疲れが溜まることってありますよね。
筋肉痛のような単なる肉体的な疲れもあれば、なんだかダルいなどの精神的な疲労感も感じることは少なくないはず。
そんな疲労を、たった数十分で回復してくれるのが森林浴です。
森林浴には、マッサージよりも疲労回復の効果があるという研究もあります。
そんな森林浴の効果について、お話していきます。
リラックスする時に大切なこと
私達がリラックスしようとしたときには、副交感神経に切り替えないといけません。
よく、休憩だからといってSNSを見たりソーシャルゲームをやったりする人がいますが、残念ながらそれでは休まらないんですよね。
それどころか、ブルーライトのせいで脳が活発になってしまいます。
普段、仕事をしている時や運動をしている時、イライラしていたり集中したりしている時には、交感神経が活性化しています。
簡単に言うと、戦闘モードになっているということです。
この、交感神経を副交感神経に切り替えることによって、リラックスモードになるんです。
感情とホルモンの関係性
疲れを癒すためにリラックスしようとした時、感情を安定させる必要があります。
その時折の感情は、脳内のホルモンの種類や分泌量によって決まるんです。
例えば、ドーパミンが出るとやる気が出ますが、これが過剰に分泌されると興奮状態となり、不眠症になりかねません。
アドレナリンやコルチゾールは、不安から身を守るために分泌されますが、過剰に分泌されると体内に炎症を起こしたり、うつになることもあります。
このように、私達は、ホルモンの種類と分泌量によって感情が左右されますが、それを整えてくれるのが、森林浴などの自然の中なんです。
森林浴の効果
マッサージよりも効く?!
疲れを取りたいときは、自然と触れ合うのが一番良いという2016年にダービー大学が行ったメタ分析があります。
マッサージや昼寝よりも、森の中で佇んでいた方が疲れが取れやすいというものです。
マッサージなどのリラクゼーションと森林浴の効果量(Cohen’s d)を測定したところ、マッサージの効果量0.57に対して森林浴は0.71と、森林浴のほうが0.14ポイント高い結果となりました。
ちなみに効果量は、0.5を超えると効果が大きいとみなされます。
リラックスするためには、マッサージなども十分効果があるんですが、それよりも森林浴の方が効果が高いということですよね。
森や公園の中を散歩する癖を身につけると、心が休まり、疲弊することが少なくなるでしょう。
なお、森林浴だけでなく、小川などの水の流れや浜辺の波の音などでもOKです。
ホルモンのバランスを整える
先程もお伝えしましたが、自然は私達のホルモンのバランスを調整してくれ、その結果感情が安定するようになります。
人間の感情システムを、正しいバランスに整えてくれるんです。
別の実験では、子ども達に、週に1回自然の中で授業を行っただけで、集中力が約2倍上がったという研究もあります。
疲労が溜まっている時はもちろん、集中して作業したい時にも、自然の中を歩くと良いということですよね。
まとめ
疲労を回復するためには、リラックスすることが大切です。
そして、リラックスするためには、感情を安定させる必要があります。
森林浴には、私達のホルモンの分泌をコントロールして感情を安定させてくれる効果があるんです。
そして森林浴は、マッサージよりも疲労回復の効果があるということ。
疲労回復の効果量を測った時に、マッサージよりも森林浴のほうが0.14ポイント高い結果となりました。
もちろん、マッサージにも疲労回復の効果は認められましたが、森林浴はいつでもタダで疲労回復ができるのが魅力的ですよね。
森林浴だけでなく、波の音を聴きながら海を眺めていたり、水の流れる音を聴きながら小川に脚をつけていてもOKです。
なんか最近疲れが溜まっているなぁと感じていたら、近くの自然の中を散歩したり佇んだりしてみてはいかがでしょうか。
【森林浴の効果】疲れているときは自然の中を散歩すると良い理由
- 副交感神経にならないとリラックスできない
- リラックスするためには感情を安定させる
- 私達の感情はホルモンの種類と分泌量によって決まる
- ホルモンが過剰に分泌されると興奮状態となったりうつになったりする
- マッサージよりも効果量が0.17ポイント高かった
- ホルモンのバランスを整えて感情が安定する
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