他人を味方につけて人脈を広げる方法の一つに、アドバイスシーキングというものがあります。
具体的には後ほど解説しますが、それを使って会話している人は、色々な能力を持った人が自分の周りに集まって来るのです。
「なんか難しい方法なのかなぁ。」
と不安に思うかもしれませんが、そんな事はありません。
普段の話し方を少し変えるだけで、相手が味方になってくれやすくなります。
そこで今回は、ブリガムヤング大学やミシガン大学の研究を元に、アドバイスシーキングを使った会話術についてお伝えします。
アドバイスシーキングとは?
シーキングとは、「見つける」や「探し出す」というような意味です。
つまり、アドバイスシーキングとは、相手にアドバイスを求める話し方のこと。
自分が相手を教えるのではなく、相手に聞いてアドバイスをもらうのです。
「どうやって上手く成し遂げたんですか。」や「もっと良くなるためにはどうしたら良いと思いますか。」などと相手に聞くことで、あなたの信頼度が高まりやすくなり、味方になってもらいやすくなります。
アドバイスシーキングを使う人達
エリートセールスマン
アメリカにあるブリガムヤング大学は、2016年にアドバイスシーキングに関する論文を発表しています。
その概要は、以下のとおりです。
セールスマンを次の2つに分け、どれくらい成約率が上がるのか調べた。
A:普段どおり普通のセールス
B:アドバイスシーキングを使ってセールス
この結果、Aでは約8%の成約率だったのに対し、Bでは約42%の成約率だった。
アドバイスシーキングを使うと、5倍以上成約率が上がった。
Bのセールスマンたちは、直接相手に商品を売ろうとせず、まず商品についてアドバイスを求めることを行いました。
- この商品に対して価格はどれくらいが適切か
- どれくらいの値段だったら購入しても良いと思うか
- どんな機能やサービスがついていたら買いたいと思うか
- 納期はどれくらいが理想か
など、自社の商品やサービスが良くなる方法を相手に聞くことにより、成約率が上がったのです。
トップ企業のCEO
ミシガン大学の研究によると、トップ企業のCEOほど、アドバイスシーキングをよく使う傾向にあります。
アドバイスシーキングとは、いわば説得力の高いお世辞です。
ストレートに相手を褒めるのではなく、どうやってそのアイディアや戦略が思いついたのかアドバイスを求めます。
その、相手から学ぼうとする姿勢が、謙虚に見えて印象が良くなるのです。
さらに、変にお世辞を言っていると思われるリスクも減り、その結果、自分の周りに優秀な人達が集まって会社が大きくなっています。
自慢するよりもお世辞を言う方が印象は良くなりますが、それよりもアドバイスシーキングを行うことにより、相手から信頼してもらいやすくなって味方につけやすいのです。
アドバイスシーキングが良い理由
ところで、なぜ相手にアドバイスを求めると、成約率が上がったり、優秀な人材が集まったりするのでしょうか。
これは、アドバイスをする側に立つとわかります。
例えばあなたが相手にアドバイスをする時、嫌いな人や苦手な人に対して、お得な情報を教えたいと思いますか。
きっと答えは、ノーですよね。
仲の良い人や助けてあげたい人にアドバイスするはずです。
アドバイスシーキングは、この心理を利用しています。
別に好きでも嫌いでもないどうでも良い人にアドバイスを与えると、脳が自分の信念を変化させます。
「この人を助けたいからアドバイスを与えたのだ」と脳が勘違いして好感度が上昇。
結果、アドバイスを求めてきた人の味方になるのです。
まとめ
相手と会話をする時、ついつい相手にアドバイスをするというお節介をしてしまいがちですが、実は、アドバイスをもらった方があなたの印象が良くなりますよ、というのが今回のお話です。
成約率が高いセールスマンやトップ企業のCEOほど、アドバイスシーキングを使っています。
- 相手にイエスと言ってもらいたい時
- 相手を味方につけたい時
- 優秀な人材を確保したい時
- 人脈や権力、自由を手に入れたい時
などに、アドバイスシーキングをしてみてはいかがでしょうか。
アドバイスシーキングでストレスなく相手を味方にする会話術 まとめ
- 相手にアドバイスを求める話し方のこと
- エリートセールスマン
- トップ企業のCEO
- 人は助けたい人にアドバイスする
- 自分が嫌いな人にアドバイスしたいと思わない
- アドバイスを与えると脳が自分の信念を変える
- 相手が好きだからアドバイスしたと錯覚する
参考文献
コミュ障でも5分で増やせる超人脈術/メンタリストDaiGo/2019.3.28/マキノ出版