切。
というようなことを、子どもたちに教えないと、原因論で考える癖がついてしまいます。
すると、すぐに答えを知りたくなり、言われたことをやるだけになるという、奴隷になり下がってしまうのです。
これは、単なる作業であって、学習ではありませんよね。
学習とは、正しい答えを求めるのではなく、自分で考えて新しいものを発見することをいいます。
とにかく未来志向で、目的を考えたり話したりすることが大切です。
未来から逆算する
現在地点を考えてはいけない
自分は今、こうだから将来もこうなるだろうと、現在の自分と比較して未来を決める必要はありません。
現在地点から将来のことを考えると、できない理由ばかり思いついてしまい、限界を作ってしまうことになります。
それよりも、こうなりたい、だからこういう方法を試してみようと、将来的にこうなるためにはどうしたら良いかを考えて行動します。
このように、逆算して考えると様々なアイディアが出てくるのです。
逆算すると学習が深まる
今の自分は、過去の自分の考えや行いでこうなっています。
ということは、未来の自分は、今の自分の考えや行動で変えられるということです。
過去の自分はあまり関係がないということ。
今から未来の自分を創ることができるのです。
未来はまだ決まっておらず、自分で決めるものです。
すると、何を学習すべきなのか、そして何が不必要なのかが見えてきます。
全てのことを完璧にマスターすることは誰もできません。
目的論で考えて自分に必要だと思うことを試していくことが、効率の良い学習方法なのです。
まとめ
因果関係(原因があるから結果が生まれること)は存在しないんじゃないか、という説があります。
あくまで一つの仮説なので、信じ込む必要はありませんが、どういうことかというと、過去の原因も何かの原因によってできたもので、さらにその何かの原因も過去の何かの原因によってできたもの…とループするということです。
少しわかりづらかったかもしれませんが、因果関係のことをバタフライ効果と言ったりもします。
アメリカで大型のサイクロンが発生する原因をとある科学者が研究し、その結果、数カ月前に中国で蝶々が羽ばたき、その時にできた小さな風が周り回って大きくなってアメリカに襲い掛かってきたと結論付けた。
これは、今の行いが後々良くも悪くも大きくなって現れることの例えに用いられます。
でも、よくよく考えると、その蝶々が羽ばたく原因も何かしらあって、その蝶々が生まれる原因もあって…と、過去に遡るとループしてしまい、正しい答えが一向に出てきません。
それよりも、目的を考えることが大切です。
サイクロンの例でいえば、空気を一度きれいにするためとか、雨量のバランスを整えるためとか、発生した目的を考えれば、ポジティブでかつ規模の大きなことを考えることができます。
決して原因を考えてはいけないということではありません。
原因を探って改善していくことは大事です。
でも、改善するときに目的を考えていなければ、改善しようがありませんよね。
現在の学習では、原因論に偏ってしまっているので、もう少し目的論に目を向けましょうというのが、今回のお話。
今、それを勉強する目的は何なのか、未来の自分にそれが本当に必要なことなのか、というようにそれを行う目的を考えることにより、効率が良い学習をすることができるのです。
【目的論vs原因論】効率の良い学習方法をマスターしよう まとめ
- 目的論とは目的や理由を探すこと
- 原因論とはそれが起きた原因を探すこと
- 原因論ではネガティブな意見が出やすい
- 目的論ではポジティブな意見が出やすい
- 学校教育は原因論
- 勉強しない目的を考えると本質が見えてくる
- 原因論=奴隷量産
- 現在地点を考えてはいけない
- 未来は過去の自分で変わるものではない
- 今の自分が未来を変えるもの
- 目的論で考えて自分に必要だと思うことを試していく
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