今のままでいいのかと不安になったり、これから挑戦することに怖気づいたりと、ネガティブになることって結構ありますよね。
そんなネガティブ思考に打ち勝つ、アンチネガティブ力を鍛える方法があります。
表題では、「アンチネガティブ力を鍛える4つの方法」と謳っていますが、実はアンチネガティブ力を鍛えるために必要なことをたった一言でいうと、記憶力を鍛えることです。
ネガティブ思考に立ち向かうために必要なのは記憶力ではないか、という研究があります。
そこで今回は、記憶力がいいとなぜネガティブ思考に立ち向かうことができるのか、そしてその記憶力を鍛える方法は何かについて、お伝えします。
巷の間違い
世間一般的には、「記憶に残るといつまでもネガティブなことを忘れられないから、記憶力が低い人の方が気持ちの切り替えが早い」というようなことが言われています。
でも実は、それは反対なのでは?という研究があります。
その研究によると、短期記憶能力を司るワーキングメモリの性能が高い人ほど、ネガティブ思考に何にくく、なったとしても立ち直りが早いという結果が出ています。
その研究について、もう少し具体的に見ていきましょう。
アンチネガティブ力とは記憶力を上げること
ワーキングメモリが高い人は有利
ノースフロリダ大学が行った実験で、ワーキングメモリとメンタルに相関性があるかどうかを調べたものがあります。
16~79歳の男女2,000人を対象に、ワーキングメモリを測る実験とメンタルを測る実験を行った。
- ワーキングメモリの測定方法
桁数の多い数字を一瞬で記憶したり、暗算を行ったりして、短期的に記憶する能力を測定 - メンタルの測定方法
どれくらいネガティブなことを引きずりやすいかなどのアンケート
結果、ワーキングメモリの性能が高い人ほど、精神的に落ち込みづらく、たとえネガティブ思考になったとしても、楽観的な方向への気持ちの切り替えが早いことが分かった。
ワーキングメモリが高い人の特徴
ワーキングメモリが高いと、様々な恩恵が受けられます。
- 物事を進めるスピードが早い
- 新しい技術を身に付けるスピードが早い
- メンタルが強く、気持ちの切り替えが早い
- 頭の回転が速い
- 注意力などのコントロールが上手い
etc
アンチネガティブ力が低い人の特徴
逆に、アンチネガティブ力が低く、いつも悲観的になる人は、うつ病などのリスクが高くなります。
ネガティブな思い込みを持っている人の85%はうつ病にかかった、という研究もあるほど。
「悪いことが起きそうな予感がいつも当たって、いつも自分の周りには悪いことばかり起こるんだ…。」
というような思考は、持たない方がいいということですよね。
また、年齢によってもネガティブ思考になるレベルは変わります。
若い人ほど悲観的になりやすく、特に10代~20代の思春期・青年期は、人生に対して最も悲観的になりやすい時期だと言われています。
私たちは、若い時にネガティブになりやすいので、若い時にこそ、ワーキングメモリを鍛えておくべきでしょう。
もちろん、年齢を重ねていっても、ワーキングメモリを鍛えるべきです。
ボケ防止はもちろんのこと、悲観的対策にもなります。
アンチネガティブ力を鍛える方法
アンチネガティブ力を鍛えるためには、記憶力を鍛えると良いということをお伝えしてきました。
そして、短期記憶力を上げるためには、ワーキングメモリを鍛えると良いのです。
ワーキングメモリは、自分自身で鍛えることができます。
その方法は、メンタリストDaigoさんの著書『最短の時間で最大の成果を手に入れる超効率勉強法』(p.258~p.276)に記載されていますので、そちらを参照しながらお話ししていきます。
① 運動する
「運動」と聞くと、面倒くさいなと思うかもしれませんが、ウォーキングなどの軽い運動でも、ワーキングメモリを鍛えることができます。
イリノイ大学が行った実験で、定期的なウォーキングと脳の神経回路の関係性を調べたものがあります。
それによると、参加した男女の被験者は、1日40分のウォーキングを週に3日のペースで行い、1年後に脳の変化をfMRIで確認したところ、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼ばれる神経回路システムが活性化して認知能力が上がっていたそうです。
ウォーキング以外の運動ももちろんOKです。
ジョギングやサイクリングなどはもちろんのこと、次に話す空間能力を鍛えるのにもってこいな、野球やバレーボール、サッカーなどといった球技も、ワーキングメモリを鍛えることができるでしょう。
② 頭を使うゲーム
カタルーニャ大学などが行ったメタ分析によると、「テレビゲームは脳に良い」そうです。
海馬が大きくなり、注意力を保つ力が増えてワーキングメモリが向上します。
そのゲームの中でも、能力アップにつながるゲームは、次の3つです。
- リアルタイムの判断を要求されるもの(DNBなど制限時間があるゲーム)
- 謎解きの要素があるもの(推理やエスケープなど)
- 3D空間を飛び回れるもの(視点を切り替えたりしてダンジョンを進むゲーム)
制限時間内に謎を解き、しかも空間把握しながら進めていくゲームがベストと言えるでしょう。
ゲームには主に2つのデメリットがあります。
- 脳の報酬システムが変化を起こし、中毒症状に似た状態に陥る
- 外部の刺激に反応しやすくなり、脳が常に報酬を求める状態となる
ゲームをやり過ぎると、ゲームをすることが目的となってしまい、せっかく高まったワーキングメモリや集中力を活かすことができなくなってしまうので、注意しましょう。
③ 楽器の習得
音楽を聴くのではなく、楽器を演奏するとワーキングメモリが鍛えられるのではないかという研究があります。
パドヴァ大学が行った調査によると、楽器を学んだ期間が長い人ほど短期記憶の働きが良く、ワーキングメモリの性能も高いということが分かりました。
「いや、そんな楽器なんて弾けないよ。」
と思うかもしれませんが、どのような楽器でも大丈夫です。
ピアノやギター、ドラム、リコーダー、和太鼓、横笛など、音楽を楽しみながら五感を活用することで、ワーキングメモリを鍛えることができます。
④ 悩みを紙に書きなぐる
悩みや不安、焦りなどのネガティブな感情がある時は、それらを紙に書き出すと良いです。
ネガティブな感情を書き出すことにより、自分を客観視できるようになって、メンタルの改善だけでなく脳機能のアップも見込めます。
頭に心配事が浮かぶと、他に作業をしていたとしても、そのことばかり気になってしまいますよね。
そのような状態では、脳は心配事に処理能力を使ってしまい、マルチタスク状態で余計に脳に負担をかけてしまっています。
脳を余計な負担から解放してあげるためにも、悩みを紙に書き出してあげましょう。
そうすることにより、ワーキングメモリに空きを作ることができ、効率よく脳力を発揮することができるのです。
まとめ
アンチネガティブ力を鍛えるためには、記憶力を向上させると良いですよ、ということをお伝えしてきました。
記憶力が向上すると、メンタルが強くなるし、たとえネガティブ思考に陥ったとしても、楽観的な方向へ気持ちを切り替えることができるようになります。
短期記憶能力を上げるためには、ワーキングメモリを鍛えること。
その方法は、4つありましたよね。
- 運動する
- 頭を使うゲームをする
- 楽器を習得する
- 悩みを書き出す
ネガティブな感情を引きずる場合には、それを忘れようと努力するのではなく、ワーキングメモリを鍛える努力をすることを心がけましょう。
ネガティブ思考を排除!アンチネガティブ力を鍛える4つの方法
- 記憶力が低い人の方が気持ちの切り替えが早いはウソ?!
- ワーキングメモリが高い人は有利
- ワーキングメモリが高い人の特徴
☑物事を進めるスピードが早い
☑新しい技術を身に付けるスピードが早い
☑メンタルが強く、気持ちの切り替えが早い
☑頭の回転が速い
☑注意力などのコントロールが上手い
- うつ病などのリスクが高い
- 思春期・青年期は最も悲観的になりやすい時期
- 運動する
- 頭を使うゲーム
- 楽器の習得
- 悩みを紙に書きなぐる
『最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法』メンタリストDaiGo/2019.3.19/学研プラス p. 258~p.276
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