勉強することに対して苦手意識を持っていませんか。
ここでいう勉強とは、学校で習うようなことばかりではなく、社会人になってからも必要な知識を本や職場などで学ぶことも含みます。
私たちは子どもの頃から、詰込み型の教育を受けてきました。
思い返していただきたいのですが、なぜその学習が必要なのか理由を聞かされずに、とにかく覚えるよう教わり続けてきましたよね。
その結果、勉強に苦手意識を持つようになり、挙句の果てに「何のために働いているのか分からない」、「どうやって生きていけばいいか分からない」となってしまうのです。
勉強に苦手意識を持つ理由が分かれば、これからどうするべきかが分かって自由が広がります。
そこで今回は、勉強が苦手と感じる理由と学校教育が合う人合わない人の特徴などについてお伝えします。
精神の刑務所
パターン化の罠
学校で習う内容は、ほとんどの場合パターン化されています。
そのことが悪いということではなく、勉強でも仕事でも、効率よくするためにある程度パターン化することは大事です。
ただ、やり過ぎは危険です。
なぜなら、発想や思考を押し殺して自由を奪うことになるから。
パターン化したものに沿って学習したり仕事をしたりすると、自分で考えたり調べたりすることが少なくなりますよね。
すると、マニュアル人間や指示待ち人間になってしまいます。
クリエイティビティがつぶれる
パターン化して発想や思考を押し殺すということは、クリエイティビティがつぶれることになります。
私たち人間は、自動的に何かを学習する動物です。
言葉を話したり、字を書いたり、服を着たりできるようになったのは、周りの人達をみて学習して覚えたから。
このように、私たちは基本的に、何に対しても好奇心を常に持っていて興味津々な生き物です。
ところが、学校や家庭で、それはダメ、止めなさいと怒られて好奇心を奪われてしまいます。
そして、強制的に学校の宿題をやらされたりテストを受けさせられたりする…。
すると自由な発想をしなくなり、言われたことや与えられたことだけをやるというマニュアル人間になって、精神的に窮屈さを感じます。
そう、まさに精神が刑務所に閉じ込められているかのように。
これが、勉強が苦手という意識を持つ原因となるのです。
学校教育に合っている人
五感タイプの人
ここから少し、精神科医で心理学者のカール・グフタス・ユングの心理機能に沿って話をしていきます。
心理機能ではまず、五感タイプと六感タイプに分けられます。
- 五感タイプ
目や耳などの五感を使って判断することが得意 - 六感タイプ
雰囲気や何となくの感覚で判断することが得意
五感タイプの人は、数値化することが得意なため、学校の勉強に有利です。
教わったことに対して、自分の五感に落とし込んで分析すると成績が伸びることでしょう。
六感タイプの人は、先生や親の言うことにあまり耳を傾けずに、興味があることを自分自身で学習していくスタイルをとると成績が伸びます。
整理整頓タイプの人
続いて、整理整頓タイプとクリエイティブタイプです。
- 整理整頓タイプ
体系的に学ぶことが得意 - クリエイティブタイプ
自由に発想して形にすることが得意
学校の教育に有利なのは、整理整頓タイプです。
パターン化したものを一つひとつ整理しながら覚えることができるからです。
クリエイティブタイプの人は、縛られているかのように窮屈さを感じてしまいます。
外的評価の人
外的評価の人と内的評価の人とでは、外的評価の人の方が学校教育に有利です。
- 外的評価の人
他人や自分以外の外の環境からの評価を利用することが得意 - 内的評価の人
人の目をあまり気にせずに自分自身の内側を見つめて分析することが得意
学校教育では通信簿があるように、完全に外的評価です。
そのため、外からの評価を受けてフィードバックすることが得意な外的評価タイプの人は、学校教育のやり方に向いています。
プロセスタイプの人
プロセスタイプの人と理由・目的タイプの人とでは、学校ではプロセスタイプの人の方が有利です。
- プロセスタイプ
やり方重視で、方法や手順を教えてくれたらできる - 理由・目的タイプ
なぜそれを学ぶ必要があるのか、理由や目的を教えてくれたら学習が進む
学校教育では、ほとんどの場合(100%ではないけど)詰込み型でやり方重視です。
なぜそれを学ぶ必要があるのか説明がないままやり方だけを教わるので、学校ではプロセスタイプの人が有利になります。
論理脳が強いの人
これはユングの心理機能とはあまり関係ありませんが、私たちの脳は、論理脳(人間脳)、感情脳(哺乳類脳)、原始脳(爬虫類脳)の3分野に別けることができます。
- 論理脳
人間のみに備わっている脳。理屈で覚えることが得意 - 感情脳
人間を含めた哺乳類に備わっている脳。感覚や雰囲気で覚えることが得意 - 原始脳
脳を持っているすべての生物に備わっている脳。行動や経験から学ぶことが得意
この3タイプの脳は、全ての人達が持ち合わせているものですが、どれかが強くてどれかが弱いという傾向にあります。
学校教育では理屈が多いため、論理脳が強く働く人は学校の勉強に有利です。
この中でも特に、感情脳が強い人は、感覚や雰囲気で覚えることが少ない学校教育では不利になります。
勉強が得意になる人は何%?
以上のことを踏まえると、学校で勉強が得になる人、自分の能力が引き出せる人は、多く見積もって25%程度です。
75%の人達は、苦労したのに自分の力を発揮できないという結果になります。
もう少しプラスアルファして考えると、苦労している人の中にも、外向的な人と内向的な人がいます。
- 外向的な人
人と会うことで元気をもらえるので学習ができてもできなくても学校は楽しい場所と感じる - 内向的な人
大勢の人と話したり集団行動したりすることがストレスになるため、勉強ができるできないにかかわらず、学校が窮屈に感じる
このことを考えて深く分析すると、おおよそ次の結果となります。
- 25%の人達
学校は楽しい場所でなくてはならないところ - 25%の人達
勉強はできなくても人に会えるからまぁまぁ楽しめる - 50%の人達
学校が窮屈に感じて勉強に苦手意識を持つようになる
学校はキャンセルできない
生徒が先生を選ぶという権利がない
先生によって、理解できるできないということがありますが、今の学校教育では、残念ながら生徒が先生を選ぶことができません。
生徒にもタイプが分かれるように、学校の先生もタイプが分かれます。
自分のタイプに合った先生に教わると、勉強に苦手意識を持つ必要がなくなるかもしれませんが、それができないので、ほとんどの人は学習することに苦しさを覚えてしまうのです。
強制的が苦手意識になる
学校で教わったことは、大人になるとほとんど使わなくなりますよね。
将来的に必要だと分かっていることなら勉強するべきですが、使うかどうか分からないことを強制的に教えられるため、心に傷を負って苦手意識を植え付けられることになります。
小学校~高校までの12年間、苦手意識だけ残ることになるのです。
これは、日本の教育だけでなくて、他の国にも言えること。
例えばアメリカでは、第2言語としてスペイン語を学びますが、ほとんどの人は話せないそうです。
日本でいう、英語の勉強と同じですよね。
何の役に立つのか、理由を聞かされないまま教え込まれることで、勉強が苦手と感じてしまうのです。
イノベーションが難しい
今の教育は、一部の人達のための教育になっているので、イノベーション(改革)が必要です。
「義務教育は必要ないってこと?」
と思うかもしれませんが、そういうことではありません。
システムを変える必要があるということです。
ただ残念なことに、イノベーションが一番難しいのは教育であるといわれています。
国家を存続させるために学校で教育を受けさせているので、なかなか改革することはできません。
皆が皆、自由に学習してやりたい放題すると、国家として成り立たなくなるからです。
でも、成功者と落ちこぼれという二極化が進まないようにするためには、今のシステムを変えていく必要があるのです。
まとめ
目的を持たない学習、これが勉強に苦手意識を持ってしまう最大の原因です。
『【目的論vs原因論】効率の良い学習方法をマスターしよう』でお話ししたように、学校では原因論に偏ってしまっているため、もう少し目的を話しながら学習を進めるべきです。
社畜であったり、操り人形のように生かされている気がすると感じる、根本的な原因は目的のない学習にあります。
12年間の学習で苦手意識だけが残り、しかもマニュアル人間のように育てられてきたため、そのように感じてしまうのです。
でも、学校教育をイノベーションすることは難しいので、せめて私たち大人が少しずつ変わり、子どもたちにそれぞれの才能を引き出せるようなことをしていくべきではないでしょうか。
大きな改革を起こそうとすると混乱を招くだけなので、それはやるべきではありません。
そのため、自分の身の回りのことから少しずつ変えていき、あなたと関わる子どもたちだけは、思う存分才能を発揮できるような環境にすることを目指していきましょう。
勉強に苦手意識を持つのはなぜ?詰込み型教育の危険な洗脳 まとめ
- パターン化によりマニュアル人間が生産される
- クリエイティビティがつぶれる
- 五感タイプの人
- 整理整頓タイプの人
- 外的評価の人
- プロセスタイプの人
- 論理脳が強い人
- 25%の人達にとって学校は楽しい場所
- 25%の人達にとって学校はまぁまぁな場所
- 50%の人達にとって学校は窮屈な場所
- 生徒が先生を選ぶという権利がない
- 強制的が苦手意識になる
- イノベーションが難しい
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