「ストレス」と聞いただけで、なんだかネガティブな気持ちになりますよね。
でも、ストレスが必ずしも悪いというわけではありません。
ストレスを利用して力に変えることもできるんです。
むしろ、一日何事もなくダラダラと過ごすよりも、ある程度ストレスがかかっている状態の方が、行動力が上がります。
かといって、過度なストレスに長期間さらされていると、活力はなくなり、メンタルが病んでしまうことは間違いありません。
そこで、どのようなストレスは避け、どのようなストレスを力に変えるべきか、ポジティブストレスマインドセットの使い方についてお伝えします。
ストレスを力に変える人とそうでない人の違い
違いはたった一つ
ストレスを力に変える人は、ポジティブストレスマインドセットを持っています。
一方、ストレスを力に変えられない人は、ネガティブストレスマインドセットを持っています。
この、ポジティブストレスマインドセットとネガティブマインドセットはどのようなものなのでしょうか。
それは、おおよそ以下のとおりです。
ストレスは、やる気や集中力を上げることもあるという良い面もあることを理解していること
ストレスを受けるとイヤな気分になるし落ち込むから、なるべくストレスを避けたいと常日頃から考えていること
どんなストレスも受けたくないとストレスを拒否している人よりも、ストレスをバネに頑張ることができるという考えを持っている人のほうが、ストレスがかかった時に能力を発揮することができます。
マンハイム大学の実験
そのことは、ドイツのマンハイム大学の実験により明らかになっています。
マンハイム大学では、171人のオフィスワーカーを集め、彼らがストレスに対してどのような考え方を持っているのか(ポジティブorネガティブ)を調べました。
その後、被験者に1日3回巣ごとの進み具合などの作業日記をつけてもらうとともに、彼らがどのように仕事に取り組み、その時のモチベーションはどうだったか、実際の仕事量はどうだったのかを調査しました。
その結果、以下のことがわかりました。
仕事が捗り、一日の生産性が高かった。
特に、朝のモチベーションが高く、正確で明確なスケジュールを組む傾向にあり、計画倒れに終わることが少なかった。
仕事が多くなることにストレスを感じ、ストレスを避けたいと思うあまり、仕事を避けようとしてしまう傾向にあった。
その結果、モチベーションが下がり、ミスが増えて余計な仕事が増えてしまうこともあった。
ストレスを正しく理解する
ネガティブストレスマインドセットの人たちは、ストレスに対してイヤなイメージのみを持っているため、ストレスの影響が大きくなります。
マンハイム大学の実験では、ネガティブストレスマインドセットの人たちは、1日の終り頃にはヘトヘトになって仕事が終わるという状態となっていました。
一方、ポジティブストレスマインドセットの人たちは、完全に疲れきる前に仕事を終わらせているため、むしろスッキリとした状態になっていることが多かったんです。
このように、ストレスそのものがダメということではなく、ストレスに対する考え方によって、精神的あるいは肉体的に生じる疲れに差が生じます。
体内に生じるそれぞれの変化
ところで、ストレスをポジティブに捉えるのかネガティブに捉えるのかによって、モチベーションや生産性だけでなく、疲労感にも差が生じるのはなぜなのでしょうか。
それは、体内に分泌されるホルモンが違うからです。
ポジティブストレスマインドセットの人たちは、ストレスを感じるとデヒドロエピアンドロステロンというホルモンが分泌されます。
そのホルモンは、脳を活性化させたり、学習能力を上げたり、免疫力を高めたりしてくれるんです。
一方、ネガティブストレスマインドセットの人たちは、ストレスを感じた時、あるいはストレスになりそうなことを考えただけでもコルチゾールというホルモンが分泌されます。
コルチゾールは、体内を攻撃し、長時間分泌し続けると血管がボロボロになり、老けやすくなるんです。
良いストレスと悪いストレスの見分け方
とはいえ、全てのストレスを味方につけることが良いというものではありません。
できるだけ避けるべきストレスというものも存在します。
それは、長期的なストレスか短期的なものかによって区別しましょう。
良くないストレスはどちらなのかというと、長期的(慢性的)なストレスです。
例えば、学校や職場で嫌がらせをしてくる人がいる、ノルマのある仕事が次々に降ってくるなど、排除することが難しく長期間降ってくるストレスはよくありません。
一方、資格の試験や期限が迫っている一度きりの仕事など、一時的に乗り越えられる短期的ストレスは、味方にすべきです。
短期的ストレスをポジティブストレスマインドセットを持って力に変えれば、行動力をアップさせることができます。
ストレスを味方にする4ステップ
ストレスを考え方一つで味方にすることは大事ですが、疲弊していたり落ち込んでいたりする時にポジティブな考え方をするのは難しいですよね。
そこで、4ステップに分けて今の自分のストレス状態を観察することで、メンタルを安定させ、ストレスを力に変えることができます。
その方法は、
- ストレスを認識
- 体の変化を確認
- 脅かされているものは何か考察
- 守るための行動を思案
です。
これらのことは、以前『アリアクラム式ストレス利用法!メンタルを強化する4ステップ』でお話していますので、ぜひそちらを参考にしてください。
まとめ
ストレスに対して、嫌だ、避けたいなどと考えれば考えるほど、ストレスは増えてしまいます。
しかも、そのようなネガティブストレスマインドセットを持っている状態では、実際にストレスがかかっていなくても、ストレスのことを考えるだけで疲れてしまうんです。
常にストレスを抱えている必要はありませんが、ストレスをバネに頑張ることができる、成長することができるというポジティブストレスマインドセットを持っている人は、ストレスを力に変えることができます。
ただ、解決することが難しかったり、長期間かかるようなストレスはよくありません。
もしそのようなストレスにさらされているのであれば、時には休憩をして、そのストレスから意識を反らすことが大切です。
一方、一時的にかかるような短期的ストレスからは逃げる必要はないので、これを乗り越えれば成長できると、ポジティブストレスマインドセットを持って挑戦することを心がけましょう。
ストレスを力に変えるポジティブマインドセットの使い方 まとめ
- ポジティブストレスマインドセットかネガティブストレスマインドセットか
- ポジティブは仕事の生産性が上がり、疲労感も少ない
- ネガティブはミスが多くなり、仕事終わりにはヘトヘトになることが多い
- ポジティブはデヒドロエピアンドロステロンが分泌されて脳が活性化する
- ネガティブはコルチゾールが分泌されて体内に炎症が起こり老化しやすくなる
- 長期的なストレスはなるべく避ける
- 短期的なストレスは力に変える
- ストレスを認識
- 体の変化を確認
- 脅かされているものは何か考察
- 守るための行動を思案