クリティカルシンキングとは、批判的思考ともいい、疑う力のことを指します。
私達がストレスを最も感じやすい時は、余計なトラブルに巻き込まれた時です。
ただでさえ、仕事や人間関係などに不満を抱えやすいのに、余計なトラブルに巻き込まれたら、ストレスが悪化するのは当然ですよね。
しかし、クリティカルシンキングを行うことによって、余計なトラブルを回避しやすくなり、ストレスを減らすことができるようになります。
そこで今回は、カルフォルニア州立大学の研究を元に、クリティカルシンキングを使ってストレスを軽減する方法についてお伝えします。
ストレスが増える時
手間が増える行為
例えば仕事で、効率が悪いんじゃないか、遠回りしているんじゃないかと思えるような作業をした時、ストレスを感じませんか。
そのようなやる必要が感じられない作業をする時、私達のストレスは増えます。
お金の使い方に関する研究があり、その研究では、参加者に100ドルを渡して2つのグループに分け、片方には家事代行サービスを、もう片方には自分の好きな物を買ってもらいました。
この2つのグループのどちらが、幸福度が高かったと思いますか。
答えは、前者の家事代行サービスを行ったグループです。
つまり、自分の手間を減らして自由な時間を増やすと幸福度が上がります。
一方で、やる必要の感じられないことや、やらされていると感じる作業、手間が増える行為に対しては、ストレスが上昇してしまうんです。
ミスや事件に巻き込まれる
また、未然に防げたかもしれないミスや、突然の事件・事故などに遭遇すると、ストレスが一気に上昇します。
例えば、大事な打ち合わせなどの時間や場所を間違えたりしたことはありませんか。
私は、セミナーの会場を間違えたことがあります。
移動するにも時間がかかるし、会場についた頃にはもう既にセミナーが始まっている時間だし…。
というような時には、ものすごくストレスを感じますし、ちゃんと確認しておけばよかったと後悔もします。
事件や事故については、自分は関係ないのに巻き込まれることもありますが、自分の不注意で起きてしまうこともありますよね。
そのような時にも、大きなストレスがかかってしまうんです。
共感力の低い人が近くにいる
嫌味を平気で言ったり、人の噂話ばかり言ったり、偉そうにマウントを取ってくる人が、あなたの周りにいませんか。
そのような人が近くにいるだけでも、余計なストレスが発生します。
最も注意しないといけないのが、良い人のふりをして近づいてきて、貶める(おとしめる)人です。
このような人を、カバートアグレッションといいます。
普段は良い人に見えるので、サイコパスよりも厄介な人たちですが、どの職場にもいたりして意外にも多く存在します。
そのような人たちとは、距離を取ったりなるべく関わらないようにしないと不幸になるので注意が必要です。
ストレスを減らす思考法
ある特徴を持っている人は、余計なトラブルを回避しやすく、ストレスを受けにくいことが分かっています。
それが、クリティカルシンキングを身につけている人です。
この思考法は、誰でも身につけることができます。
先程もお伝えしたように、クリティカルシンキングとは疑う力のことですが、物事を違う角度から見ることができるかどうかが大きな鍵を握っています。
カルフォルニア州立大学は、クリティカルシンキングによりどれくらいのトラブルを回避できるのか、また、IQの高さに関係があるのかどうかを調べました。
224人の学生を対象に、次のようなクリティカルシンキングの上手さを測るテストを実施した。
- 目の前の事や前提を疑うことができるか
- 他の可能性を探って選択肢を持つことができるか
- 1つの物事を色々な角度から考察できるか
これに加え、IQテストと今までにどれくらいのトラブルに遭遇したかのアンケート調査も行った。
この結果、IQが高いかどうかは関係なく、クリティカルシンキングの能力が高い人ほど、トラブルが少ないことが分かった。
クリティカルシンキングの3つのポイント
①前提を疑う
それでは、クリティカルシンキングを行うためのポイントについて解説していきます。
まず1つ目は、前提を疑うことです。
余計なトラブルを避けてストレスを減らすには、物事を色々な角度から考察することが大切です。
とはいえ、物事を色々な角度から考察するってどうすれば良いのかわかりませんよね。
そのため、まず最初に
- この人が言っていることは正しいのかな
- 他にやり方はないだろうか
- 当たり前だと思っていたけど、別の方法があるかもしれない
などと、少しばかり疑ってみることを心がけましょう。
②他の可能性を探る
前提を疑うことができれば、別の視点で物事を捉えることができるようになります。
すると今度は、他に可能性はないだろうかと選択肢を持つことをしてみましょう。
一番怖いのは、一つしか選択肢がないのに、ミスや他人の影響でその選択ができなくなった時です。
例えば一本しかない山道を歩いていて、土砂崩れで目の前の道が崩れてしまったらどうでしょうか。
どうしようもなく、途方に暮れてしまいますよね。
先ほどお伝えしたように、手間が増えたりミスや事件に巻き込まれたりする時、私達は大きなストレスを受けます。
それはまるで、災害に見舞われるのと同じようなもの。
そうならないために、他に可能性がないか考えていくつか選択肢を用意しておく、つまり逃げ道を作っておくことが大切なんです。
③小さく試す
最後3つ目は、考えた選択肢を軽くテストをしてみることです。
自分の予想に反して上手く行かない場合もあれば、思いの外、事が上手く運ぶ場合もあります。
そのため、考えた選択肢を小さく試してみて、上手くいくモノを選ぶと良いでしょう。
まとめ
適度なストレスは、私達の集中力やモチベーションを上げてくれます。
しかしそれが過度になると、精神的にダメージを負ってしまうんです。
過度なストレスを受けやすい時は、余計なトラブルが起きた時がほとんどです。
できれば、そのようなトラブルは未然に防ぎたいですよね。
余分なストレスを回避してストレスを減らす方法の一つとして、クリティカルシンキングがあります。
クリティカルシンキングをもう一度まとめると、
- 前提を疑う
- 他の可能性を探る
- 小さく試す
です。
最近ミスが多かったり、手間のかかる作業ばかりしているなと思ったら、一度クリティカルシンキングを試してみてください。
クリティカルシンキングとは?余計なトラブルを回避してストレスを減らす方法 まとめ
- 手間が増える行為
- ミスや事件に巻き込まれる
- 共感力の低い人が近くにいる
- クリティカルシンキング=疑う力
- IQに関係なく、クリティカルシンキングが高い人ほどストレスを受けにくい
- 前提を疑う
- 他の可能性を探る
- 小さく試す