営業の話し方にはコツがあります。
97%の営業マンは、しゃべり過ぎてしまっているんですよね。
コピーライティングの勉強をするようになってから、営業マンの話し方を意識したくなくても意識するようになってしまいました。
コピーライターの仕事の一つに、セールスレターを書く作業があります。
セールスレターとは、いわば営業マンを紙に表したもの。
そのため、コピーライティングの勉強はもちろん、営業に関する様々な書籍も読んできました。
そうしているうちに、話し方が上手い営業マンとダメな営業マンの区別がはっきりと分かるようになったんですよね。
公務員時代の話ですが、市役所にはたくさんの営業マンが来ます。
特に防災部局にいた時は、営業マンが来ない日の方が少ないくらいでした。
でもたいてい、どの営業マンも一方的にダメトークをして帰っていくんですよね。
ただ、私が市役所に勤めていた時、印象が良かった営業マンが2人だけいました。
なぜ印象が良かったのか…。
それは、ダメな営業マンと優秀な営業マンの違いを比べると分かります。
そこで今回は、良い印象を残して営業成績UPに結び付ける、営業の話し方のコツについてお伝えします。
ダメ営業マンがやってしまう話し方
商品の説明をする
「営業マンの仕事は商品を売ることなんだが。」と思うかもしれませんが、いきなり商品を売ろうとする説明は、相手にとって迷惑なだけです。
例えば、道端で見かけた美女に、いきなり「結婚してください。」って言いますか。そんなことはしませんよね。
いきなり商品の説明をするということは、その行為と同じことなのです。
一方的に話す
商品を売らないといけないというノルマがあることはわかりますが、こちら(お客さん)の立場を考えずに、自分が話したいことを一方的に話す営業マンがいます。
こちら側からすると、仕事の手が止まっているので、とても迷惑なんですよね。
その商品を必要としているならともかく、そうではないので、「何でくだらない話を聞かされないといけないんだろう。」とお客さんは思ってしまいます。
会話に間(ま)がない
聞きたくもない話を一人でずっと話し続ける営業マンがいますが、正直、こちらとしては疲れます。
それが役に立ちそうな情報ならまだしも、自分の会社の利益のための話を聞かされ、しかも会話に間がないから、意見も質問も言えない。
あなたの印象を良くするためにも、適度に間を空けて話すべきです。
そうしないと、聞いている側も話している側もすぐに疲れてしまいます。
会話の間を恐れずに、ゆっくり丁寧に話すことも、営業の話し方のコツなのです。
相手の言葉を否定する
お客さんの話を否定したり遮ったりする営業マンがいます。
一方的にボールを投げている状態なので、それでは、会話が成り立ちませんよね。
営業の話し方のコツの一つとして、「イエス・バット話法」というものがあるのを、あなたもご存知のことでしょう。
しかし、この使い方を間違えているのです。
お客さんの言ったことに対して、「はい、そうですよね。しかし…」と、相手の言っていることを否定してしまっています。
これは、本来のイエス・バット話法ではないんですよ。
「バット」の部分は、あなたが否定するのではなく、お客さんが自分の意見を否定するもの。
その営業の話し方のコツについては、後でお話しする『優秀な営業マンが大切にしていること』でお伝えします。
次第に不機嫌な態度で話す
お客さんからしてみれば、仕事を中断して必要もないことを聞かされ、しかも度々否定されるという迷惑行為となっているので、だんだん不機嫌な態度をとるようになります。
すると、営業マンもだんだん不機嫌になっていくんですよね。
でもそこは、お客さんに合わせてはいけませんよ。
お客さんが不機嫌になってきたら、相手のせいにするのではなく、「自分が良くないことをしているな。」と自覚すべきです。
優秀な営業マンが大切にしていること
下調べをする
お客さんとどのような会話をすべきか、ある程度、お客さんの仕事内容を調べます。
市役所に勤めていた時、よく「こちらではどのような防災対策をしていますか。」と聞いてくる営業マンがいたんですよね。
ホームページを調べれば、ある程度は書かれている場合が多いのに、それをやらない。
もちろん、市職員は市民のために仕事をしているので、市民が聞いてくるなら親切丁寧にお答えしますよ。
でも、営業マンが聞いてくると、「なぜあなたの会社の利益のためにお答えしないといけないのか。」と内心思ってしまうのです。
これは、他の会社への訪問でも同じこと。
自分たちの利益を上げないといけないのに、なぜ他社の利益に貢献しないといけないのかと、思ってしまうものなのです。
私が公務員時代に出会った印象の良い2人の営業マンは、下調べをしてきていました。
「○○対策をされているようですが、何かお困りのことはありませんか。」
という感じで、いきなり商品の話をするのではなく、初めに質問を投げかけるんです。
そうすると、こちらとしては答えざるを得なくなりますし、「何か協力してくれるのかな?」と期待を持つことさえあるのです。
下調べをして、それに対して困っていることはないか質問をするということも、営業の上手い話し方のコツと言えるでしょう。
相談役に徹する
たいていの場合、お客さんは悩みを持っているので、困りごとがないか聞くと、お客さんから話をし始めます。
そうなったら、聞き役に徹するべきです。
お客さんは話しているうちに、「この人は話を聞いてくれる人なんだ。」と、徐々にあなたのことを信頼し始めます。
人は、商品を買う時には信頼している人から買うので、お客さんから信頼を得るためにも、聞き役、相談役に回るとこが、印象を良くする営業の話し方のコツなのです。
表情や態度に注意する
あなたからすると初めて会うお客さんでも、お客さんからすると同じような営業マンに、嫌というほど商品の話を聞かされていることが多いです。
なので、もしかすると訪ねただけでお客さんに不機嫌な態度をとられるかもしれません。
でもそこはじっと我慢。お客さんの時間をいただいて、話をさせていただいているという気持ちで、会話を進めると良いでしょう。
無意味に居座らない
いくら優秀な営業マンであっても、100発100中というわけではありません。
むしろ、初手で断られたり、商談が上手くいかないことの方が多くあること。
「ここでは役に立てないな、商品を買ってくれそうにないな。」と感じたのであれば、早々に退席して次の訪問先に向かった方が、成約率がアップする可能性があるのですよ。
適切な質問で返す
先ほどもお話しした、「イエス・バット話法」のことです。
相手の言うことを否定せず、「それはなぜですか。」、「つまりどういうことですか。」などと質問を投げかけて、お客さんが自分自身の意見を否定し、あなたの味方に付ける方法です。
お客さんも自分で話しているうちに、「あれ?やっぱり違うかも…」と思うこともあるんですよね。
質問攻めしてしまうと、お客さんを疲れさせてしまうので気を付けないといけませんが、お客さんから情報を聞き出すような質問をして、あなたの意見に近づいてもらうよう、間を置きながらさらに質問をする。
イエス・バット話法はかなり高度なテクニックで身に付けるのには時間がかかるかもしれませんが、この話法は、営業の最強の話し方のコツと言っても過言ではないでしょう。
提案をする
お客さんからある程度信頼されても、まだ商品を売ってはいけません。
ただ、商品の話をしないと会社の売上に貢献して業績UPにつながりませんよね。
ではどうすれば良いかというと、商品そのものの話ではなく、商品の中身の話をするのです。
商品名を具体的に上げて、購入を進めるのではなく、「その悩みを解決する方法がありますが、いかがいたしますか。こうすると、もっと快適に楽して仕事ができますよ。」というような感じで、お客さんに明るい未来を想像させるようなことを話します。
そしてお客さんから、「それはどういったものですか。」と聞かれたら商品説明をするとよいでしょう。
ノートに記録する
一回の訪問で商品を販売できるかというと、その確率は低いです。
信頼を得るまでに時間がかかりますし、たいていの場合、何回かお会いして商談が成立するもの。
そのため、お客さん1人につき1冊ノートを用意して、どのようなことを話したのか、お客さんの特徴は何かなど、記録を取っておくのです。
私の知り合いで、業界№1の営業マンが1人いますが、必ずノートはとるようにしていると言っていました。
ただし、その場でノートを広げて書き出すと印象が悪くなるので、事務所あるいは車に戻ってから記録を取ると良いでしょう。
まとめ
営業マンは、お客さんの時間を奪っていることを、もっと自覚するべきです。
ノルマを達成しないといけないことはわかるのですが、相手のことを考えず、自分の利益のことばかり考えているうちは、商品を売ろうとしても売れません。
「相手の問題を解決する方法は何か。」を念頭に、会話を進めるべき。
それが、印象を良くして業績UPにつながる営業の話し方のコツです。
今回お伝えした内容は、テクニック的な要素が多いですが、大事なのはテクニックではなく、考え方です。
営業マンの仕事は、商品を売ることではなく、お客さんの悩みを解決して味方に付ける(集客する)ことが仕事なのですよ。
お客さんの悩みを聞く
↓
質問をして悩みを引き出す
↓
解決策を示す
↓
信頼を得る
↓
商品紹介
↓
商談成立
というような流れでしょうか。
たいていの営業マンは、商品紹介をいきなりしてしまうので、上手くいかないどころか、悪い印象を相手に与えてしまうんですよね。
正直、営業の本を2~3冊読めば、これくらいのことはわかるはずです。
でも、ほとんどの営業マンは本を読まない。
お客さんからしてみれば、勉強していないことがバレバレなんですよ。
「ただノルマを達成したいから商品を売りつけてくるだけでしょ。もう少しこちらのことを考えていただきたい。」と思うものなのです。
営業の本がしっくりこないのであれば、マーケティングやコピーライティングの本でも良いですよね。
私も、営業の本は3~4冊程度読んだことがありますが、今は、マーケティングやコピーライティングの本を中心に読んでいます。
もし、マーケティングの本でどれか1冊を…ということであれば、「シュガーマンのマーケティング30の法則」という本がオススメです。
他にも色々とお勧めの本はあるのですが、たくさん読み過ぎてもわけが分からなくなってしまうので、1冊読んで実践、そして足りないと思ったらまた1冊読んで実践していくと良いでしょう。
相手の役に立つにはどうしたら良いか、問題を解決するために何ができるかを考えて話をすると、信頼を得ることができて商品が否応なしに売れていきます。
ぜひ、97%の人たちがやらない方法で、あなただけの営業の話し方のコツを身に付けていきましょう。
商品はまだ売るな!業績UPにつながる営業の話し方のコツ まとめ
- 商品の説明をする
- 一方的に話す
- 会話に間(ま)がない
- 相手の言葉を否定する
- 次第に不機嫌な態度で話す
- 下調べをする
- 相談役に徹する
- 表情や態度に注意する
- 無意味に居座らない
- 適切な質問で返す
- 提案をする
- ノートに記録する
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