文科省、教員不足対策に5億円「教員の魅力を発信するイベント」←イベントって対策になるの?

文科省、教員不足対策に5億円「教員の魅力を発信するイベント」←イベントって対策になるの?
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文科省 深刻な教員不足の対策に5億円補正予算

FNNプライムオンラインによると…

深刻な教員不足の問題をめぐり、文科省が今年度の補正予算案に教員の成り手を確保するための事業として、およそ5億円を盛り込む方針であることがわかった。

補正予算案には、教職に興味がある人や教員免許を持っていても教職に就いていない人を対象に、全国で行われる教員の魅力を発信するイベントなどが盛り込まれている。

また、教職にこれから就く人への準備として行われる事前研修や、民間企業で働く教員免許保有者が期限付きで教員として働けるようにすることも盛り込まれ、文科省は全国の教育委員会が行うこれらの事業をおよそ5億円で支援する方針。

2021年度の調査では、全国の公立小中高校などで2558人の教員が不足していて、対策が急がれている。

https://www.fnn.jp/articles/-/610312

教員イベントのイメージ

これを準備する教員は更に大変になるのでは?

専門家の見解は?

学校改革プロデューサー 石川一郎氏

5億円の補正予算ですか。対策として盛り込まれたのはよいことだとは思いますが、全国規模で何が出来るのかという感じが率直にします。

現在、教員不足は地方が特にひどく、かなり高齢の先生にも声をかけて何とか教壇にたってもらっている状況です。

地方の私学だと公立にも増して教員採用はたいへんな状況で、給与などの待遇面をかなり整えないと厳しいです

補正予算ということで緊急対策と思います。根本的には、構造的に働きやすい職場にするような取り組みが必要と感じます

あと、別の側面からコメントしますと、教育現場では生きがいをもって教育に取り組んでいる先生がほとんどです。もっとそんな声も伝わるといいとも感じます

NPO法人POSSE代表、雇用・労働政策研究者 今野晴貴氏

教員不足の原因は、過重労働などをはじめとする労働環境の劣悪さが主たる要因だ。

そこに手をつけずに教員の魅力を発信するイベントをやって人を集めるという発想では、反発さえ招くだろう。

また、事前研修や、民間企業で働く教員免許保有者が期限付きで教員として働くなどの対策で、教育の「質」が維持されるのか疑問だ。

教員の労働環境改善は、教育の質の改善にも直結する施策であり、何よりそこを軸に考えていくべきだ。

そのために必要なことは、5億円程度ではなく、抜本的に教育予算を拡充し教員を増やすことではないか。

そもそも、2019年にOECDが出した国際調査では、日本のGDPに占める教育機関への公的支出の割合は2.9%で、対象35カ国中で最も低いことが分かっており、加盟国平均の4.0%を大幅に下回っている。

対症療法ではなく、教員を増やすことで過重労働をなくし、本当の意味で「魅力的な」教育現場にすることが必要ではないか。

現役教員&元教員などの意見

一部抜粋及び編集しています

現職の教師です。 全国的な教員不足の原因は、仕事量の多さです。

部活動、生徒指導、進路指導、プログラミング教育、外国語活動、道徳教育等々あまりにも多すぎて絶対に勤務時間では終われません。

真面目で頑張る先生ほど多忙になり、精神的にも余裕のない状況になります。

文科省の言っている働き方改革は10年以上前から殆ど変わらないです。

あと、採用試験の時期を変えたり複数回にすることや免許無しの人を雇うくらいなら現職の給料をもっと上げてください。

仕事量を減らし給料をどんとアップしてください。そうすれば自然に倍率が上がり有能な人材が増えます。

私は超就職氷河期時代に教師を目指していて実際臨時講師として教壇にも立った。

よくみんなこなせるなという仕事量。正直真面目に取り組んでいたらプライベートは全て犠牲にするに等しい。

テスト作り、教材作りのお手伝い、生徒指導の補助、教員免許を持っていて夢かなわかなかった世代でもシェアワーキングできそうなことがあるのではないだろうか。

退職した元教員です。多くの方が言っているように、イベントに金使うなら、先生たちの給料を仕事量に見合うように増やして欲しいと思います。

本当にボランティアかと思うことが多過ぎです。

教員不足の解消法は二つのことです。給料を上げること、仕事量を減らすこと。なのに、たった5億円! 未来への投資をきちんとして欲しいですね。

現職です。今年に入って3人が産休に入られました。

新しい命が誕生するのはおめでたいことなのですが、現場は非常に困っています。

当然まわりの教師に負担がのしかかり、管理職も授業をせざるを得ない状況。教員不足は非常に深刻です。

教師のブラックを改善しない限り教師になろうという人が増えません。補正予算をつけても成り手がいなければ

元常勤で臨時採用教員をしていました。その当時から教員の仕事は多く、持ち帰り仕事は当たり前でした。

現在自分は家庭と両立させるために非常勤講師をしています。

最近、常勤に戻ってほしいと言われますが、精神を病んで病休する先生や引け目を感じながら産休育休に入る先生方を見ていると安心して仕事できるところではないように見えます。

学校に求めるものが多すぎます。もっと仕事量を減らしてあげてください。

現職です。無駄なイベントよりも不要な業務を減らすこと、適正な残業代を支払うことで現職教員を守ることが先。

肉体的にも精神的にも限界。朝7時半~生徒が下校する16時半頃、日によっては17時頃まで休憩なし。この時点で定時は過ぎる。

授業準備ができるのは生徒下校後、勤務時間外に行われる会議や打ち合わせが終わり、欠席者への電話連絡を済ませた18時や19時過ぎから。

大事なことに時間が使えず、休憩もできず、見合った残業代も支払われない職の魅力とは?文科省教えてください。

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